狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

中山石垣市長が反論、「百田批判は言論弾圧」

2015-07-08 07:55:22 | マスコミ批判

 

よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします

 

 「狼」の画像検索結果

 

 お願い

 

人気ブログランキングの投票が分散されるのを防ぐため、次のバナーをクリックをお願いします。

 

よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします

 

≪講演会のお知らせ≫

 皆様の御支持ご支援で進めて参りました那覇市住民訴訟も現在大きな山場を迎えております。そこでこのほど東洋学者で中国哲学史専門の加地 伸行先生を迎えして以下の通り講演会と弁護士による住民訴訟の報告会を行いますので知人友人をお誘いあわせのうえ参加下さいますようにお願い申し上げます。

             記

講師:加地 伸行先生1936年生まれ。京都大学文学部卒業。高野山大学、名古屋大学、大阪大学、同志社大学を経て、大阪大学名誉教授、立命館大学フェロー。専攻は中国哲学史。文学博士

演題:儒教は宗教か学問か(龍柱・孔子廟・中華文明について)

裁判の争点の一つに、那覇市の公有地に孔子廟を無償で供与している事実「儒教は宗教か学問か」があります)

日時:7月12日(日) 開場:17時30分 開会:18時00分  

会費:500円

会場:県立博物館1階講座室

主催:住みよい那覇市をつくる会

*複数の台風が接近しており、日程変更の場合は当会のHPまたは、狼魔人日記にてお知らせ致します。

お問い合わせ: 090-9780-7272 ニシコリまで

 

 沖縄タイムスは、一面トップを別の話題に譲りはしたものの、百田発言批判は依然として紙面の各所で燻っている。

「百田氏にも言論の自由がある」というカウンターパンチに対し、百田発言を「報道圧力」にすり替える苦肉の策。

しかし沖縄2紙が騒げば騒ぐほど返り血を浴び始めたのは皮肉である。

で、本日の一面トップはこれ。

土砂規制条例成立へ

県議会 特別委員会で可決

10日 本会議採決

「琉球新報 沖縄タイムスを正す国民、県民の会」のメンバーである筆者としては、沖縄タイムスの紙面に「百田批判」「報道圧力」などの発狂記事が燻っている限り、カウンターパンチの手を緩めるわけにはいかない。

読者にとっては退屈かもしれないが、御理解いただきたいと思います。

そんなわけで、本日の一面トップについては、深く立ち入らず感想のみに止めたい

沖縄県外からの土砂規制条例案 県議会特別委で可決

「無理が通れば道理ひっこむ」

「目的のためには手段を選ばず」

「イデオロギーのためのは経済破綻もいとわず」

「健康のためには命もいらない」

那覇空港第二滑走路の埋め立て、那覇軍港移設の浦添海岸埋め立て、泡瀬埋め立て、などいずれも県は埋め立て容認に立場である。

辺野古埋め立てしか念頭にない翁長知事が法律の整合性をどのように乗り切るか。

お手並み拝見である。

 一昨日沖縄で安保法制に関する衆議院特別委員会参考人会が開かれた。

参考人になった五人の人選の問題はさておき、安保法制暗に対する賛否は3対2で想定通り、反対意見が多くを占めた。

ところが、記者の中に本題から外れる「百田発言」に関する質問を5人の参考人にぶっつけ、これに対応する沖縄タイムスの見出しはこうだ。

事実誤認で一致

報道圧力問題で5参考人

5人の参考人の代表的コメントを同記事から抜粋する。

中山氏(石垣市長)は「政治家の発言はそれぞれが責任を取り、謝罪なり主張を続けるなりすればいい」と強調。 百田氏の発言では「事実誤認と思うが、個人の発言を新聞紙上で何度も批判するのは、言論の封殺になりかねない」との認識を示した。

