夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

ハモンベジョータとストラディバリウス

2005年07月10日 23時49分48秒 | 芸術・文化
DATE: 07/10/2005 23:39:25


少し前にハモンベジョータについて書いたことがあったけど、そのレスであるレストランのオーナーからそこのレストランでは裏メニューでハモンベジョータの脂身のところを使ったチャーハンを出せるって話があり、その取り合わせに思わずう~んとうなってしまった。値段もリーゾナブルだし、チャーハンならあのちょっと強めの塩味も、ほどよくなるのだろうか。なんて考えていたら、ならそのオーナーシェフをスペインに連れ出して、スペインでチャーハンを作ってもらえたらなんて、とんでもない考えが浮かんだりして。でもどんなに美味しいといわれるものでも、そこの風土の中で育ってきたものだから、特にヨーロッパ物は塩味も香辛料も日本で出されるとちょっと強すぎると思う。日本は湿気が強いから。

そして今日の話のストラディバリウス。これも前に書いたと思うけど、知り合いがついている先生(音楽音痴の私でさえ名前を知っているような世界的なバイオリニスト)がストラディバリウスのオリジナルを持っているということを言っていた。ストラディバリウスなら日本人でも持っているし、オリジナルだからって騒ぐことはないと思われるかもしれないけど、その楽器を除いて、現存するストラディバリウスは全て現代ピッチに改造されたもの。私はオリジナルのストラディバリウスの音を聞いてみたいと思う。そしてそれも早い機会にやらなければ、楽器の「賞味期限」過ぎてしまう。楽器にも耐久年があるんだよね。まだ十分に聞けるうちにその音を抑えておかなければ、ストラディバリウスもアマティもそのオリジナルの音を聞けなくなる。

これもやっぱり、ヨーロッパに行って、その風土の中で聞かなければ、本当の音色を聞けないかもしれない。

ヨーロッパへ行く留学生に、勉強はそこそこでいいから、たくさんの人に会って来なさいっていうし、音楽家には石造りのヨーロッパのうちの音の響きを聞いてきなさいってもいう。勉強は日本にいてもできるし、人的なネットワークがあればそこからいろいろの活動ができる。だから私は日本でできないことで、日本に帰ったときに財産になるようなことをやるべきだと思うから。

ところでずいぶんと話は変るのだけど。日本の音楽ホールにはプリバロックのピッチと残響を持ったホールが一つもない。これだけの数のホールがあるのに、どうしたことだろうと思う。少なくとも関東地方とか近畿地方とかというような地方ごとでもいいからプリバロックの音楽がやれるホールがあればと思う。

ハモンベジョータのチャーハンを食べに、シェフごとスペインに行くというのは夢のまた夢なんだから、少なくとも日本でそれに近いものを見たり、聞いたり、食べたりして味あうことができればいいのになってどこかで思ってるのだけど、贅沢すぎる夢かな。
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