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映画と渓流釣り

哀れなるものたち 重量感あるフルコース


好きかと問われたら、嫌いなドラマだと答える
それじゃつまらなかったのか?と聞かれれば最後まで面白かったと言うと思う
映画館でしか観られない異色作

臨月の女性が身を投げ瀕死の状態で発見され、奇妙な実験台になるところからこのお話は始まる
死にゆく母親の身体に帝王切開で取り出した赤子の脳みそを植えつける
グロテスクな話だ。R18も頷ける
赤子の脳は素早い速度で成長し、どんどん言葉を覚え人になってゆく。冒険心に溢れ、パトロンを従えてロンドンからリスボンへ、アレキサンドリアからパリへと旅をしながら大人に成長してゆく
パリでパトロンと別れ、売春宿で人の生き方という哲学に目覚めてゆくのだが、生かしの親(変な言い方だけどピッタリ)の死期を知りロンドンに帰ってくると元?亭主が現れるが、自我を失わず幸せを求めて力強く生きて行くラストで映画は終わる

70年代黄金期のイタリア映画を彷彿とさせるイマジネーション
フェリーニやパゾリーニ(下品さでいったら後者ですね)の映画を観ているような陶酔感
現在日本の観客には受け入れてもらえないだろうな

モノクロとカラーの配分もセンスがあって、全く違和感がない
こういう映画をメジャースタジオが製作して公開できる懐の深さには脱帽だ
日本じゃ100%無理
中島哲也監督あたりなら作れそうだけど、スタッフはどうにかなっても手を挙げるキャストはいないだろう
出資するようなプロデューサーもいないだろうし、配給請け負う会社もなさそうだ(ATGなら可能性あった)

それだから一層、主演エマ・ストーンのぶっちぎりのキャラは凄い
「ラ・ラ・ランド」で個性的な美貌と演技力を知った人は、潔い裸体と幾度も繰り返されるキワモノめいたセックスシーンに驚いたはずだ。斯く言うわたくしもその豪快な演技に圧倒された口
日本のトップ女優といわれる方々に比べれば、その力量差をまざまざと感じさせる

アカデミーはきっと彼女で決まりだろう
ああ、忘れるとこだった。ウィレム・デフォーしかいないでしょ!
あのメイク

新年早々ヘビーな作品を続けてしまった
少々胃もたれ






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