横須賀に住む高校同窓生(女性)が、「横須賀港の米軍基地や自衛隊基地を見ていると恐ろしくなる」と言っていたが、今回その様相をかい間見る機会を得た。日蘭協会秋のバスツアーの目的地が横須賀となり、その日程に「横須賀湾クルージング(45分)」が組まれたからだ。
45分間で我々の目に触れたものは、かつて三浦按針(ウィリアム・アダムス)が治めた美しい三浦半島の山々でもなく、それを写す美しい横須賀湾の姿でもなかった。目に映るのは、両岸に絶え間なく表れる膨大な数の艦船や潜水艦で、戦力不保持を定めた憲法を持つ国の様相ではなく、彼女の言う「恐ろしくなるような光景」であった。そこには間違いなく軍事大国の様相が広がっていた。
2019年度の防衛省の予算要求は5兆3千億円に及んでいる。第二次安倍内閣が発足した2013年は4兆7500億円であった防衛費は年ごとに増加され、ついに5兆円を突破、GDPの1%という歯止めもかかりそうにない。日本の軍事力は英仏独各国に比肩する規模で、戦力不保持どころか、世界有数の軍事大国の道を突き進んでいるのである。
背景に、トランプの要求に従った安倍政権の兵器爆買いがあることは事実だ。トランプと安倍の組み合わせは、戦後史上最悪の組み合わせと言わねばなるまい。