夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

アカバナユウゲショウ Marvel of Peru

2012年06月13日 10時44分54秒 |  あなたの鼓動、華


多摩川を散歩している時にはこの花とヒルザキツキミソウをセットでよくアップしていました。
いすみでは、ヒルザキツキミソウはたくさん群れているのをみるのですが、アカバナユウゲショウはそれほど多くないのです。
アカバナユウゲショウ、たんにユウゲショウと言うのが本当なのかどうか分かりませんが、ユウゲショウというのはオシロイバナの別名としてあるので、混乱を避けるために敢えてアカバナをつけていると聞いたことがあります。
ユウゲショウはフトモモ目、アカバナ科、マツヨイグサ属です。
ちなみにオシロイバナは、ナデシコ目、オシロイバナ科、オシロイバナ属です。

オシロイバナがユウゲショウというのは、夕方から咲くからです。オシロイバナというのは種を崩すと白粉のような粉がでるから。
不思議なことに本家のユウゲショウは昼からでも咲いています。

また、ちょっと分からないのは、アカバナユウゲショウの英名にPeruがついていること。オシロイバナもアンデスでは食用になっているのだそうで、まあ間違いではないでしょうけど、ちょっと不気味。


今日のお目覚  Today's wake-up sweet ビヨウヤナギ Chinese hypericum

2012年06月13日 08時55分24秒 |  あなたの鼓動、華


今まで何度も取り上げてきているビヨウヤナギ。
未央柳とか美央柳と書かれますね。
未央柳は白楽天の長恨歌の中に出てきます。
何度も取り上げている時にこの詩も出したのかなと思い、ブログをチェックしてみましたが、見つかりませんでした。
まあ、長い詩なので、取り上げにくかったんですよね。
今回もそのごくごく一部だけ、、、
これは「漢詩を長崎弁で」のカテゴリーでも、「気になる言葉」でもありませんのでね。



漢皇重色思傾国で始まります。
漢皇(唐の玄宗皇帝のことですね)は国を賭けてもいいほどの美人がいないかって探すんです。
でもなかなかそんな美人はいない。
やっと素晴らしい美人を見つけました。それが楊貴妃。

廻眸一笑百媚生
六宮粉黛無顔色

その美しさは、ちょっと目を送って、笑いかけると、百の艶しさが生まれ
皇宮のお化粧した女官たちは色を失ってしまう、、、
なのだそうです。
大奥の女官たちはみんな見捨てられ、楊貴妃の家族は立身し、世の中の親たちは男子よりも、可愛い女子を産むことを願うようになる。

ここで、霓裳羽衣って曲のことがでてくるんですけど、これは以前、何かの詩へのコメントへのお答で言及したかな?

結局、安禄山の反乱が起こって、楊貴妃は強要され、自殺してしまう。
なんたらかんたらあって、、、、
このストーリーは上代の日本文学の手本にもなったんだそうです。

反乱は収まって、玄宗皇帝は長安に戻るのですが、もう楊貴妃はいない。

歸來池苑皆依舊
太液芙蓉未央柳
芙蓉如面柳如眉
對此如何不涙垂

戻ってみると、池苑(楊貴妃と遊んだ池)も皆、昔のまま
太液の芙蓉も未央柳も、、
芙蓉のようなあの顔も、柳の(葉のような)あの眉も(もういない)
それを思うとどうして涙なしでいられよう、、、

なんたらなんたらって続くんです。
気になる人は原文を読んでくださいね。
だって、あまりにも長すぎて、やっぱり取り上げるの大変すぎるもん。



ただ、この最後の所、太液芙蓉未央柳って未央柳がでてきますね。
柳の葉が美人の眉ってのはこの詩から始まったのかどうかは分かりませんが、たぶん日本でそう使われたのはこの詩の影響なんでしょうね。
でも、柳はずいぶん昔から、漢詩ではよくでてきますね。
日本じゃ、普通は幽霊さんのお宿くらいですけど。

ちなみに、切柳というのは、旅立つ人へ旅の平安を願う習わし。
もしかしたら、茶道のお正月の柳も、一年の初めの旅立ちと言うことでそれから来たものかもしれませんね。