読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

レクサス トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか

2024年08月17日 05時34分19秒 | ■読む

井元康一郎著、福田俊之監修、プレジデント社刊
レクサスブランドがアメリカで登場した際のトヨタの奮闘振りを紹介した書籍を大分前に読みました。
故障したら全米の何処へでも直ちに修理に伺います、との約束を守り、ヘリコプターで現場に向かったというエピソードと困難な開発の様子を紹介していたのを記憶しています。
五年位前に、知人のレクサスに同乗しました。
車名は忘れましたが、然程大きな車体ではないものの、静かで足回りがしっかりした、堅固な作りの車だと感じました。

私自身は、若い頃は格好良い車に乗りたかったものの、結局、実用的な大衆車を乗り継いできました。
今となっては、プレミアムクラスのレクサスには全く食指が動きません。
ただでくれるのなら乗っても良いかな、と思う一方で、メンテナンス費がかさみそうなので、ビビるだろうと思います。(貧乏性 and 実用的)
若い頃読んだ上記のレクサスの本の印象が残っていたので、本書を手に取りましたが、レクサスへの思い入れは全くありません。

読み進める内に、本書のテイストが、バブル期に登場したグルメ自慢の方々の本のような感じて不快感を覚えました。
半分以上は、実際にレクサスの製造に関与している社員に関することや語りなので、その部分は興味を持って読みました。
しかし、肝心なプレミアムクラスで成功する為に必要な要因に付いての記述が抽象的で、比較すべき欧州車との具体的な差は、走行性能以外に記述がほぼありません。
オーディオに凝っている友人が、一本数万円のケーブルを購入して音が良くなった、という話を聞いた時と同じ感じです。(信じる人は救われる)

ブランドに関する著者の主張も同意できません。
ブランドを確立する難しさを論じる際に、ハウツー論を批判し通用しないと主張しています。
端的に言えば「貧乏人には金持ちの好みは分からない」とうことなのでしょうか。
トヨタがレクサスブランドを確立する確たる方法論は無いのだから、著者がトヨタに注文を付けることは出来ないのでは?

事実を取材して、トヨタの人々が求める方向と現状の差を論じるのであれば、本書は、もっと説得力のある著作になったのではないかと思います。

社員の方々の言動の紹介以外は、あとがきを読めば良いと感じました。
私が期待した内容とは全く異なる類いの評論書と思います。
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井元康一郎  ○レクサス
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評価は2です。

※壁紙専用の別ブログを公開しています。
カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2


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