大嶽秀夫著、中公新書刊
著者は1943年生まれの政治学者だそうです。2003年に発行されたので、その時点で、著者は60歳です。政治学者として充実した境地に達していたのだと思います。
本書は、小泉さんが総理大臣を務めている時点での執筆で、それまで、日本では少なかったポピュリズム型の庶民による政治への関与を扱っています。小泉政権に至る伏線として、芸能人の政治への進出、マスコミ(主に新聞対テレビ)の影響力の変化、大衆へのマスコミの影響など、多面的に現代の政治史と、丁寧かつ明快に分析しています。内容を拝見すると、やや右寄りながら、中庸な視点から政治をご覧になっておいます。また、政治史の分析に不可欠と思われる経済学についても、かなりの見識をお持ちのようです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/大嶽秀夫
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私とは見解を異にする分析も多々ありますが、他の初心者向けの政治分析の本に比べて、大変に優れた内容であると思います。何しろ、ついこの間マスコミを賑わした数々の政治劇の背景を詳細に紹介し、それらの状況の推移と是非について明快に論じているのですから。
政治が権力闘争であるのは事実として、それが、手段から目的に化している昨今にあって、著者が提起する課題は、日本の政治(制度)が持つ限界を示していると思います。つまり、政治を理想の神棚に祭り上げたり、腐った果実として忌避するのではなく、次善の選択を繰り返しつつ最善の未来を目指す協調の営みとして捉えるべきではないでしょうか。
評価は4です。
著者は1943年生まれの政治学者だそうです。2003年に発行されたので、その時点で、著者は60歳です。政治学者として充実した境地に達していたのだと思います。
本書は、小泉さんが総理大臣を務めている時点での執筆で、それまで、日本では少なかったポピュリズム型の庶民による政治への関与を扱っています。小泉政権に至る伏線として、芸能人の政治への進出、マスコミ(主に新聞対テレビ)の影響力の変化、大衆へのマスコミの影響など、多面的に現代の政治史と、丁寧かつ明快に分析しています。内容を拝見すると、やや右寄りながら、中庸な視点から政治をご覧になっておいます。また、政治史の分析に不可欠と思われる経済学についても、かなりの見識をお持ちのようです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/大嶽秀夫
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私とは見解を異にする分析も多々ありますが、他の初心者向けの政治分析の本に比べて、大変に優れた内容であると思います。何しろ、ついこの間マスコミを賑わした数々の政治劇の背景を詳細に紹介し、それらの状況の推移と是非について明快に論じているのですから。
政治が権力闘争であるのは事実として、それが、手段から目的に化している昨今にあって、著者が提起する課題は、日本の政治(制度)が持つ限界を示していると思います。つまり、政治を理想の神棚に祭り上げたり、腐った果実として忌避するのではなく、次善の選択を繰り返しつつ最善の未来を目指す協調の営みとして捉えるべきではないでしょうか。
評価は4です。
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