むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『ペスト』カミュ(新潮文庫)

2020年04月17日 | 読書

ペストが発生し封鎖された地方都市の人間模様を描いた小説です。
私は二十代前半(三十年以上前)に読んだのですが、新型コロナウイルスによる肺炎の流行に伴い再読しました。
文庫本を開くと、当時の本は字が小さすぎて読めないと思い、新しいものを買おうとしたら売り切れていました。
手に入らないと思うとなおさら読みたくなり、Kindleでダウンロードして読みました。
若いころに読んだときには、人が逆境に陥ったとき、なすべきことを坦々と行うことが大切だと学びましたが、今回も同じような感想を抱きました。
徹底したリアリズムが魅力の小説なので、なすべきことを坦々と行っても、そのあとに幸福が来るとはなりません。
大きな爪痕は残り、災禍の前より不幸になっていることが多いのですが、それでも止まない雨はないのです。
さて、コロナウイルスで混乱している時世化で感じることは、「あるあるあった」の記述が多いことです。
政治、マスコミの報道や、専門家の動きなど初動の段階で、あるあるあったがあって面白いと思いました。
ペストとコロナの違いで大きいのは、小説の中ではペストの血清があり、医療関係者は血清で守られた状態(それでもペストに罹らない保証はないのですが)で働いています。
現在のコロナは、予防ワクチンが無い状況なので、小説の中より厳しい状況です。医療関係者のみなさんは、ほんとうにたいへんな状況で奮闘なさっているんだなと思いました。




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