冒頭から、女子高生が通り魔に襲われて殺されます。
普通の推理小説なら、犯人探しが始まりますが、加納さんの小説は違います。
殺された少女の周りの人たちの小さな事件が解決されていく様子が連作短編として描かれています。
6つの物語はいろいろな雑誌に発表され、最後の作品だけが書き下ろされていました。
殺人事件の犯人を捕まえるより大切なことがたくさんある。それは、被害者にとっても。
最後の話で、通り魔の正体が明かされますが、それはどうでもよいこと。
周りの人たちが、少女の死を乗り越え、心に闇を抱えながらも幸せになっていくという構成となっています。
アマゾンのレビューも賛否両論に分かれていて、読み終えるとなるほどと思いました。
まあ、普通の推理小説とは全然違いますから、そう言うのを期待していると裏切られますよ。