うち続くコロナ自粛の中で、孫の遥人にも半年ぐらい会っていない。妻も、口を開けば「遥人はどうしているだろうか?」と呟いている。言葉を交わす議題に乏しい老夫婦にとって、たった一人の孫の話題は欠かせない。
そこへ、娘を通して「遥人からのラブレター」が届いた。二つ折りの赤い折り紙に「はるとより」と書かれてあるので裏を開くと、大きな元気のよい字で、「じじばば だいすきだよ」と書かれてある。
遥人、5歳2ヶ月、いつの間にか立派に字が書けるのだ。これからの成長は、85歳の老人の想像を遥かに超えていくのであろう。気が付いた時には、、まさに「遥かな人」になっているかもしれない。