五木寛之か誰かが、人生を就学期、就業期、老後期の三つに分けて書いていたように思う。(それぞれ難しい言葉で呼んでいたが) 確かに学業を終えるまでの期と、家族を含めて生きていくために働き金を稼ぐ期と、それを終えて自分のために生きる期に分けるには意味があるような気がする。
これに従い振り返ると、大学を出るまでの22年間が就学期で、以降今月までの約56年間が就業期で、これから何年生きるか知らないが、残された短い時間が老後期、つまり自分の時間ということになる。
ところが私の場合少し違う。M銀行時代の30年間は確かに就業期という感があるが、その後の26年間は、確かに家族を含め生きるために稼ぎ、会社に縛られて働きもしたが、同時に、自分のために生きた充実感が残っている。
会社経営にかなり主体的に臨んだし、何よりもこの間、自分の趣味を相当に開花させた。年一回は海外を訪ね、国内の全県を回ってその地の酒と食、その地の文化に触れてきた。
それらをまとめて、酒の本三冊と旅の本二冊を出した。本の内容は大したことはないが、自分なりには面白かった。ここ6年、ブログを書き続け、年ごとに製本したものが六冊に及んでいる。
会社のためにも頑張ったつもりでいるが、この26年は前掲の老後期、つまり自分の時間をかなり生きてきた自負がある。
そうすると、これからはどのような段階になるのだろうか? もっと新しい段階が何か開けているのだろうか? 時間は短いだろうが、それが楽しみだ。