稲嶺氏(名護市長)は「驚き、怒り、とても信じられない。 廃藩置県以来、沖縄に対する差別、蔑視の流れが組み込まれているのではないか」と指摘 

           ☆

稲嶺名護市長が廃藩置県まで遡って「沖縄差別」を持ち出すのには呆れる。

その一方、中山石垣市長が記者団を前にして「個人の発言を新聞紙上で何度も批判するのは、言論の封殺」と新聞批判をした。 

当たり前の発言だが、物言えば唇が寒くなる昨今の沖縄で、正面から新聞報道に反論した中山氏の勇気に拍手を贈りたい。

 以下は7月8日付け八重山日報

 安保法案「平和と安全に寄与」 中山市長が賛成表明 中国、北朝鮮「現実的脅威」 衆院特別委

 
尖閣を抱える石垣市長の立場から法案成立に賛成する中山市長=6日午後、那覇市尖閣を抱える石垣市長の立場から法案成立に賛成する中山市長=6日午後、那覇市

 衆院平和安全法制特別委員会が6日、安全保障法案をめぐる参考人質疑を那覇市のパシフィックホテル沖縄で開き、中山義隆石垣市長らが与党の参考人として出席した。中山市長は「現実的な脅威」として尖閣諸島周辺海域で領海侵犯を繰り返す中国や、2012年に石垣島上空を通過するミサイルを発射した北朝鮮を挙げ、安保法案について「日本の平和と安全をより確かにする。(法案成立が)私たちの住んでいる地域を守ると認識している」と賛成する意向を表明した。

 中山市長は、尖閣有事が起きた場合、約5万5000人の八重山住民や滞在する観光客の避難が困難と説明。「紛争や戦争等が起こらないような法整備」を求め、「抑止力の強化は大変心強い」と強調した。

 

稲嶺市長「危険極まりない」 野党参考人、法案に反対

 
衆院平和安全法制特別委員会の参考人質疑を傍聴する人たち=6日午後、那覇市衆院平和安全法制特別委員会の参考人質疑を傍聴する人たち=6日午後、那覇市

  6日の衆院平和安全法制特別委員会で、与党が推薦した中山義隆市長と古謝景春南城市長は法案に賛成する一方で、慎重審議も求めた。野党推薦の3人は「法案が成立すれば他国の紛争に巻き込まれ、米軍基地が集中する沖縄が『いの一番』に標的にされる可能性が高い」(稲嶺進名護市長)と反対した。
 古謝市長は、法案で可能になる集団的自衛権行使について「日本の自衛のためであり、憲法の範囲に収まる」と支持。その上で「国民にはまだまだ不安がある。理解を求める努力をしてほしい」と訴えた。

                 ☆

>野党推薦の3人は「法案が成立すれば他国の紛争に巻き込まれ、米軍基地が集中する沖縄が『いの一番』に標的にされる可能性が高い」

語るに落ちるとはこのこと。

野党推薦の3人は日米安保には反対であり、自衛隊という名の軍隊も反対であることがわかる。

ならば、自衛隊は憲法違反であるはずだが、彼らが護憲というのも摩訶不思議である。

今回は出なかったが、手垢の付いた「軍隊は住民を守らない」という常套句はそろそろ勘弁してほしいもの。

沖縄戦では、彼らは日本軍を残虐非道」と罵倒し、「軍隊は住民を守らない」と大合唱する。

だが、軍装備の劣悪な日本軍は、重装備の米軍の猛攻の前に「住民を守る」余力などなかったのが実情である。  

               ☆      

沖縄2紙が捏造新聞であることを琉球新報が証明してくれた。                   

 地元と運動、共に苦悩 辺野古区民「思い交わす機会を」

琉球新報 7月6日(月)15時16分配信

 昼夜、ゲート前で続く移設阻止行動については、基地に隣接する辺野古区住民から区民生活に支障を来さないよう求める声もあり、運動参加者も地元に配慮した改善を続けている。
 地元の辺野古区住民から困惑の声もある。区は2月、早朝の阻止行動で発生する国道329号の渋滞やゲート前の抗議での攻撃的な言葉の改善を求める陳情書を市議会に提出した。
 3月からシュワブのフェンスにくくり付けられた移設反対の意思を示すリボンなどを外す活動を続ける、辺野古区青年会の徳田真一さん(30)も「意義は理解するが地元にも配慮してほしい」と語る。活動は主要産業のない辺野古の飲食店に米兵を呼び込むためで「普天間飛行場のフェンスクリーン活動のような移設推進目的ではない」と語る。メンバーは区民だけの有志。移設反対の区民もいるという。「辺野古には辺野古の事情はある。米兵に罵声を浴びせるのではなく、国や防衛局に言ってほしい」。移設問題には「純粋な移設の賛否なら区でも半々ではないか。移設が止められないなら条件付き容認という人が多い」と複雑な思いを語った。辺野古区商工会の前会長、飯田昭弘さん(67)も「地域住民と移設反対運動の人々が思いを交わす機会がない。対話も重要ではないか」と語った。
 抗議行動の現場に通う沖縄平和運動センターの岸本喬事務局次長によると、夜間は拡声器を使わない、集落内に路上駐車しない、ゲート前で止める移設関連の車両を選別するなど、1年間で運動も洗練されているという。岸本事務局次長は「渋滞などで地域に迷惑を掛けるつもりはない。ただ、政府が民意を聞かずに強行するからわれわれも行動せざるを得ない」と語った。

