狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

今年の最終便、少女像撤去が10億円の条件、「法的責任」は?

2015-12-31 08:03:19 | 従軍慰安婦
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 慰安婦問題の日韓合意について、29日の沖縄タイムスには次のような大見出しが躍っていた。

首相「おわびと反省」

軍関与と責任認める

世論を意識 痛み分け

少女像の撤去 持ち越し

 
 日韓合意の評価については、日本の保守派の間でも意見が分かれたようだが、筆者はソウル日本大使館前の慰安婦の象徴である少女像の撤去のない日韓合意など認められないと書いた。
 
 
ところが実際は、少女像撤去が10億円拠出の条件だったことが判明した。
 
「歴史問題は歴史学者の検証に委ねるべき」と常々発言していた安倍首相が、強かな政治判断をした模様。
 
そこで本日の沖縄タイムスの大見出しを改めて紹介しよう。
 
■一面トップ
 
10億円 少女像撤去が条件
 
「慰安婦」合意首相の意志反映
 
韓国世論硬化も
 
■4面トップ
 
少女像の増設宣言
 
韓国 「慰安婦」ら撤去拒否
 
「動かさない」700人集会
 
慰安婦対日要求へ 台湾の3候補
 
日韓慰安婦合意
 
北朝鮮が屈辱
 
米長官は祝意
 

少女像撤去が10億円の条件 政府、慰安婦支援の新財団

沖縄タイムス 2015年12月31日 00:05

  ソウルの日本大使館前に設置されている少女像(共同)

 ソウルの日本大使館前に設置されている少女像(共

元従軍慰安婦の支援を目的に韓国が設立する新財団への支出に関し、日本政府が被害女性を象徴するソウルの日本大使館前の少女像が撤去されなければ、韓国と合意した10億円を拠出しない意向であることが30日、分かった。少女像問題が未解決のまま財政負担に踏み切れば、国内世論の理解が得られないと判断しているため。撤去を拠出の条件とすることは、安倍晋三首相の「強い意志」の反映だという。政府筋が明らかにした

 こうした考えは、慰安婦問題をめぐる協議の中で韓国側に伝えているとみられる。(共同通信

             ☆

少女像の撤去が10億円拠出の条件だったことが判明し、とりあえずは日本側の面子が立つことになった。

日韓合意については他にも不満な点が多々有るが、相手のある外交交渉で一切の妥協を拒否したら決裂する以外に道はない。

今回は「歴史問題は歴史学者に委ねる」を基本に「1965年の日韓請求権協定で個人補償も最終的に解決済み」という日本側の認識を伝えた上での、安倍首相の政治判断だったらしい。

 

>少女像の増設宣言

少女像の増設宣言
>韓国 「慰安婦」ら撤去拒否

 

挺対協ら民間団体の猛反発が危ぐされるが、そうなれば日本側は韓国政府の責任として韓国政府を公然と非難できる立場に立つ。

問題は慰安婦問題に関する「世界の目」だが、今回の合意に関して、アメリカが仲介役の立場を演じたことは、従来と異なる大きな意味を持つ。

アメリカによる国際社会への宣伝効果もあるし、韓国が蒸し返した場合に「韓国側が悪い」という「世界の目」に説得力を与える効果を持つ。

今回の合意には世界に配信された共同会見で韓国政府が「二度と蒸し返さない」と宣言した事実も大きなポイントだ。

挺対協ら民間団体はともかく、韓国政府は確実に蒸し返す口実を失った。

もし、次の政権で蒸し返したとしても世界中の顰蹙を買うだけだろう。

■日本の「法的責任」と「同義的責任」

拠出基金にしても運営するのは韓国なので日本は10億円を渡すだけで、元慰安婦からクレームが出ても韓国政府の責任になる。

問題は合意の中に出てくるに日本側の責任問題だ。

共同通信によると岸田外務大臣の発言にある「日本の責任」について、こう説明している。
 
日本政府筋は29日、岸田氏が日韓外相による共同記者発表で言及した「日本政府の責任」について「ぎりぎりまで譲ったが、法的責任は認めていない。ここははっきりしている」と強調した。 28日夕の首脳電話会談で、首相は「1965年の日韓請求権協定に基づき、最終的かつ完全に解決済みとの立場に変わりはない」と朴氏に伝え、法的責任を事実上否定した。慰安婦問題に関し、歴代政権「同義的責任を痛感する」との見解を示してきた。 今回、岸田氏が「同義的」をはずし「日本の責任」と表現したため与党内からも「言い回しがあいまいで批判を浴びかねない」(自民党中堅)との声が出ている。日本政府は来年一月からの通常国会や閣僚会見などを通じて政府の立場を説明する意向だ。(30日付八重山日報ー共同)
 
 

>首相は「1965年の日韓請求権協定に基づき、最終的かつ完全に解決済みとの立場に変わりはない」と朴氏に伝え、法的責任を事実上否定した。

「法的責任」については、国家間の条約や協定で決着をつけるしかない。

したがって1965年の日韓請求権協定で決着したという日本の認識で言えば、「法的責任」ではなく、従来日本政府の「道義的責任」を踏襲したことになる。

請求権について、もし元慰安婦の日本への国家賠償請求が認められるなら、他の朝鮮や中国で日本政府による不法な人権侵害をされた人々がすべて日本に損害賠償請求権を持つことになる。
 
慰安婦対日要求へ 台湾の3候補
 
現に日韓合意に刺激されたのか台湾の元慰安婦が補償要求をし始めた。
 
 
そうなると慰安婦だけではなく、他の戦争被害者にも請求権が及ぶことになる。
 
広島や長崎の被爆者は、米国に対しても損害賠償請求を認められるべきであるし、ナチスに虐殺されたユダヤ人らもドイツに損害賠償請求できることになる。
 
請求権はさらに広がってくる。
 
満州でソ連赤軍に蹂躙・虐殺された日本の民間人やシベリア抑留された日本人もロシアに損害賠償請求ができることになる理屈だ。
 
つまり、1965年の日韓請求権協定を無効として、元慰安婦の個人補償を日本が認めたら、世界中の戦争被害者から止め処もなく、請求権訴訟の嵐が吹き荒れることは必定である。
 
戦争被害の賠償問題は、国民個人の問題ではなく、国家間の条約・協定などで処理される類の問題である。
 


さて、当日記も今年は今日でおしまいです。

毎日の記述の評価はさておいて、一年365日一日の休筆もかく一年を終えることができるのも、皆様のご支援の賜物と深く感謝申しあげます。
 
ブロガーにとって、読者のいないブログほど惨めなものは有りません。 その点当日記が、来年13年目に突入できることはブロガー冥利に尽きます。 
 
改めてお世話になった皆様に御礼申しあげますとともに、来年もお付き合い頂けると幸です。

読者の皆様にとって、平成28年が心温まる素晴らしい年になりますように、心からお祈り申し上げます。

それでは、皆様よいお年を。
 
 
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