こんな記事がasahi.comに出ていました。
記事は下をクリックしてくださいね。
知られているようにオランダでは大麻が売られています。
ただ、日本でよく言われているような、野放しではないのですね。
ソフトに関しても、所持の上限があり、それを超えるとつかまってしまう。
また販売目的の場合はさらにそれ以上の重い罪になる。
オランダが寛容な理由としては、
1 政府(厚生省にあたるところ)でも、ソフトドラッグに関しては酒やタバコ以上に習慣性がなく、体には害が少ないと主張し、もしソフトドラッグを禁止するのであれば、酒やタバコも同列に処置しなければって言っています。
2 禁止することによって、これらの販売や、購入が闇に隠れてしまう。
これらを表に出しておいて、習慣性のある人に関しては徐々に減らすような策を練ることがベターである。
これらは、あくまでオランダ政府が出している小冊子から要点を引いたもので、私がそう思っているということではありませんので、ご注意くださいね。
ちなみに、2に関してはいろんな制度はありますけど、減らすような努力がどれだけ効果を挙げているのかは私には疑問です。
でも、同じような言い方をしていたものとして、オランダの安楽死がありますね。実際問題として、医師や家族が、助からない患者の命を絶つケースはたくさんある。それが闇から闇へと処理されているのが問題で、一定の条件の下にそれを認めることによって、それを表に出していくのだという説明がなされていました。
あまり知られてはいなかったけど、これと同じ考えは日本でもオランダの法制化よりも早く、判例として認められていたんですね。
無神論者が多くなったとはいえ、オランダはキリスト教国だったんです。自殺に等しい考えをコンセンサスとして受け入れるまで多くの議論が交わされたのですね。
その辺の反対意見との葛藤が日本では知られていないのがとても残念です。
話を戻しまして、特にEUになってからは、国境の通過が自由化され、オランダで大麻を買い付けて国に持ち帰る人が増えました。大麻を禁止している国は国境での歯止めが利かなくなってしまって、近隣諸国からの批判が出されているので、オランダ政府は自分の立場を正当化するための小冊子をたくさん作っているのです。
これらについての批判がありましたら、私にではなく、オランダ政府に言ってくださいね。
これらの意見の大本には、オランダが海洋貿易を進めてきた国。いろんな人々、文化があると言うことを前提にしている国であって、個人が自分の責任でやることに関してはできるだけ自由にするというのがあるのだと思います。
非居住者への販売を禁止する。これをあくまで国内の問題とすることで、EU諸国からの反対をかわす。実利的なオランダらしい解決法なのでしょうね。
麻薬に関しては多くの日本人がオランダのスタンスに反論を覚えるでしょうけど、でも、自分と相容れない意見を持っている相手もまた相手なんですね。相容れないからのけ者にしてしまう、押しつぶす、これはもっとも怖いことかもしれませんね。
逆に言えば、どんなに反論があろうと、自分のスタンスは押し通すだけの気概も必要なんですね。
なんてことが、少し前に書いていた、未完のライフワークの趣旨だったんですけど。
大麻購入「オランダ居住者に限定」 客集まり治安に不安(朝日新聞) - goo ニュース
以前、風車様が現役のバリバリでご活躍の時に、オランダの「Terminal Care」に関するシンポを東京で、開催した事がありましたよね、あの時のプレゼンターの一人が、オランダ厚生省の方でしたが、セミナーの後で、六本木のジャズクラブで、飲みながら「オランダって言うとすぐ、安楽死とマリファナ解禁って、簡単に言われてしまうけれど、これまで、どんなに時間がかかって、議論をしつくして、ようやく今の状態になったか、わかってくれないんだよな~」ってぼやいていたのを思い出します。本当に、安楽死承認までの経過で、1冊の本がゆうに書けますね。マリファナもそうですね。まあ、ゲートウェイドラッグと言う人の意見も一理ありますが、「末期がんとの対処法」なんて、まだ、日本では全然検討されていないのでは?
介護や医療に携わる人には必読の書かと思いました。
私はオランダに行った事もないですが、少なくとも、どれ程の過程と議論を経て安楽死が社会の中で制度化されていったのかは、読むと理解できます。
成熟した市民の作る社会でなければ、安楽死はとても制度化できない事も解ります。
日本では、とても無理ですわ。なんたって、市民ではなく子供と魑魅魍魎の国ですもの
結果だけが知られていっているのですけど、あの論争こそが、ほんとうは知っておいて欲しいところでした。
あの会議でも、安楽死を議題に入れたらって話がありましたが、それをするにはそうとう長期にわたる下準備が必要、それでなければあの問題を表層だけで判断されてしまうからって反対しました。
今でも状況はあまり変わっていません。
確かに難しい問題には違いありませんけど。
はい、三井さん、読売新聞の記者さんですね。
ブリュッセルに駐在されていたのですけど、あの問題を結構鋭く取り上げられておりました。
日本でもあの論争をやろうとすればおそらく何十年経っても結論はでないかもしれませんね。日本が未熟とは申しません。日本は大きすぎるのですよ。
そして全てのことに絶対的な真があると考えているらしいのが日本人ですから。
真実は人の数だけあるなんてことは言いませんけど、オランダ的にはそうなんですよね。
お子ちゃま拝