             ☆

>辺野古区商工会の前会長、飯田昭弘さん(67)

筆者の知る限り、このお方は沖縄2紙の捏造報道に怒りを露にしている方。

飯田氏の不都合な発言はもみ消したもだろうか。

 【おまけ】

上記琉球新報の捏造記事に関連する 金子 勝さんのFBへ投稿です。

金子 勝さんの写真

 

金子 勝さんの写真

 
 

昨日の琉球新報政治欄に掲載されたこの記事(写真1枚目)をご覧になられた方はいらっしゃいますか?

この記事読んでどう思われたでしょうか?

なんとこの記事、嘘だったことが判明しました。

新聞記事というのは、真実を報道するという使命を持っています。書いた内容が、意図的に操作され事実と違う表現になっていれば、嘘といわざるを得ません。例え記者の聞き間違いであろうが、活字化されてしまえば嘘の記事を配信したことになります。

先だって、自民党若手議員が開いた勉強会で、作家の百田尚樹氏が、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」と発言した理由は、このような嘘記事を平気でかく地元2紙の体質があるからなのです。

多くの県民も、40代以下、特に30代・20代に、この2紙について疑問を持ち、新聞購読を辞めたり、内地の新聞に切り替えたり、最近よく聞くのが八重山日報に切り替える人が多くなってきているということは、この2紙の余りにも偏った記事や捏造・嘘報道が多いからであろう。

今回の辺野古区民と不法に道路等を占拠して運動を続ける反対派の両側を取り上げ、『如何にも両論を併記したぞ!』とでも言うような記事にしているが、記事の内容をよく見るととんでもない嘘記事だったことが判明した。

その嘘記事とは、添付した記事(写真1枚目)で青く囲んだ部分で、『「普天間飛行場のフェンスクリーン活動のような移設推進目的ではない」と語る。』というところです。
辺野古区青年会の徳田真一さん(30)は、まったくこの内容は発しておらず、ご本人に確認したところ『宜野湾でフェンスクリーンをしている人たちと一緒ですか』との趣旨の質問に対して「一緒ではなく、辺野古区民だけで作業しています」とだけ答えていたとのことです。勝手に、しかも、如何にも喋ったように、『「普天間飛行場のフェンスクリーン活動のような移設推進目的ではない」と語る。』書かれてしまったようです。

それと、このフェンスクリーン活動は、辺野古推進活動ではなく単なる街の美化運動なんです。フェンスクリーンには宜野湾市の方も多くいて、その中には、「基地は反対だが私たちの街を汚すのはやめてほしい。反対運動はやってもいいが、このやり方は間違っている」という旨のことを言って、参加している方が何人もいます。取材もせずにフェンスクリーンは「辺野古推進派」と決め付けているところも完全に捏造だと指摘します。

記事の見出し(キャプション)を見てください。
『地元と運動、共に苦悩 辺野古区民「思い交わす機会を」』・・・・とありますが、この見出しを見て記事の中身がわかりますか?
私にはさっぱりです。
『地元と運動、共に苦悩』??? ・・・・これって何のお話?
『辺野古区民「思い交わす機会を」』??? ・・・・思いを交わす????
え? 反対派と(条件付賛成派が多数を占める)辺野古区民が何の思いを交わすの??
さっぱりなんのこっちゃです。区民の皆さんもこの見出しだけでは「?????」でしょう!

