身の毛がよだつ亡霊譚。
女性家庭教師が、破格の賃金で雇われた古い館にいた美しい兄妹。
そこに現れる、死んだはずの雇い人の男と、前任家庭教師の女の亡霊。
その謎を解き、兄妹を守ろうとする家庭教師。
しかし、どうやら兄妹を幽霊はつながっているような気配がしている。
そんな話が面白くないわけがないのです。
そして、もやもやた展開の中で、亡霊はほんとうにいるのか、家庭教師の妄想ではないのか、と読者が疑いだし、恐ろしい結末へと運ばれていくお話でした。
最後の宙に浮いたような中途半端な不安から突き落とされるようなラストはなかなか味わえない恐怖でした。