フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

pommes a' Cezanne

2015-02-02 07:45:50 | Weblog
セザンヌが描いたリンゴの絵を見て「きれいだ」と「なんていい色」と思っていたらセザンヌ側の人だと言われた。技術論的価値観から絵を見る人に言わせればセザンヌなんてヘタウマの極致らしい。セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホをポスト印象派のヘタウマ三巨匠というのだそうだ。絵を描き始めて間がないので美術史なんか分からないからセザンヌなんてリンゴの絵を描いた人くらいにしか思ってなかったけど「近代絵画の父」と言われた痛いな人だったんだって。このリンゴの絵グッと来るよね。

でも他の絵はあまりよくわからない。絵なりで見れば壁は真っ直ぐなのに家は斜め上に向かって伸びている風景画。小学生が描いたような山。ダックスフントが横たわっているような「水浴する女」ルノワールのそれと比べたら月とスッポン。でもなんだか落ち着くなと魔性の香りが包む。当時の人たちからは単なる絵が好きなヘタクソおじさんじゃなかったんじゃないかな。遠近法は崩れているしデッサンもやりくさし。まるで俺の絵のようだと思えるものが何枚かある。一番似てるところはこの絵終わってないでしょうってところかな。でもセザンヌの絵、なんだか心地よいね。彼の芸術性を理解し「近代絵画の父」にまで押し上げた人は誰だったんでしょう。彼の絵を通して豊かな実りをつかんだ若い画家たちかな。ピカソ、マネ、ブラック、ドラン・・・ほか想像を超える多くの画家に影響を与えたんだって。やっぱり、絵は哲学なんだ。不器用でも訴えたいことがあればちゃんと見てくれてる人がいるってことか。とりわけセザンヌが好きというわけではないが描きたいように描けばいいと背中を押してくれたような気がした。誰も押してくれない背中を。
コメント
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