中身を読んで初めて、あらら、そういう事かとなります。とても不安定で誤解をも生む見出しになっています。

が、しかし! 中身も意図的に替えられては、たまったものではありません。

このように基地反対運動を正当化するためには、どんな手段・手法をも迷わず使うのが琉球新報です。いや、沖縄の2紙(もう一社は沖縄タイムス)です。

琉球新報社は、この記事に対して抗議をしたらどう対処するだろうか?
訂正記事を載せると思いますか皆さん?! 私はそう思いません。何故って? これまで、ただの一度も反省したことありませんからこの社は。

やっぱり、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」となるでしょ!

◆ 琉球新報辺野古問題取材班 @henokonow
https://twitter.com/henokonow
◆ 地元と運動、共に苦悩 辺野古区民「思い交わす機会を」             2015年7月6日 15:16
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-245348-storytopic-3.html

 

よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします

「百田氏は憲法違反」か?〜百田発言の検証

2015-07-08 03:21:38 | マスコミ批判
よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします

 「狼」の画像検索結果

 お願い

人気ブログランキングの投票が分散されるのを防ぐため、次のバナーをクリックをお願いします。

よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします

 

「百田氏は憲法違反」か?〜百田発言の検証

Is Mr.Hyakuta Against the Constitution of Japan ? --- Verification of His Remarks

2015/07/01

自民党の会合における作家・百田尚樹氏の発言をめぐって、いまだに紛糾が続いている。百田氏の発言は、沖縄問題をテーマとして発言を続ける者にとってもいささか迷惑な話ではある。沖縄問題については、何より冷静な姿勢で事実を見極め、議論を続けることが望ましいが、従来もメディアから識者まで感情の渦の中に巻きこまれる傾向が強かった。事実の確認や表現などの面で適切さを欠いていた百田発言が、こうした傾向をいたずらに助長してしまったことは残念だ。

多くは一過性のバッシングに終わるだろうが、いくらなんでも行き過ぎだと思う事例もある。会合に出席して発言した自民党の国会議員が批判され、処分を受けるのはわかる。だが、公人(国会議員など)や議会(宜野湾市議会)が、私人である百田氏に「謝罪」や「訂正」を要求する事例まで出てきたのにはさすがに驚いた。

とりわけ、沖縄県選出国会議員5名が連名で出した抗議声明(6月27日付)には仰天した。まずは、『「百田氏発言は憲法違反」 沖縄選出議員ら抗議』という見出しをつけられた東京新聞の記事(6月27日夕刊掲載)をご覧あれ。

 安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会で、沖縄の有力二紙をはじめとする報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題をめぐり、沖縄選出の野党国会議員ら五人は二十七日、勉強会の講師を務めた作家の百田(ひゃくた)尚樹氏に「憲法二一条の報道・表現の自由に反し、断じて看過できない」と抗議する声明を発表した。
社民党の照屋寛徳(てるやかんとく)衆院議員は記者会見で「表現、報道の自由は民主社会の根幹にかかわる。憲法の破壊につながる暴言だ」と批判。百田氏の小説「永遠の0」を引用して「百田氏の戦後史に関する知識は、永遠のゼロだ」と述べた。
声明はマスメディアが権力に批判的なスタンスであるのは健全とし、二紙が基地問題を大きく扱うのは「沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ」と強調。県民世論の代弁者として政府を追及しているだけだと指摘した。声明は百田氏と、勉強会に参加した全国会議員に送付する。
声明を出したのは、ほかに赤嶺政賢(あかみねせいけん)(共産)、玉城(たまき)デニー(生活)、仲里利信(なかさととしのぶ)(無所属)の各衆院議員と、糸数(いとかず)慶子参院議員(同)。いずれも昨年十一月の知事選で翁長雄志(おながたけし)知事を支持した。自民党の国会議員には呼び掛けなかった。
◆抗議声明のポイント
▼民主主義社会では、マスメディアが権力に対して批判的なスタンスであるのは健全。報道機関を「つぶす」と述べるのは報道・表現の自由に反し、断じて看過できない。
▼地元二紙が基地問題を大きく扱うのは戦後七十年、沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ。
▼百田氏の数々の発言は著しい事実誤認に基づき、沖縄に対する不見識の甚だしさを物語っている。
▼「暴言」「妄言」と厳しく指弾せざるを得ず、発言の撤回と二紙への速やかな謝罪の意思を示すよう強く求める。

