狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

星雅彦というスリル

2010-12-21 18:20:41 | 未分類

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文末に【追記】あり。

茨城県人さんの沖縄旅行レポートを読んで、若い人が沖縄発の沖縄戦情報を無批判に受け入れることの危険を悟っていることを知り、同時に高校生でも独自の検証で沖縄戦を見直すことができると知り、大変心強く思った。

そして偶然ではあるが東京で勉強する沖縄出身の若き学究がお決まりの沖縄戦記を無批判に受け入れることの危うさを述べていることを知り、沖縄戦の検証も変わってくると感じた。

その契機となったのが、「うらそえ文芸」で沖縄戦の欺瞞を告発した星雅彦さんだという。

最近沖縄戦関連のエントリーが絶えて久しいが、同時多発的に偶然が重なり、どのように料理していいか交通整理が難しい。

茨城県人さんの沖縄レポート⇒天声人語⇒屋良健一郎さん⇒星雅彦さん。 はたしてこの結末はどうなるやら。

16日の沖縄「正論」の会の講演会と忘年会に参加した。

忘年会の楽しい状況のレポートは縁側さんに譲るとして、当日多くの当日記の読者とお会いすることができ、激励の言葉を頂いたことが何よりの喜びでした。

当日は星雅彦さんも参加されたが、実は星さんとはその前日、別件で宜野湾市の某所でお会いしていた。

そのとき翌日の「正論」の会の話が出たが、星さんはこれまで何度も案内は受けたが、一度も参加したことがなかった。 そこで、強く勧誘した結果の当日の参加だった。

星さんは沖縄文化協会会長という立場上、地元新聞関連の友人・知人が多く、リベラル派の集会にはよく顔を出してきたが、昨年の「うらそえ文芸」による沖縄2紙の告発以来、現在村八分状態にあるという。 知識人が沖縄で新聞社を批判することの厳しい情況を星さんの例が物語っている。

そして、唐突ではあるが昨日(20日)がコザ暴動の40周年目ということで関連記事を書いた天声人語を引用する。

そこに登場する若き研究者が茨城県人さんと同じようにこれまで「無批判に受け入れてきた、沖縄戦に関する情報は、果たして事実なのか」という素朴な疑問を投げかけている。

 天声人語
.2010年12月20日
. 東京で読んだ本紙夕刊に、沖縄生まれの若い歌人、屋良健一郎さんの歌があった。「コザ暴動あるいはコザ騒動」と題した連作から一首を引くと、〈モノクロの写真の街は白く燃ゆ コザの暴力美(は)しかりにけむ〉▼
何千人もの群衆が80台を超す米兵らの車両を焼き払った。沖縄戦後史に刻まれるコザの出来事は40年前のきょう、12月20日未明に起きた。積もりに積もった怒りの爆発だった。さらに一首引かせてもらうと、〈植民地(コロニー)の冬夜の空をねじらせて米軍車より直(す)ぐ起(た)つ炎〉▼時のコザ市長は大山朝常(ちょうじょう)さんだった。炎をにらみながら、「沖縄の怨念が燃えている」とうめいた言葉が伝説のように伝わる。晩年にお会いしたとき、「それは米軍の圧政への怨念ですね」と尋ねたことがある▼すると哀れむような目を向けて黙り込んだ。沈黙の間に、気づかざるをえなかった。怨念の炎の中に大山さんが見ていたのは、アメリカではなくて日本(ヤマト)ではなかったか――。対日講和条約で沖縄は切り捨てられ、きびしい戦後を強いられてきた▼暴動、騒動、民衆蜂起など、コザの出来事は様々に呼ばれてきた。「暴動」は日米の側から見た名称であろう。同じように、沖縄で菅首相が語った「辺野古移設がベター」は、地元にとっては政府の論理に他なるまい▼屋良さんは東大大学院で、16~17世紀の薩摩と琉球の関係を研究している。「今の状況はそれ以来の歴史の凝縮です」と言う。根ざす所は深い。40年間に怒りのマグマが減じてはいないことを、ヤマトは知る必要がある。 

                                                        ☆          

これも偶然だが、一週間ほど前、知人から、文芸誌「日差し」第11号のコピーをいただいた。                               

県出身で、東大大学院で16~17世紀の薩摩と琉球の関係を研究している屋良健一郎氏の、星雅彦氏について書いた文章のコピーである。

以下引用。〈太字強調は引用者〉

星雅彦というスリル  屋良健一郎

【削除】・・・

ウチナンチュであり、沖縄文化協会長を努める星雅彦氏が、なぜ、沖縄の〈常識〉に」異を唱えるスリリングな発言を続けているのか。 その真意を、私達は感じ取りたい。 最後に「うらそえ文芸」第15号105頁の星氏の文章を引用しておこう。

今や軍命に異を唱えて探求すると、変人扱いされるか、他人の傷跡を暴く悪趣味にすぎないと批判されるだろう。 しかし、沖縄戦の真実は、隠蔽された影の部分を剥がさない限り、見えてこないだろうし、そのような経緯にこそ重要な意味があるような気がしてならない。

引用終了。

私が星氏の発言に感じた興奮は、自分が生きてきた短い人生の中で、沖縄に対して冷静に、批判を浴びせる人物に初めて出会った驚き由来するわけだと思う。

沖縄の近・現代史を研究する若き研究者が、このように発言すること自体、沖縄が「異論を許さない全体主義」であることの証左である。

関連⇒日本兵と米兵を入れ替えた捏造の沖縄戦史

集団自決:公的刊行物の捏造を暴く!星雅彦氏が新証言発掘で

 

【追記】 18:17

屋良健一郎様から削除依頼の連絡が入りましたので「星雅彦というスリル」は削除いたしました。 本来は事前にご本人の了解を得るべきでしたが、いつものフライングで屋良様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。

削除の理由は、引用した『日差し』は内輪の知り合い向けにへ配布していることもあり、一般読者には真意も伝わりがたい、とのことです。

ただ、削除後に読む読者に「星雅彦というスリル」の概略でも知ってもらうため、同文の末尾の数行は残しておきました。

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