旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

コロナ禍の下でのオリンピック…どうすればよかったのか?

2021-07-30 11:03:11 | 時局雑感



 このような事態(コロナ)の中でオリンピックなど開催できるのか、と思い続けていた。その通り、開催が進むにつれて感染者が増加し、ついに全国の感染者は一日1万人を超えた。専門家の中には、オリンピックを終え緊急事態宣言の期限を迎える8月23日ごろまで感染増は続き、ピーク時には一日7万人に達するのではないかと見る人もいる。オリンピックをやりながら人流を抑えるなんてできるはずはないからだ。
 一方で、日々繰り広げられる素晴らしい競技に感動も続く。先ず入場式で、200を超える国と地域から集まる姿…特に2,3名の参加者の国でも胸を張って入場してしてくる姿に感動し、「やはりオリンピックは開かねばならない!」と思う。
 競技が始まると、日々世界最高水準の技が展開され、「これを磨いてきた努力とオリンピックに向けた集中力」を思うと、ますますオリンピックは開催しなければならない、と思う。金メダルブームにわく日本チームに、人並みのナショナリズムをあらわにして興奮してもいる。ただこれは、コロナ下にあって厳しい入国制限など外国チームの圧倒的に不利な条件を加味すれば決して喜べないものと思うが。
 いずれにせよ、今日のために努力を重ねてきたアスリートのことを思えば、何とかしてオリンピックはやななければならない(IOCの延期はなし論を一応前提)。しかしこのコロナ下ではやれない。
 どうすればよかったのだろうか? 日本人にその解決能力はなかったのだろうか? 人流を抑制できない現在の蔓延状況を見ると、とても難しそうではあるが…?


照ノ富士横綱昇進(追記)

2021-07-22 14:00:33 | スポーツ




 2日、照ノ富士の横綱昇進が正式に決定され、伝達式が行われた。伝達式での口上と、一問一答で答えた決意の一言だけを記しておく 

 
 口上:謹んでお受けいたします。不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます
 一問一答で:みんなの見本になるような横綱でいたいと思っている

 とかく横綱にあるまじき相撲や振る舞いが多く見受けられる中、日本相撲界伝来の“横綱の品格“を内包した力士になってほしい。

 
 
 7月22日付毎日新聞より



絶賛!照ノ富士横綱への道、疑問が残る白鵬の土俵態度

2021-07-19 14:54:33 | スポーツ




 私の大相撲名古屋場所の関心は、全て照ノ富士の横砂昇進への道であった。願わくは全勝優勝、つまり白鵬に勝って横綱へ昇り詰めることであった。千秋楽白鵬に敗れはしたが、堂々と戦った14勝1敗は素晴らしく、協会は横綱推挙のための理事会、横綱審議会の開催を決定、昇進が事実上確定した 

 これほど素晴らしく喜ばしいことはない。それは、何度も書いてきたように(本年3月29日付「照ノ富士の大関復帰を称える」など)序二段まで落ちて4年をかけて大関に復帰し、さらに横綱への昇進を果たし彼の経歴による。
 大関を務めた力士が、怪我のせいだとは言え序二段まで陥落し、4年間という長い時間を耐え抜いてこのような偉業を成し遂げるとは、全て想像を絶し、称賛する言葉も見当たらない。

 それに反し、白鵬の土俵態度には疑問が残った。彼も6場所休場の末の「土俵生命をかけた」場所であり、見事全勝優勝したことについては称賛に値するのだろう。
 しかし、14日目の大関正代に対する正面勝負を避けた立ち合い、千秋楽照ノ富士との「殴り合い相撲」はとても横綱相撲とは言えず、多くの相撲ファンの失笑を買ったのではないか? 44回も優勝した大横綱が、なぜあんなケチな相撲を取らなければならないのか?…、大変な疑問が残った。加えて、照ノ富士に勝った後の派手なガッツポーズ、賞金を受け取った後の賞金袋に対する長い敬礼は、出稼ぎアスリートの拝金主義を見るようでゾッとした。
 大横綱白鵬は、晩節を穢しつつあるのではないか?


暗い「コロナの夏」を吹き飛ばした明るい「大谷の夏」

2021-07-15 14:12:22 | スポーツ



 夏の思い出はいろいろあるが、野球ファンにとってはオールスター戦に尽きる。中でも国技に近いアメリカにあっては、国を挙げてのお祭り騒ぎだ。その興奮を、今年は一人の日本人選手がさらった。
 大谷翔平は、ア・リーグのホームラン打者(現在33本で首位)としてファン投票で指名打者に選ばれたが、併せて、選手・監督・コーチ選出の投手としても選ばれた。この異例な選出によってアメリカ大リーグは規約変更まで行って「一番ピッチャー大谷」という二刀流オーダーを認めた。
 プレイボールの宣告と同時に打席に立った大谷は、強烈な打球を一二塁間に放ったが、二塁手の好守にはばまれた。しかし、休む間もなく一回裏のマウンドに上り、並み居る強打者を三者凡退に打ち取った。2回の表1点を取ったア・リーグはリードを続け5対2で勝利したので、大谷は規定により勝利投手となった。日本選手がアメリカ大リーグの歴史を塗り替えたのである。
 前日のホームラン競争でも8名に選ばれ、初戦で敗れはしたものの28本を打って同点延長まで戦った疲れも考えれば、想像を絶する奮闘で、「あたかも大谷のための球宴だ」と、内外の野球人が絶賛した。 

 今や大谷は世界中の人に愛され求められている。それは、二刀流とか剛速球とか長距離打球などの技術力だけでなく、その爽やかな立ち居振る舞いと共に示される人間的魅力にあるようだ。
 何がこのような人物を生み出し育て上げてきたのだろうか? 私ごときには到底書き尽くせない何かがありそうだ。

 
  7月15日付毎日新聞より


緊急事態宣言の下でのオリンピック開催?!・・・

2021-07-09 14:38:27 | 政治経済




 東京はまたまた緊急事態宣言となった。ここ一年を振り変えると緊急事態の方がはるかに長いのではないか? もはや緊急事態が常態となりつつある。驚くのは、そのコロナ禍の中でオリンピックを開こうというのだ。しかも無観客というこれまた異常な状態でその矛盾を取り繕おうとしている!

 何故そうまでしてオリンピックを開催しなければならないのか? 開催準備のために来日したIOCのバッハ会長は、無観客開催の報を受けて、その方向を快諾したという。彼らにとって無観客だろうが何であろうが開催してくれればいいのだ。その裏にある放映権料など莫大な収入の道さえ閉ざされなければ、開催国民の生命が危険にさらされようと、何十年ぶりの自国開催の祭典を観戦する喜びが奪われようと、そんなことはどうでもいいのかもしれない。加えて彼らと思いを同じくする日本政府や東京都知事など開催関係者の思いがその裏にあるのだろう。
 その中で日本政府と開催都市(東京)関係者は、国民の命を守る緊急事態宣言と、感染拡大の道を残す世界的人流をまねくオリンピック開催という解決しがたい矛盾を犯した。この最初のボタンの掛け違いを犯した以上、今後さまざまな策を打ってくるのであろうが、最早事態を取り繕う術はなかろう。
 菅総理の記者会見には、オリンピックという世界の祭典をやろうという覇気のかけらも感じられなかった。薄暗い、逃げの姿勢さえ感じられた。そうまでしてなぜやるのか? 掛け違ったボタンのまま進むしかないのであろうか?


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