ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

美しき昔

2014-03-05 21:02:19 | 
1月にチェンマイに行った時、偶然、入ったカフェに、誰かが置いて
行ったと思われる2年くらい前のJALの機内誌「スカイワード」があっ
た。

その中に「美しい昔-近藤紘一が愛したアジア」という野地秩嘉氏の
連載があった。内容はかつて近藤が暮らしたサイゴンやバンコク、そ
してその奥さんと娘が暮らすパリにある彼の足跡を追いかけたものだ
った。

先日、中部国際空港の書店で偶然、その連載が単行本として発売され
ているのを発見し読んでみた。

ちなみに近藤紘一とは、元サンケイ新聞のサイゴン特派員で、新聞記
者でありながら「サイゴンから来た妻と娘」や「サイゴンの一番長い
日」や「したたかな敗者たち」などを書いた作家でもあった。
確か、大宅賞も取っている。

彼の本は初めてベトナムに行った1995年頃、何冊も読んでいた。私の
ベトナムについてのイメージは、行く前から彼の本ですでに出来上が
っていたと言ってもいいほどである。もっとも、当時とはすでに20年
ものギャップがあったけれど…。

それにしても奥さんのなうさんや娘さんのその後についてなどがとて
も興味深かった。

彼は45歳にしてガンで亡くなっている。私ももうすぐ、彼の亡くなった
年齢である。しかし、この違いはなんなんだろう。

今、生きていれば73か4か…。

元気なら、おそらく現役だったに違いない。

彼の本を読むと、いつでもベトナムに行きたくなってくるのだけれど
実際に行くと、「もう、いいか…」となる。おそらく彼の見ていたベ
トナムは南ベトナムということではなく、75年にサイゴンが陥落した
時点で消滅してしまったのかもしれない。

私たちが行けるようになった90年代には、当時とは、もう、完全に別の
国だったのではないかとさえ思える。

やはり70年代、あの頃のサイゴンが良かったんだろうな…。

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