森享(あつし)著、岩波ブックレットNo.481
貧しい生活の中にあって結核を患った薄幸な女性が登場する小説やドラマを見たことがありましたが、現実世界では、身近によのような人を知りません。たまにテレビで芸能人が結核に罹ったことが報道されますが、それでも他人事に感じてしまいます。それ程、結核患者が少なくなっているのだと思います。
しかし本書によれば、世界では、未だに結核患者が増えており、特に貧しい途上国で激増しているとのことです。咳やくしゃみによる唾液などの飛散から感染するので、集団生活をせざるを得ない学校などで急速に感染が拡大し、また、栄養不足による体力の低下も感染に大きな影響を与えているとのことです。
日本では、BCGの予防接種を行っているので結核にはならないのかと思っていたら、予防接種ワクチンの効果は次第に薄れて行くのだそうです。また、感染してから肺の中で増殖して症状が出るまで非常に時間が掛かるそうで、感染してから20年後に症状化することもあるそうです。しかも、感染して免疫反応で押さえ込んでも、体内に潜伏した結核菌が生き残り、長い時間を掛けて増殖することもあるそうです。だから、親が結核に掛かると、子に感染し、大分後に症状が現れることもあるとのことです。
仮に咳などの症状が出ても風邪かと思い込んでしまう。X線写真で見ても肺炎と誤診してしまうことも多いようです。結局、血痰を吐いて初めて結核と分かることもあるようです。しかも、ご多分に漏れず耐性菌が出現しているとのことで、本当に怖い病気です。
因みに結核菌に関する本書の記述を引用します。
「その表面は鎧のようにワックスのような膜で覆われており、そのため酸やアルカリ処理、乾燥に対してかなり抵抗性のある菌です。ただし紫外線だけに弱いのが特徴です。この菌は発育・分裂が遅く、菌が一回分裂するまでに10から15時間を要します(大腸菌では十数分)。」
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/結核
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著者は、職歴のほとんどを結核予防会結核研究所で結核の疫学・管理の研究と診療・教育に従事されているそうで、様々なデータから、患者の数が少なくなったとはいえ、高齢者の発症が多かったのが、近年では若年層で患者が増えている現状を踏まえ警鐘を鳴らしています。
評価は4です。
貧しい生活の中にあって結核を患った薄幸な女性が登場する小説やドラマを見たことがありましたが、現実世界では、身近によのような人を知りません。たまにテレビで芸能人が結核に罹ったことが報道されますが、それでも他人事に感じてしまいます。それ程、結核患者が少なくなっているのだと思います。
しかし本書によれば、世界では、未だに結核患者が増えており、特に貧しい途上国で激増しているとのことです。咳やくしゃみによる唾液などの飛散から感染するので、集団生活をせざるを得ない学校などで急速に感染が拡大し、また、栄養不足による体力の低下も感染に大きな影響を与えているとのことです。
日本では、BCGの予防接種を行っているので結核にはならないのかと思っていたら、予防接種ワクチンの効果は次第に薄れて行くのだそうです。また、感染してから肺の中で増殖して症状が出るまで非常に時間が掛かるそうで、感染してから20年後に症状化することもあるそうです。しかも、感染して免疫反応で押さえ込んでも、体内に潜伏した結核菌が生き残り、長い時間を掛けて増殖することもあるそうです。だから、親が結核に掛かると、子に感染し、大分後に症状が現れることもあるとのことです。
仮に咳などの症状が出ても風邪かと思い込んでしまう。X線写真で見ても肺炎と誤診してしまうことも多いようです。結局、血痰を吐いて初めて結核と分かることもあるようです。しかも、ご多分に漏れず耐性菌が出現しているとのことで、本当に怖い病気です。
因みに結核菌に関する本書の記述を引用します。
「その表面は鎧のようにワックスのような膜で覆われており、そのため酸やアルカリ処理、乾燥に対してかなり抵抗性のある菌です。ただし紫外線だけに弱いのが特徴です。この菌は発育・分裂が遅く、菌が一回分裂するまでに10から15時間を要します(大腸菌では十数分)。」
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/結核
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著者は、職歴のほとんどを結核予防会結核研究所で結核の疫学・管理の研究と診療・教育に従事されているそうで、様々なデータから、患者の数が少なくなったとはいえ、高齢者の発症が多かったのが、近年では若年層で患者が増えている現状を踏まえ警鐘を鳴らしています。
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