昨日、小野党7会派の提出した野田首相の問責決議案が参院で可決された。この案は、民主党はもちろん、それに同調した自民党と公明党をも糾弾する問責決議案であった。驚いたのは、それに「自らをも問責する」自民党が賛成して可決したことであった。
私は民主党と野田首相は問責されてしかるべきと思っている。国民は「何とか自民政治を変えてほしい」と願って民主党を選んだ。ところが、公約にも掲げていなかった消費税増税を強引に持ち出し、こともあろうに自民党と一緒になって消費増税を進めているのであるから、それは十分に問責に値する。ところが、一緒になって増税を進めてきた自民党が、自分も非難されている7党の問責決議案に賛成したから、何が何だか分からなくなった。
7党の案には問責理由として次のような文言が入っている。
「最近の国会運営では民主党・自民党・公明党の3党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない」
「参院で審議を行うなか、社会保障部分や消費税の使い道等で3党合意は曖昧なものであることが明らかになった」
これは明らかに、民主党だけでなく自民党をも糾弾している。これに賛成するということは、「ハイ、我々自民党は議会制民主主義は守っていません。それに3党合意なんて仰せのとおり曖昧なものでございます」と言っているようなものである。(事実は言っている通りであるが…。)
この無節操ぶりにはあきれてものが言えない。野田を倒して早く政権を取りたいあまり、筋も道理も捨て、ミソもクソも一緒にして賛成したとすれば、とても政党の体をなしているとは言えない。国の内外に問題が山積しているこの時期に、権力欲しさに国民不在の政局だけを追っているような政党は、存在するだけでも害といえよう。