百田発言は、政権与党の会合における私人の発言である。批判することも自由だが、新聞の偏りを指摘したり、自らの基地問題に関する見解を開陳することもまた自由である。その意味で、今回の発言をきっかけに各所で議論が沸騰している現状そのものは、日本の言論空間が自由であることの証として歓迎すべきことだが、上記の抗議声明はさすがに常軌を逸しているといわざるをえない。沖縄県選出の国会議員が一団となって、私人の発言に対して謝罪と訂正を求めるという行動こそ「言論封殺」だ。私人にとっては国会議員も権力の一角である。

同じ会合に出席していた政権与党の国会議員の発言は、権力の側の「報道規制」につながる怖れがあるから批判されるのは当然である。批判自体はまっとうだから、「議員の発言は不用意」とのそしりはやはり免れず、自民党がいち早く処分を決めたのは適切な対応だ。だが、私人である百田氏の発言が果たして「報道・表現の自由を犯すもの」だろうか? むしろ百田氏に激しく抗議する国会議員こそ、百田氏の「表現の自由」を犯すことになるのではないか。「百田氏は憲法違反」というくだりに至っては、開いた口が塞がらなかった。私人に対して「あなたは憲法違反である。謝罪しなさい」と要求したケースなどこれまで見たことがない。憲法とは権力に立つ側を縛るものであって、私人を告発するためのものではない。それとも議員団は、百田氏を権力者だと考えるほど、憲法や民主主義を理解していないのだろうか。

「宜野湾市民、沖縄県民の名誉を傷つけたから名誉毀損で訴える」というのならまだしも、『民主主義社会では、マスメディアが権力に対して批判的なスタンスであるのは健全。報道機関を「つぶす」と述べるのは報道・表現の自由に反し、断じて看過できない』から「発言を撤回せよ、沖縄二紙に謝罪せよ」というのは理解に苦しむ。国会議員なら、私人を憲法違反で告発し、沖縄二紙に謝るよう要求できるというのだろうか。憲法は報道機関の言論の自由を保障しているのではない。国民の言論の自由・表現の自由を保障しているのである。今さらだが、日本国憲法には以下のように定められている

第十九条  思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

「主役は報道機関」などとは書いていない。主役は国民であり、百田氏はその国民の1人である。そもそも「私人が報道機関をつぶせる」とまともに受けとめることもおかしいが、小著『沖縄の不都合な真実』で示したように、政府という権力の批判には熱心だが、「沖縄内の権力」に対しては及び腰な沖縄二紙を槍玉に挙げることが、事実誤認であり、謝罪の対象であると断定できるのだろうか

沖縄選出国会議員団は、「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」などといった百田発言も批判している。篠原も百田発言には誤認と誇張があるとは思う。だが、その誤認と誇張を正しく指摘するのは容易なことではない。

ここでは、沖縄タイムスが2015年6月27日に掲載した『百田氏発言「普天間飛行場、元は田んぼ」「地主年収、何千万円」を検証する』という記事を基に、「百田発言の真偽」に触れたいと思う。

■普天間飛行場、もとは田んぼ→戦前は9千人超生活
百田尚樹氏が「田んぼで、何もなかった」とする米軍普天間飛行場が建設された場所は沖縄戦の前、宜野湾村の集落があった。宜野湾市史によると、1925年は現在の飛行場に10の字があり、9077人が住んでいた。宜野湾や神山、新城は住居が集まった集落がほぼ飛行場内にあり、大山などは飛行場敷地に隣接する形で住宅があった。
最も大きかった宜野湾は村役場や宜野湾国民学校、南北には宜野湾並松と呼ばれた街道が走り、生活の中心地だった。
飛行場は、まだ沖縄戦が終結していない45年6月、住民が収容所に入っているうちに、米軍が土地を占領して建設を始めた。住民は10月以降に順次、帰村が許されたが、多くの地域は元の集落に戻れず、米軍に割り当てられた飛行場周辺の土地で、集落の再編を余儀なくされた。
市立博物館の担当者は百田氏の発言に「人々が戦争で追い出され、何もなくなるまでの過程が抜け落ちている」として認識不足を指摘した。

