小泉武夫著、新潮文庫刊
小泉さんのとてつもなく面白い一冊です。この作者の著作は、ほぼ3年前に「畏敬の食」を、この5月に「冒険する舌」を読みました。前者は日頃密かに憧れている阿川佐和子さんなどの著名人(?)をお招きし、美味な食事をしながらの対談集で、何とも贅沢(不届き)なもの。後者は、東南アジアなどの虫食など、それはそれはおどろおどろしい食習慣を体験しルポしているものです。
そうした著作で感じる作者の人間性は、誠に大らかで清々しく、偏見に捕らわれていないように感じます。本作では、更に作者の優しさを感じました。美味いの反対側に位置する「不味い」を直視し詳しい分析を加えています。さすがに学者だけあって、専門的な解説を交えながら説得力ある分析を加えています。
しかし、本作の本当の良さは別のところにあります。たとえば「人生で食べることが出来る回数は限られているのだから、不味いものは食べない」という高名な方もいます。しかし著者は、多分外れだな、と思いながらも、つい一抹の期待を込めて注文して(買って)しまうのです。そして、やっぱり、と後悔しながらも、その不味さから逃げることなく真正面から取り組み完食してしまうのです。それは、作り手に対する遠慮や残せない性、あるいは探求心であるのでしょう。そして、不味さを実に多彩に分かり易く表現しています。本書は、読んで楽しく、世界が広がる一冊であると思います。(イラストがイイ! 本人にそっくりではないけど、イイ)
評価は5です。
小泉さんのとてつもなく面白い一冊です。この作者の著作は、ほぼ3年前に「畏敬の食」を、この5月に「冒険する舌」を読みました。前者は日頃密かに憧れている阿川佐和子さんなどの著名人(?)をお招きし、美味な食事をしながらの対談集で、何とも贅沢(不届き)なもの。後者は、東南アジアなどの虫食など、それはそれはおどろおどろしい食習慣を体験しルポしているものです。
そうした著作で感じる作者の人間性は、誠に大らかで清々しく、偏見に捕らわれていないように感じます。本作では、更に作者の優しさを感じました。美味いの反対側に位置する「不味い」を直視し詳しい分析を加えています。さすがに学者だけあって、専門的な解説を交えながら説得力ある分析を加えています。
しかし、本作の本当の良さは別のところにあります。たとえば「人生で食べることが出来る回数は限られているのだから、不味いものは食べない」という高名な方もいます。しかし著者は、多分外れだな、と思いながらも、つい一抹の期待を込めて注文して(買って)しまうのです。そして、やっぱり、と後悔しながらも、その不味さから逃げることなく真正面から取り組み完食してしまうのです。それは、作り手に対する遠慮や残せない性、あるいは探求心であるのでしょう。そして、不味さを実に多彩に分かり易く表現しています。本書は、読んで楽しく、世界が広がる一冊であると思います。(イラストがイイ! 本人にそっくりではないけど、イイ)
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