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会長 當山 正範
沖縄県知事 埋め立て承認の方向
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡り、安倍総理大臣は仲井真知事と会談し、普天間基地などの返還計画の前倒しの検討や在日アメリカ軍施設への環境調査を可能にする新たな協定の締結に向けた日米協議の開始などを伝えました。
これに対し、仲井真知事は「驚くべき立派な内容を提示いただき、沖縄県民全体が感謝している」と評価し、名護市辺野古の埋め立て申請を承認する方向で27日にみずからの判断を表明することにしています。
安倍総理大臣と沖縄県の仲井真知事の会談は、総理大臣官邸で午後1時半すぎからおよそ30分間行われました。
この中で、安倍総理大臣は、仲井真知事から要望された基地負担の軽減などについて「沖縄県民全体の思いとしっかりと受け止め、日本政府としてできることはすべて行うというのが安倍政権の基本姿勢だ」と述べ、政府の検討結果を説明しました。
具体的には、普天間基地の5年以内の運用停止と牧港補給地区の7年以内の全面返還について防衛省に作業チームを設けて検討し、返還までの期間を最大限短縮すること、普天間基地に配備されているアメリカ軍の新型輸送機オスプレイの訓練のおよそ半分を沖縄県外の複数の国内の演習場などで行うこと、在日アメリカ軍の施設や区域で、土壌などの環境汚染が生じた場合などに立ち入って環境調査を行えるようにするため、日米両政府間で日米地位協定を補足する新たな協定の締結に向けて協議に入ることなどを伝えました。
また、安倍総理大臣は、基地負担の軽減に向けた取り組みとともに沖縄振興のための予算について、来年度は消費税率の引き上げを踏まえて概算要求を上回る3460億円を計上することや、平成33年度まで毎年3000億円台を確保する方針も説明しました。
そのうえで、安倍総理大臣は「安倍政権は、引き続き沖縄振興と基地負担軽減の両面にわたり、沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、政府一丸となって全力で各種の施策に取り組んでいく」と述べ、普天間基地の名護市辺野古への移設に理解を求めました。
これに対し、仲井真知事は「安倍総理大臣みずから驚くべき立派な内容を提示していただき沖縄の140万人県民全体が心から感謝している。お礼を申し上げたい」と評価しました。
さらに、仲井真知事は会談のあと記者団に対し、「基地負担の軽減の要望が前に進み始めた実感がある。普天間基地の5年以内の運用停止が実現すれば『1日も早い危険性の除去』という点で合格するし何の問題もない。安倍総理大臣が言われたことそのものが担保となり、強い効力があると思っている」と述べ、政府の対応を高く評価しました。
沖縄県は、政府が提出している名護市辺野古の埋め立て申請について、「内容が法律に適合しないとは言えない」とする審査結果をすでにまとめています。
仲井真知事は申請を承認する方向で、27日にみずからの判断を表明することにしています。
宜野湾市長「政府を挙げて取り組みを」
安倍総理大臣が、仲井真知事との会談で、普天間基地の返還計画を前倒しできるよう防衛省に作業チームを設けて検討を開始すると伝えたことについて、普天間基地がある宜野湾市の佐喜真淳市長は、「まだ内容を把握していないので、今の段階では具体的に評価するのは難しいと思うが、安倍総理大臣や関係閣僚がしっかりと沖縄の意見を聞いて形を残しながら前へ進めていくという強い意思を感じている。最終的に求めていることは1日も早い返還なので、今後、政府を挙げて取り組んでもらいたいと考えている」と述べました。
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前名護市長、立候補取りやめ…保守系の分裂回避
沖縄県名護市長選(来年1月19日投開票)に立候補表明している前市長・島袋吉和氏(67)は25日、元副市長で前自民党県議・末松文信氏(65)と名護市内で会談し、自身の立候補を取りやめ、末松氏に一本化することで合意した。
軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を容認する保守系の分裂選挙は回避されることになった。
会談では、末松氏が、島袋氏に対して「移設を推進していく」と約束し、一本化に向けた協力を要請した。会談には、元防衛庁長官の額賀福志郎、中谷元両氏らが同席した。
島袋氏は会談後、支持者との会合を開き、自らの出馬断念を伝え、理解を得た。その後、末松氏の同席のもと、記者団に「辺野古移設を積極的に推進すると合意できたので、力を合わせて頑張ろうということになった」と述べた。末松氏は「理解いただけてうれしく思う。島袋さんと相携えてこの選挙戦を勝ち抜くのが使命だ」と述べた。
この問題は1996年、橋本首相のとき辺野古移転で実質的な日米合意ができていたのに、地元が反対してこじれた。その後いろいろな案が出ては消え、2010年に鳩山首相が「最低でも県外」と言ったことで白紙に戻ってしまった。一時は辺野古は絶望とみられていたが、仲井真氏はぎりぎりまで値段をつり上げたわけだ。
金を出す安倍首相も、別に自分の財布から出すわけではない。彼らはともに、納税者を食い物にするフリーライダーである。ケビン・メア氏も指摘するように、17年前に決まっていた移転問題をここまで長引かせたのは、基地を食い物にする沖縄と本土の政治家である。こういう醜悪な構造が見えては困るので、地元は「沖縄の心」とか「集団自決」などでごまかし、大江健三郎氏を初めとする「反基地」の左翼が、彼らの別働隊として活躍した。
そこで政治家を動かしているのは「主権者」たる国民ではなく、一部の地域や業界のロビイストである。政治家は、彼らの利益のために金を巻き上げるエージェントだ。巨額の利益が一部に分配されるが、そのコストは納税者が薄く広く負担する。国民にとっても2兆4000億円の負担は一人あたり2万円程度だから、それを阻止するコストに見合わない。
こういう構造の原因は、ファーガソンもいうように1億人以上の国民の意思を集計する民主政治の欠陥にあるので、主権国家の深いポケットがある限り、是正することは不可能だ。政府債務は将来世代が負担するので、有権者の過半数を占める団塊の世代以上にとっても問題ない。新聞購読者の過半数も60代以上だから、彼らが沖縄を美化するのも合理的だ。
ジンガレスはこういう現象を「世界がイタリア化している」と言ったが、政府債務の大きさからいうと「世界が日本化している」といったほうがいいだろう。こうなったら、日本が最初に「ハードランディング」して反面教師になることが唯一できる世界への貢献かもしれない。
⇒参考;基地利権屋の暗躍!
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