■地主の年収 何千万円→100万円未満が半数超
百田尚樹氏は「基地の地主はみんな年収何千万円」と発言した。しかし、地主の75%は200万円未満の軍用地料しか得ておらず、実態は百田氏の発言した内容と大きくかけ離れている。
沖縄防衛局が発表した2011年度の軍用地料の支払額別所有者数(米軍・自衛隊基地)によると、地主4万3025人のうち100万円未満の地主が全体の54・2%に当たる2万3339人で最も多い。
次いで100万円以上~200万円未満が8969人で20・8%を占め、200万円未満の割合が75%にのぼった。
500万円以上は3378人で7・9%だった。
軍用地料は国が市町村含む地主と賃貸借契約を結び、米軍と自衛隊に土地を提供する。地主に支払われる賃貸料は自衛隊基地を含み11年度は918億円だった。

収された地域に、役場、郵便局、小学校が存在したことは事実で、集落自体が失われた字も存在しているが、『宜野湾市史』を参照する限り、「10の字があり、9077人が住んでいた」というのは、10の字の人口を単純に合計しただけであって、普天間基地に接収された地域に居住していた正確な人口を表すわけではない。つまり「正確な人口はわからない」というほうが正しい。ただし、この一帯が、都市部のような人口密集地域だったのか、人口のまばらな農村地域であったのかを問えば、農村地域だったとはいえる。

沖縄における戦前の小学校分布を見ると(『沖縄歴史地図歴史編』柏書房・1983年)、宜野湾の現市域内にあったのは宜野湾小学校と嘉数小学校の二校。嘉数小は普天間基地外に位置しているので、普天間基地内にあった小学校は宜野湾小のみということになる。 宜野湾の近隣町村を見ると、戦前の段階で三校以上の小学校が設置されていた地域が多い。これに対して宜野湾は二校。普天間基地に土地を接収された一帯でいえば一校。基地の造られた地域は相対的に人口の少なかった地域である可能性は高い。

宜野湾市が提供する人口分布図を見ると(下の三つの図を参照)、赤点で表される人口分布が、主として現在の普天間基地の外周にちらばっているのがわかる。住民を収容所に収容している間に基地工事に取りかかるなど、米軍の横暴な姿勢は責められてしかるべきだろうが、占領軍とはいえ、人口密集地を避けながら普天間基地を造ったことは類推できる。もちろん、生活道路、水源、耕作地などの多くが基地内に囲い込まれているから、基地の敷地内に居住していた者だけではなく、敷地外の住民の生活を一変させたことは想像に難くないが、この地域が都市部ではなく農業地帯だったという事実も否定できない。

宜野湾市ホームページより。

宜野湾の集落と軽便鉄道(出典:宜野湾市ホームページ)

宜野湾の集落と並松街道

宜野湾の集落と並松街道(出典:宜野湾市ホームページ)

宜野湾の文化財(現在の宜野湾の地図)

宜野湾の文化財分布図(現在の宜野湾の地図 出典:宜野湾市ホームページ)

記事にも一部出てくるが、宜野湾市はホームページなどで「沖縄有数の松並木を誇った幹線道路(宜野湾並松と呼ばれた街道)と軽便鉄道」が存在したにもかかわらず、土地を接収され、町の発展が妨げられたという。ただし、幹線道路や軽便鉄道の敷地は基地に接収されなかった。上記の地図を見ればわかる通り、軽便鉄道路線は現在の国道58号線に相当し、宜野湾並松街道は現在の国道330号線に相当する。普天間基地は、これらの交通インフラを避けて造られたことになる。もちろん、街道沿い、鉄道沿いに居住していた人びとの土地の多くが勝手に接収されたため、宜野湾に住む人びとの暮らしが激変したことに変わりはない。なお、軽便鉄道は、人の輸送のために敷設されたのではなく、サトウキビ輸送のために敷設されたもので、普天間基地一帯で産出されるされるサトウキビもこの鉄道で輸送された。

