昨年来、新しい試みを取り入れての娘のオペラ公演、一体どうなることかと心配を続けてきたが、何とか好評のうちに二日間の公演を終えた。しかも猛暑の中、券を購入してくれた方々も果たして来てくれるのか、と不安は大きかった。ところが初日75人、二日目は165人とたくさんの人が来てくれた。二日目は満席で、関係者は立ち見という有様…、有難いことだと感謝している。
女中と使用人役を狂言回し役として日本語で進展をつなぎ、歌手たちも話し言葉の部分は日本語セリフで舞台をつないで観衆の理解を助ける。それでもアリア部分などは音の美しさを損なわないようにイタリア語となるので局所的には理解できない。しかしそこは、前後の日本語セリフの延長線上で各人想像をたくましくしてくれ、というわけだ。その中で、特に子供でも理解できるように、というのが、昨年の『愛の妙薬』以来の取り組みだ。
名場面のいくつか
大方の方々から「芝居としても面白く、楽しく出来ているので楽しめた」と好評をいただいた。もちろん、「伯爵があれほど嫌っていた長女と、突如結婚する気になった変化が分からなかった」など疑問も出されたが、それ等をあれやこれや論じ合っているところは、まさに制作者の意(「分からないと思わないで想像力をかき立ててくれ…」という意図)が生きていたのかもしれない。
また音楽に精通している方々からは、「オーケストラ役を一人でこなすピアニストの力量に感服した」とか、「よく練習している。合唱の美しさは素晴らしい」などの声も寄せられた。まだまだ努力しなければならない点は多いのであろうが、まあ、成功したといえるのではないか。
舞台を打ち上げて、おどけて見せる出演者たち