最終巻となります。
5,6巻とエピローグの怒涛の470ページがドラマチックに展開します。
近年のエンターテインメントが、これをベースにしているのではないかと思えるほどにスペクタクルに個性的なキャラクターたちが活き活きと憎愛を演じてくれます。
特に他人に富を分け与えながら何も自分が欲しているものを得られないヴィドリガイロフの姿は、作者の投影かと思えるくらい迫力に満ちていました。
そして、エピローグがすごい。
主人公のラスコーリニコフがなぜ母親や妹に憎悪の念を抱いていたのか今一ピンとこなかったのですが、ここで十二分な理由が描写されています。
こんな母親なら、子供は変に(殺人者に)なるわ! と納得しました。
(この辺はネットにあふれる日本語の批評・感想等には指摘されていないようです)
重厚な時間を過ごさせていただいた名作に感謝です。