百田氏の「基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」という表現の粗っぽさは批判されてもやむをえないが、宜野湾市と同レベルの人口を持つ都市と宜野湾市との人口の増減を比較してみると、宜野湾市の人口増加率は際立っていることはわかる。1970年と2010年の二時点間で人口増減を調べてみると(下表参照)、宜野湾市の人口増加率は他都市を圧倒している。基地負担の象徴としての普天間基地が市の中心部を占めているにもかかわらず、人口が増え続けたことが確認できる。「市民のいのちを脅かす普天間基地」のある宜野湾に、次々と人口が流入してきた現象、あるいは人口が増加してきた事態を正しく理解するにはさらなる検討が必要だが、普天間基地を含む宜野湾市には「仕事がある」あるいは総合的に判断して「住みやすい」と考えた人びとが多数存在した可能性は高い。

ちなみに、普天間基地北端周辺には、普天間社交街という規模の大きな繁華街が今もあり、普天間基地南端周辺には、数年前に市の方針で廃業を余儀なくされた真栄原社交街という沖縄最大の歓楽街(風俗街)も存在した。北谷町北前地区に面した普天間基地メインゲート前には、10年ほど前まで米兵専用といえるフィリピンバーも多数軒を並べていた。これらの歓楽街の栄枯盛衰は、普天間基地の存在と不可分である。

宜野湾市と人口が近似する都市の人口増減率比較

宜野湾市と人口が近似する都市の人口増減率比較

個人の軍用地収入に関わる百田氏の話は争点になるような類の話ではない。なぜなら、地主1人1人の軍用地収入は公開されていないからだ。六本木ヒルズ云々といった事例への言及にもどれほどの根拠があるのか不明だ。沖縄タイムスが引用するデータは防衛省がとりまとめたもので、普天間に関するものではなく沖縄全体についての統計値である。

個別の地主や個別の基地から得られる軍用地収入については、断片的に漏れ出る情報に頼るしかなく、客観的に検証することなどほぼ不可能といっていい。百田氏は間違っている可能性は高いが、部分的に正しい可能性もある。いずれにせよ正確な検証は不能である。

普天間基地から得られる軍用地料については、「平均」という切り口で考えることはできる。 普天間の年間賃料は71億7600万円(平成25年度)、地主は2800人。地主のうち後から登記した反戦地主が800名ほど存在する。反戦地主の登記する合計面積はわずか67平米なので(防衛省資料より)、計算上ほとんど無視してもよい。したがって、71億7600万円を反戦地主を除く2000人で割って出てきた数字が地主1人当たりの概算での平均賃貸収入である。計算上この数字は約360万円(平均土地所有面積2400平米に対する賃貸料)。360万円という金額が大きいか小さいかは一概にはいえないが、沖縄の物価水準を考えると、十分に暮らしていける金額であるとはいえる。なお、普天間基地の地主に政府も自治体も普天間基地の地主だが、その土地所有割合は8%に満たない。今回の計算では政府や自治体の存在は無視している。

百田発言は品位を欠き、そこには誤認や誇張も認められるだろうが、以上の検証過程からわかるように、その発言を「暴言・虚言」として全否定することはできない。百田氏をみんなでよってたかって責めつづけるのも明らかに行き過ぎである。まして、私人を「憲法違反」として告発するような姿勢は、厳に諌められるべきであろう。

この原稿を書いている間に、豊見城市議会が、百田氏への抗議案を否決したとのニュースが飛びこんできた。沖縄タイムスは「百田氏にも言論の自由」という見出しでこのニュースを伝えている。百田氏バッシングが続くなかで豊見城市議会が示した英断には敬意を表したい。併せて、これを報じた沖縄タイムスの報道姿勢も評価したいと思う。もっとも、これが報道機関本来の姿ではある。

批評.COM  篠原章
 
 
沖縄の基地問題関連の書籍では、ぶっちぎりのベストセラーとなっている、「沖縄の不都合な真実」の共同著者篠原章氏の講演会が決定!!

 

 
琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会第2回大会
第一部
篠原章氏講演会 (仮題)著者自らが語る「沖縄の不都合な真実」
日時:2015年8月9日
   17:10開場 17:30開演
場所:沖縄県立博物館美術館講堂
参加費:500円
主催:琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会
 
Facebook
https://www.facebook.com/groups/OkinawaInfo/?fref=nf
 
シェア・リンクはフリーです。
告知拡散、歓迎です。



保守は読んでおくべき、上記の方々の書籍です。

沖縄の不都合な真実 (新潮新書)
posted with amazlet at 15.02.21
大久保 潤 篠原 章
新潮社
売り上げランキング: 105
 
 
よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします