永野健二著、尊重文庫刊
下記リンク2つ目によれば、日本のバブル時代は「1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間」だそうです。
社会人になったのは1978年(昭和53年)で、始まった頃は社会人生活9年目頃でした。
幸か不幸か、バブルには殆ど無縁でしたが、世の中が異常にバブリーな高揚感に包まれていました。
ドリンク剤のCMの「24時間働けますか?」というキャッチコピーが印象の残っています。
著者は、そのバブルの起点となった出来事から説き起こし、その終焉までを描いています。
そして、当時証券部記者として様々な事件や人物に生で触れていたので、世間に知られていたことよりも深い、あるいは隠された事情に精通していることから、著者独自の視点で、経緯を総括しています。
様々なプレーヤーの愚行に加え、世界の潮流に乗って閉鎖的な日本の制度を乗り越えようとした人々の挫折や、それを妨げた人々の愚かさ描き出しています。
55年体制が生み出した「政財官」の癒着が、日本独自の資本主義体制を温存させた、ということのようです。
三者は、いわば三すくみの状態で互いに時々の状況や利害で動きますが、往々にして近視眼的、場当たり的な判断に陥る。
その結果、失われた20年をもたらすことになった。
筆者は、主なプレーヤーに対する様々な思いを込めて本書を執筆したのでしょう。
重みある良書と思います。
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○バブル景気 ○永野健二
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評価は4です。
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