新聞や雑誌に掲載された東北地方を題材にした紀行文や随筆を集めた本です。
まだ雪深い季節に、京に合わせて春の行事を行う風習を面白く描いています。
わたしも子供のころ、雪に覆われ土も見えない冬に春の七草をいただくとか不可能すぎると思っていましたが、柳田国男も指摘していました。
大和朝廷に帰順した昔の風習が現在でも受け継がれているようですね。国家の支配力の強さに驚かされます。
交通インフラが整備されていない時代にのんびり旅をする姿も良いものだなと思いました。また、当時(大正末期~昭和初期)の北陸から東北へかけての植生も詳しく述べられていて興味がわきました。
終盤は、義経繋がりで、人魚の肉などの不老不死伝説の話が多く出てきて、別の意味で興味深く読めました。