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第10回小説すばる新人賞受賞作です。
エンターテインメントとして、お手本のような出来映えなので、これから熊谷達也を読もうと考えている人、ちょっと読書は苦手だという人にお勧めできます。
北海道で、羆に襲われたカメラマンが主人公。
キャンプ・アウトドアブームに自然の驚異を知ってもらうため取材に向かった先で、羆の生態を研究するグループと行動を共にしているうちにその奥深さにはまっていきます。
ウエンカムイとは、アイヌが言う悪い熊のこと。アイヌの神話では、熊の神も人と同様の地位を持ち、悪人も善人もいるのと同様、熊にも悪と善がいるのです。
人を襲うウエンカムイを追う人間と、人食い羆との対決が描かれます。
熊谷達也らしく、自然のうんちくもたくさんあって、山や動物が好きな人にはたまりません。
『ウェンカムイの爪』、面白そうなので早速ネットで注文しました。
人喰い熊の話といえば吉村昭の『熊嵐』もありますね。
山登りはしないのですが、熊がこわいです。
吉村昭の『羆嵐』は、名作中の名作ですね。あの山が丸ごと襲ってくるような圧迫感は忘れられません。
以前に紹介された「光る牙」(吉村龍一)を読んで
すっかり人食いグマにのめり込んでしまいました。
この本も早速借りて読もうと思います。
これからもいろんな本の紹介お願いします。
読んだ本はほとんど紹介しますので楽しんで頂けたら幸いです。