アルバム10曲目。昭和のアルバムなら、最後の曲だ。
『ここにいたこと』の制作意図もきっとそうなのだと思う。オリジナルの10曲で、現在のAKB48ができることを全て表現して、1枚のアルバムとして勝負している。(「君にできる全てのことをやれ」は『チャンスの順番』の歌詞)
11曲目『チームB推し』から、シングル4曲、ラストの『ここにいたこと』はボーナストラックみたいなものだろう。
その重要な10曲目に配置された、チーム研究生の『High school days』は、紛れもなくこのアルバム中一番の名曲だと思う。
先日の記事で『Everyday、カチューシャ』は『ポニーテールとシュシュ』の1年後の歌と書いたが、訂正する。『ポニーテールとシュシュ』の1年後は『High school days』、その1年後が『Everyday、カチューシャ』なのだと考えを改めた。
つまり、高校1年時が『ポニーテールとシュシュ』、2年時が『High school days』、3年時が『Everyday、カチューシャ』なのだ。
1年の夏は彼女との海辺のデートを妄想するだけだったが、2年の夏に「今年こそ思い出を1つ作りたい」と決心して海に誘うのだ。でも「好きだ」とはまだ言えない。そして3年の夏は「来年もこの海に来られたら」と願う。1つのゆっくりと進行するストーリーとして辻褄が合う。
過去と未来の狭間に立って、「まぶしい時間は夢の砂」「時はすぐに逃げてく風の足跡」と、過ぎ去って行く儚く切ない青春の日々を歌っている。信じられるものは、今この時のときめきだけ。
月日は足早に過ぎて行き、再び帰らない。いつまでも『ポニーテールとシュシュ』や『Everyday、カチューシャ』が似合う日々は続かない。
だから『High school days』は、チーム研究生が歌うことが最もふさわしいのだ。
歌詞の最後に「ときめきの中に 過去と未来の2人の虹をかけよう」とあるのは、過去が『ポニーテールとシュシュ』、未来が『Everyday、カチューシャ』のことなのだ。
この発見は、自分でも上出来だと思う。
他にも、例によって仕掛けは沢山ある。
「プールの底を掃除して」では、反射的に『君のことが好きだから』のプロモーションビデオを思い出してしまう。もちろん思い出させようとしているのだ。
「白いハンカチで拭った汗」では、『その汗は嘘をつかない』を思い出す。
更に思い出すのは、隠れた名曲『君と太陽と虹と』。題名そのままの、「君」「太陽」「虹」の3題話に、『High school days』はなっている。歌い出しに「校舎」が出てくるのは駄目押しである。
最後のリフレインで、「秘めた想い 言い出せなかった」という歌詞があるが、歌詞カードを見る前は「秘めた」は「決めた」と聴こえていた。そう聴こえても構わないという未必の故意があるように思われる。うしろゆびさされ組の『SE・KI・LA・LA』で同じ手法に引っかかったことがある(「キラリ」を「嫌い」と聴き違った)が、面白い仕掛けだと思う。
1カ所だけ歌詞に不満がある。
「君の制服が 気温を上げて 夏服になった」とは、どう読めばいいのか。
「気温が上がって 君の制服が夏服になった」ことを擬人化しているのか。「制服」という主語が、「上げる」と「なる」、他動詞と自動詞にかかるのが気持ち悪い。
些細なことかもしれないが、こういうことは気になってしまう。
でも不満はそれだけ。
爽やかな中に切なさを包含したメロディ、サビを繰り返しながら徐々に盛り上がっていく構成とアレンジ、技巧に走らない若々しい歌唱、いずれも完璧だ。
『ここにいたこと』の制作意図もきっとそうなのだと思う。オリジナルの10曲で、現在のAKB48ができることを全て表現して、1枚のアルバムとして勝負している。(「君にできる全てのことをやれ」は『チャンスの順番』の歌詞)
11曲目『チームB推し』から、シングル4曲、ラストの『ここにいたこと』はボーナストラックみたいなものだろう。
その重要な10曲目に配置された、チーム研究生の『High school days』は、紛れもなくこのアルバム中一番の名曲だと思う。
先日の記事で『Everyday、カチューシャ』は『ポニーテールとシュシュ』の1年後の歌と書いたが、訂正する。『ポニーテールとシュシュ』の1年後は『High school days』、その1年後が『Everyday、カチューシャ』なのだと考えを改めた。
つまり、高校1年時が『ポニーテールとシュシュ』、2年時が『High school days』、3年時が『Everyday、カチューシャ』なのだ。
1年の夏は彼女との海辺のデートを妄想するだけだったが、2年の夏に「今年こそ思い出を1つ作りたい」と決心して海に誘うのだ。でも「好きだ」とはまだ言えない。そして3年の夏は「来年もこの海に来られたら」と願う。1つのゆっくりと進行するストーリーとして辻褄が合う。
過去と未来の狭間に立って、「まぶしい時間は夢の砂」「時はすぐに逃げてく風の足跡」と、過ぎ去って行く儚く切ない青春の日々を歌っている。信じられるものは、今この時のときめきだけ。
月日は足早に過ぎて行き、再び帰らない。いつまでも『ポニーテールとシュシュ』や『Everyday、カチューシャ』が似合う日々は続かない。
だから『High school days』は、チーム研究生が歌うことが最もふさわしいのだ。
歌詞の最後に「ときめきの中に 過去と未来の2人の虹をかけよう」とあるのは、過去が『ポニーテールとシュシュ』、未来が『Everyday、カチューシャ』のことなのだ。
この発見は、自分でも上出来だと思う。
他にも、例によって仕掛けは沢山ある。
「プールの底を掃除して」では、反射的に『君のことが好きだから』のプロモーションビデオを思い出してしまう。もちろん思い出させようとしているのだ。
「白いハンカチで拭った汗」では、『その汗は嘘をつかない』を思い出す。
更に思い出すのは、隠れた名曲『君と太陽と虹と』。題名そのままの、「君」「太陽」「虹」の3題話に、『High school days』はなっている。歌い出しに「校舎」が出てくるのは駄目押しである。
最後のリフレインで、「秘めた想い 言い出せなかった」という歌詞があるが、歌詞カードを見る前は「秘めた」は「決めた」と聴こえていた。そう聴こえても構わないという未必の故意があるように思われる。うしろゆびさされ組の『SE・KI・LA・LA』で同じ手法に引っかかったことがある(「キラリ」を「嫌い」と聴き違った)が、面白い仕掛けだと思う。
1カ所だけ歌詞に不満がある。
「君の制服が 気温を上げて 夏服になった」とは、どう読めばいいのか。
「気温が上がって 君の制服が夏服になった」ことを擬人化しているのか。「制服」という主語が、「上げる」と「なる」、他動詞と自動詞にかかるのが気持ち悪い。
些細なことかもしれないが、こういうことは気になってしまう。
でも不満はそれだけ。
爽やかな中に切なさを包含したメロディ、サビを繰り返しながら徐々に盛り上がっていく構成とアレンジ、技巧に走らない若々しい歌唱、いずれも完璧だ。