月村了衛著、朝日新聞出版刊
折り紙付きの変人である大蔵省キャリア官僚の香良州は、島流しの人事の職場から本省に文書課の補佐として戻ってきた。着任早々、「ノーパンすき焼き」という接待事件が明るみに出て、マスコミの連日の報道で大騒ぎになってしまった。根っからの合理主義者で極めて優秀な頭脳を持つ主人公は、大蔵省の財政・金融政策の現状に危機感を抱いているが、ひよっこの補佐に過ぎない立場で出来ることに限りがある。
一方、接待に加わってしまった同期の4人から何とかして助けて欲しいと頼み込まれる。嫌々ながら引き受けると、今度は、大蔵省の実力者から、事件に関わった者を調査するよう内命を受けてしまうが・・・。
実際にあった「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件を舞台に用いており、主人公の香良州は、実際の大蔵官僚であった高橋陽一さんのキャラクターを借用しているようです。率直で的確な物言いが特徴的な方で、変人オーラ全開の、魅力的な人物です。それが、本作の主人公に重なり、喜劇の要素を盛り込んでいるので、読者サービス満点の作品。
しかし、終わり方は良くない。もしかしたら、続編があるのかもしれない。そうであれば、中途半端な終わり方も納得できるのだが。どうでしょうか。
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○月村了衛 ○ノーパンしゃぶしゃぶ
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評価は4です。
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