元と学会長で有名な著者が、その知識をフル活用し、オカルトの謎に迫ります。
主人公は、豪雨で両親を亡くしたことにより、神の存在に疑問を抱く女性。彼女は、オカルト系の取材を通じ、なぜ神は不条理な出来事を引き起こすのか謎に迫っていきます。
主人公の兄は、コンピューター技術者であり、自己進化するアルゴリズムを開発、生物の進化を再現するシミュレーションゲームを開発します。
そして、気づくのです。この世界は、神の量子コンピューターの中の進化シミュレーションゲームなのではないかと。
その考えに沿って行くと、すべての理不尽な出来事の謎が解けるというのでした。
小説の中では、多くの議論がなされ、膨大な資料が提示されます。オカルトやSFというより、議論を楽しむための議論小説の趣もあります。
特にオカルト系の知識の洪水と、それをバッサバッサと斬り捨てていくと学会風味も楽しめます。
量子力学のゼロポイントフィールド仮説などを読んだ後だと古臭い感じもしますが、エンターテインメントとしては面白いと思います。
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