毎年この時期にはキネマ旬報のベストテンが発表されているのに、今年は本誌発売の直前に発表するらしい。それならそれで待ちますけど。これまた毎年愚痴っているけど、最近の選者はどうも偏った嗜好の方が多いみたいで、エンターテイメントを意識してないように思う。キネ旬読者の選ぶベストテンの方が実際の感性を反映していたんだけど、去年は○ャニーズの組織票のおかげでこれも汚されてしまった。今年は真っ当な選出に戻って欲しいな。
対極とまでは言わないけど、業界の顔色伺いながら波風立たないように分配する日本アカデミー賞とやらは、映画好きからするとレコード大賞と同じ臭いしかしない。映画人のための映画人の賞だと言い張るけど、その映画にお金を払うのは観客の我々だから、身内のご苦労様会にされては失望以外の何物でもない。
ノミネート作品を配給会社と並べてみた。
①「万引き家族」ギャガ
②「孤狼の血」東映
③「北の桜守」東映
④「カメラを止めるな」アスミックエース
⑤「空飛ぶタイヤ」松竹
全部観て言うわけじゃないから説得力は無いけど、①②④は評価も実績も頷ける選出だと思う。③は酷評される出来みたいだし、⑤は原作が有名な割りに話題にならなかった。このあたりにプンプン臭う大人の事情がありそうだ。ただ、配給会社に東宝が無いのは珍しい。
「寝ても覚めても」も独立系の作品だから選んでもらえなかった。
結局、「万引き家族」の総取りになるのだろうな。
アニメ作品のノミネート
①「未来のミライ」②「ドラゴンボール超ブロリー」③「ペンギンハイウェイ」④「名探偵コナン ゼロの執行人」⑤「若おかみは小学生」
これも①と⑤しか観てない。①が期待はずれだったから⑤にとって欲しいけど、④あたりに落ち着きそうだ。
外国作品
①「ミッションインポッシブル フォールアウト」②「ボヘミアンラプソディー」③「シェイプオブウォーター」④「スリービルボード」⑤「グレイテストショーマン」
②③⑤を観た。個人的には⑤を選びたいけど、勢いからして②で決まりそうだ。日本映画のノミネートより余程説得力があるけど、気になるのはアメリカ映画ばかりだということ。今やアジア映画やヨーロッパ映画さえチェックしてないから偉そうなことはいえないけど、本当にこれでいいのかな?高校生の好きな映画アンケートみたいじゃないかな?
そもそも、ノミネートって誰が選んでいるんだろう。
照明や録音、編集といった技術的な賞は専門家じゃないとその凄さは分からないと思うけど、結局は作品賞候補の作品からの選出ばかりなのも疑問だ。優れた技術あってこそ良質の作品が生まれるのは納得できるけど、飛びぬけて素晴らしい撮影とか美術とかって作品の出来不出来とは関係ないと思う。
最後に第一回目の作品賞候補
「青春の門 自立編」
「竹山ひとり旅」
「八甲田山」
「はなれ瞽女おりん」
そして受賞したのは「幸福の黄色いハンカチ」
全部観ているが全部傑作と言って良い。特に受賞作品は日本映画の至宝だと思っている。
日本アカデミー賞。どうしてこうなってしまった!