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12月にはいってから菅首相、前原外務相と政府幹部が立て続けに來沖し、普天間移設に関して前首相が犯した不始末を各方面に詫びて回った。
県民の怒りを表す誇大報道はいつもの通りだったが、実際は「鳩山妄想」から醒めた県民は、怒ることも忘れ無関心だったというのが実情であった。
⇒「レイムダック首相」に冷めた県民の目
前原大臣は1月にも來沖し、「お詫びとお願い」するというが、前首相の「最低でも県外」を詫びるなら、「県外」を実行すべきである。
仮にも辺野古是認をお願いするのなら、「お詫び」と「お願い」に整合性が伴わないのは小学生でもわかることだ。
外務大臣の次は北沢防衛大臣あたりを予定しているだろうが、関係閣僚が雁首を揃えて何度沖縄にお詫び行脚をしても話は平行線だろう。
迷走のため立候補直前になって「県外を要請」に変更した仲井真知事としては、当選したばかりでいきなり公約を変えるはずはない。
年が明ければ岡田幹事長が來沖し、「お願い」を繰り返すとのことだが、政府側は何よりも先に仲井真県知事が当選以来繰り返している次の言葉を真剣にとらえ、早急に議論の場を作るべきである。
「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい」
仲井真県知事のこの文言については以前に何度か言及した。
例えば「レイムダック首相」に冷めた県民の目では、次のように述べている。
<今回は首相就任後の初めての沖縄訪問であり、わずかな時間では普天間移設を本格的論議できなかったのは理解しても、首相は今後の本格的論議の道筋くらい示しておくべきだった。
議論の道筋とは何か。
仲井真知事が何度も投げかけてきたこの言葉を論議しようということ。
「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい」
結局、普天間移設は日米安全保障の問題であり、わが国の国防の問題である。
ゴミ処理場移設のレベルの問題ではない。
その近隣住民だけで考えるべきではなく、日本国中の安全保障の問題として捉えるべきである。
議論を尽くせば自ずとわが国の国防上、どの場所に移設するのがベターなのか結論が出てくるはずだ。(略)
沖縄県民は稲嶺名護市長や伊波前宜野湾市長のような極左思想に染まってはいない。
その証拠が今回の県知事選における伊波前宜野湾市長の敗退であり、名護市民の仲井真候補支持である。
県知事選で民意は変わったのだ。
その意味では現在も「国外撤去」を馬鹿の一つ覚えのように叫び続けている稲嶺名護市長は名護市民にノーを突きつけられたレイムダックと言うこともできる。
ただ、沖縄2紙がその事実に目をつぶってことさらに稲嶺市長の発言を大きく取り上げているに過ぎない。
論議を尽くせば、水は流れるべき場所に流れる。
普天間移設も納まるべきところに納まる。>
また沖縄は東シナ海の要石!では、次のように述べた。
<「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい」と。
これには当選後も仲井真知事には批判的な県内マスコミも同意せざるを得ないが、実はこの文言には国防問題を論ずることなく、安易に「県外か」「県内か」で相手を判断する県内マスコミへの大きな問題提起なっている。
だが「県外イデオロギー」で凝り固まった県内紙では仲井真知事の問いかけの意味を理解するのは困難であろう。
「米軍基地」を「ゴミ処理場」や「原発施設」と同じ視点で論じる愚かしさを何度か指摘してきた。
地域住民の同意を得るのに困難が伴うのは、いずれも「米軍基地と同じであるが、「ゴミ処理場」や「原発」が住民の同意と迷惑料の合意さえ得られれば、全国ほとんどの地域に移設が可能であるのに対し、
「米軍基地」はいくら地域住民の同意を得ても何処でも良いというわけにはいかない。
仮に伊豆諸島や小笠原諸島など太平洋側の島の住民が移設に同意しても、その地政学的要素から判断し、渡りに船とはいかないだろう。
米軍はもちろん沖縄をだけ守るためにいるのではない。
日本全体の国防のために存在する。
日本全体の安全保障を考えれば、東シナ海から太平洋への出口として南西諸島を窺う中国に対して、沖縄は「太平洋の要石」から「東シナ海の要石」へとその地政学的価値が変化しているのだ。
さらに沖縄の地政学的位置を見ると、東京や博多より中国、台湾、フィリピンに近い。 それに、なんと北海道とベトナムは沖縄からはほぼ等距離にあるくらいだ。
これらの厳然たる事実は、沖縄がアジア・太平洋・インド洋地域のの安定の点から重要な位置を占めている証左であり、ここに駐留する海兵隊基地(普天間基地)の機能は、県外、国外を問わず他の地域で代替できるものではない。
沖縄紙は今朝の沖縄タイムスの大見出しでもわかるように米軍基地の存在を『差別だ!」と感情論に訴えるが、
東シナ海から南シナ海そしてインド洋に至る「不安定の弧」の安定に日米安保が貢献していることに触れようとしない。
それどころか不安定の元凶である中国のご機嫌を取るように米軍基地を中国の一番嫌がる地域沖縄から、遠く離れたグアム島などへの撤去を求めている。
繰り返すが仲井真県知事が言う「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい」という問いかけは、
国防への無知振りを曝け出した民主党政権と、いまだに県内の民意が変わったことを認めようとしない県内紙に対し、「国防について原点に戻って議論しよう」という呼びかけだ、と推測する。>
☆
<国防は元々百年の大計です。本当に日本が上下心を一つにした国民国家となるためには、まず、沖縄が変わらなければならない。
沖縄県民1390000人を愛国者にできずして、本土120000000人を愛国者にする事など土台無理な話です。>(石原昌光さんのコメントより)
石原昌光さんの問題提起に対しては、愛国者という言葉こそ含まれてはいないが、仲井真県知事の言う「「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい」(仲井真氏一問一答)という文言が答えになると考える。
【おまけ】
県知事選運動の真っ盛りの11月7日、沖縄タイムス主催の候補者討論会で、仲井真知事は安保否定論者の伊波候補と次のような熱い安保論議を戦わしていた。 次は政府が県知事の持論に従って、県民を説得する立場だと思うのだが・・・。
<仲井真氏は伊波氏に「日米安保条約を否定するのなら、アジア、沖縄、日本の安全をどう考えるのか」と追及。伊波氏は「沖縄は日米安保のために犠牲にされてきている。日米地位協定と一体で、発展を阻害する被害の根源だ」と指摘し、「平和友好条約に移し替えるべきだ」と主張した。>http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-11-08_11833/
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