
映像で見て知っているつもりのジオラマ、その展示が近くで開かれ出かけた。展示の蒸気機関車は実物の150分の1、C571で貴婦人の愛称で親しまれ、山口線を走る「SLやまぐち号」を牽引したことはよく知られている。D51との重連運行の日は撮り鉄の車列で国道9線は混雑する。
これまで映像で見るジオラマでは、走る列車ばかりを目していたがそれは一部分でしかなかった。駅舎や町の家々、ポストに電柱、そこを走るバスやタクシー、木々や花の1本に至るまでの細やかな作りがされており感服した。駅舎や街並み野山など手作りの風景は昭和30年代のころを模した手作りと作成者から聞いた。
会場では蒸気機関車が走行するときの力強い音声が流れる。それをBGMにしてD51蒸気機関車の写真10数点が展示されている。そのどれもが岩徳線の西岩国駅から柱野駅間で撮られた勇姿、薄くセピア色した作品のそれぞれに歴史を感じる。西岩国駅の出発直後、錦川鉄橋を渡る、川西トンネルを出た瞬間、かって目にしたことがあると思うが、そのころに格別の感激や感動を覚えなかったことが悔やまれる。
2017年11月に偶然SL山口号のC57とD51の重連運転に出会った。その時、線路から離れた高所からズームをいっぱいにして写真を撮った。その時の写真を画面に映し出してみると、俯瞰した光景を立体的に作ればジオラマになる、と思うが作ってみようという意欲までは至らない。しかし、いい物を見せてもらった、撮った短い動画を見ながらあれこれ思っている。