ミャゴラトーリのオペラ公演『カプレーティとモンテッキ』が、8月5日(19時)と6日(15時)と迫ってきた。開演に合わせ、練習も佳境に入ったようである。ミャゴラトーリは、岩田達宗(演出)、柴田真郁(指揮)両氏の支援を受け、小劇場演劇的オペラという新しいジャンルに取り組んできた。一昨年の『ラ・ボエーム』、昨年の『カヴァレリア・ルスティカーナ』に続く第3弾が、この『カプレーティとモンテッキ』である。
常に独自の解釈による演出で、オペラ界の鬼才と呼ばれている岩田氏の演出は、今年も冴えわたって、熱い練習会場は一層の熱気に包まれているようだ。大量の舞台道具を抱えて毎晩深夜に帰宅してくる娘は、疲れ果てているようであるが、同時に新たなエネルギーを受けているようで、そのエネルギーが生み出す練習成果に目を輝かせている。
カプレーティ家とモンテッキ家の争いで、多くの人たちが死んでいく…。その中で、若いロメオとジュリエッタも「戦争はイヤだ!」と叫び、苦しみ続けながら死に向かう…。単なる悲恋物語ではないこの戦争の物語を、鬼才岩田氏はどのように演出するのであろうか?
以下、その練習風景のいくつかを。 (写真は熊谷香保里さん提供)
左が初日、右が2日目のロメオとジュリエッタ。作曲者のベッリーニは、ロメオ役をメゾソプラノと指定しているので当然女性。しかし今度は、初日公演でこの役をテノールの寺田宗永が演じる。正に禁を破った演出である。2日目は原作通りメゾソプラノの森山京子が演じるので、これは双方を観る必要があろう。ジュリエッタは、初日高橋絵理、2日目平野雅代とこれまた実力派である。
初日ジュリエッタ役の高橋絵理
指揮 柴田真郁 演出 岩田達宗