手足が棒のようにやせていてお腹が膨らんで座り込んでいるアフリカの子供の写真を見たことがあるでしょう。彼らは、そのまま座り続け、死んでいくのでしょうか。
彼らだって、遊んだり、恋をしたり、結婚して、子供を作ったりするのです。
餓死が日常となった世界でも、日常の生活があります。
そこに焦点を当てたルポです。
マクロで見た統計グラフや地図を示しながら、ミクロ視点で現場に足を運び、生活をして迫っていく構成になっていました。
そうすることによって、ニュースなどをチラッと見て、解ったつもりになっている餓死現場の生々しい現実を知ることができます。
教養がない(必ずしも悪いことではありませんが)人に、文明の利器を普及することがいかに難しいことも解りました。小学校で教えられる一般常識が通用せず、例え理解できたとしてもインフラが整っていないため、その恩恵を受けることが出来ない人たちもいます。
彼ら(彼女ら)は、犯罪に手を染めたり、貧困のスパイラルに陥ったりしていくのです。それらも、彼らの立場からすれば、必ずしも不幸とは言えない状況もあるのです。
世界は、自分たちが思っているよりはるかに複雑な状態であり、解ったつもりになっていることで、見えなくなっていることもたくさんあると感じました。