むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『ピンザの島』ドリアン助川(ポプラ文庫)

2022年01月20日 | 読書
ピンザとは山羊のこと。
自殺願望に悩む料理人が、水道工事のバイトに雇われて小さな孤島にやってきました。
そこには、亡き父の友人が住んでいたのです。
そして、父とその友人の夢であったピンザの乳からチーズを作ることに挑戦する物語です。
と書くと、困難を乗り越えて、チーズ作りを完成させる溌溂とした話かなと思うのですが、そこはドリアン助川だけあって、リアルに過酷な状況に陥っていきます。
父の友人も、情熱を持ってチーズ作りに打ち込んだ経験を持っていますが、ことごとく失敗しています。一生懸命やったことで人生の時間を無駄にした思いも持っていました。
ピンザを食肉として扱うことが島の風習で、乳を飲むことには使用されていないということもあります。
島の親方にも、初対面で暗い内面を見抜かれて、工事が終わったら早く帰ってほしいと思われていたりします。
夢を持つのも良いが諦めて他の道を歩むのもまた人生です。
メディアの人生相談のパーソナリティを長年務めているドリアン助川さんの人間観察の鋭さにリアリティを感じながら、迷いあがく青年を応援するのがこの本の良さだと思います。

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トベラの実

2022年01月19日 | 小さな自然
ちょっと、べたべたしそうで気持ち悪いですが、トベラという木の実です。
新潟県が北限のようで、海岸に自生しています。
冬には赤く目立ちます。
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簡易なお地蔵様

2022年01月18日 | トマソン&街角芸術
ビニール製の収納容器で保護されています。
古銭が首にかかっているところが一点豪華主義?
花立ては、ペットボトルですね。
賽銭箱は、イチゴジャムの空き瓶ですが、わざわざ蓋を取ってお金を入れて蓋を閉める方式のようです。
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『痴人の愛』谷崎潤一郎(青空文庫)

2022年01月17日 | 読書
谷崎潤一郎、初読みでした。
偏見があったので今まで読んだことがなかったのです。
わたしは、今まで「美しい文章」と言う言葉が理解できずに、文章には「読みやすい」とか「わかりやすい」とかはあるだろうが、「美しい」なんてことはないだろうと思っていました。しかし、これを読んで、「ああ、美しい文章とはこういう文章を言うんだな」と実感しました。
さすが、「文章読本」の元祖だけはあります。
ストーリーも面白くて、静かな展開ながら地味などんでん返しが次々とあって楽しめました。

コメント (2)
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ハラビロカマキリの卵

2022年01月16日 | 小さな自然
砂丘の峰の上の茨に産み付けられていました。
こんな過酷な場所に産み付けられるとは。
寒風に吹かれていましたが、発泡スチロールのような卵囊の中は外界の影響をうけにくいのかもしれません。
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株主優待 北海道の焼き鮭がとどきました。

2022年01月15日 | 投資・節約
日本管財株式会社より、株主優待がとどきました。
年2回もらえるところが魅力です。

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『人間の大地』サン=テグジュペリ(光文社古典新訳文庫)

2022年01月14日 | 読書
若い頃読んだのですが、再読しました。
黎明期の航空産業(航空郵便)に命をかけた男たちの物語です。
作者自身も、パイロットとして活躍していました。
前人未踏の空の道を開拓し、人間が住んでいる土地と土地を直線で結ぶことにより、この世界のほとんどが山岳や砂漠、海洋であり、人が見ている世界とは似ても似つかぬ厳しい自然なのだということに気づかされます。
その中に投げ出された人が絶望の中で救助されることを諦めないのは、探してくれている人を救うためという信念である逆説にたどり着きます。
『星の王子さま』の作者として有名ですが、星の王子さまの世界のハード版として読んでみるのも面白いでしょう。

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山芋の実

2022年01月13日 | 小さな自然
日が当たるとピカピカ光るように見える山芋の実。

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ススキくるくる

2022年01月12日 | 小さな自然
冬は野山のネタがないねぇ。
なんで巻いているのだろう。
秋のお月見が終わったあとのススキさん。
冬はこんなお姿に。
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『野の春』宮本輝(新潮文庫)

2022年01月11日 | 読書
流転の海第9部、とうとう最終巻を読了しました。
宮本輝が37年間かけ、劇中で21年間が経過しています。
こんな小説が完結しただけですごいのですが、最後までクオリティが落ちないというか上がっていくのでさらにすごかったと思いました。
50歳で初めての子を授かった主人公の熊吾は、この子が二十歳になるまで生きるという誓いを立てます。その子は21歳になり、熊吾は71歳に。
未熟児だった子を育てるため、大阪の会社を引き払って四国の田舎に移ってから、金運に恵まれない熊吾でしたが、なんとか誓いを果たせたのでした。
そのとき、熊吾の運命は尽きます。
多くの人と関わりながら、不幸になった者も、幸運になった者もいました。
まさに様々な宿命が流転する海を泳ぎ切った最期だと思いました。
そして、残された人々は、またそれぞれの海を泳ぐことをはじめるのでした。
小説が疑似体験を主とした芸術であるなら、終戦からの20年間を、松坂家の人々とともに体験した感が残る本作もまた本物の小説と言えるでしょう。

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