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てらまち・ねっと



 先日、全国に先駆けて議会基本条例を制定した北海道栗山町の議長らを名古屋に招いて講演会をするというお知らせをしました。
 「町長らが議員に質問できる権利(反問権)」も盛り込まれています。
  講演会のお知らせや同条例などへのリンクは 
   ⇒ ◆議会基本条例を制定した北海道・栗山町の議長の講演会。2月10日(土)・名古屋

  2番目は ⇒ 神奈川県湯河原町議会の基本条例
 三重県では、県議会が昨年12月20日、同種の条例を可決しました。
   ⇒ 三重県議会基本条例案  12.20可決

 パブコメ・寄せられた意見に対する見解などは 
   ⇒ 三重県議会基本条例(素案)」に対する意見募集結果について

 批判的な意見もありますが
   ⇒ 
当たり前の内容ばかりの三重県議会基本条例  県民の関心も薄いまま……


 この三重県の条例について、朝日新聞のシリーズが面白いです(リンクあり)。
 北川前知事からのやりとりや、野呂現知事が「知事の権限を侵す」「違法性がある」と反発、今春の知事選では議会と知事の関係を変えそうだともされています。
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● 【議会基本条例という名の約束】 【1】 県議会 新境地へ 2006年01月01日  1月4日 朝日新聞・三重版
 三重県議会が私たち県民と「約束」をしました。その名は「議会基本条例」です。知事と対等の責任を担い、知事をしっかり監視し、よりよい三重県をつくるために活発に活動しますという約束です。知事の言うことを聞くだけの議会にはならないという決意を示しました。
 議会のあり方を県議たちが自分たちで決めた条例は、「民主主義」そのものです。この春、知事や県議らを選ぶ統一地方選があります。私たちの1票で、約束を守らない議員は替えることもできます。選挙の年に、民主主義を考えてみましょう。

◆民主主義とは、議会の試み
 会場は県内各地の市議や町議でぎっしり埋まった。日ごろ、地方議会の自己改革を訴えている東大名誉教授・大森弥(66)は壇上から、言い切った。
 「議会基本条例は、議会自らがルールを作ろうとすること。これは、明治以来初めてのことなんです」
 昨年11月1日、津市で大森らを講師に「地方議会フォーラム」が開かれた。議会基本条例の意義を説き、地方議会のあり方を考えようと県議会が呼びかけた。約300のいすは開演前からほぼ満席に。ロビーのモニター前のいすを増やして対応した。会場からはさかんに質問も飛んだ。
 「議会の役割とは?」
 「分権時代に、何が求められるのか」
 条例作りを主導した県議の一人、岩名秀樹(66)は「議会改革は県議会だけが言ってもしょうがない。市や町にも、改革の機運が高まってきた」と満足げだった。
 フォーラムに講師として呼ばれていた北海道・栗山町議会の議長・橋場利勝(61)は20日後、今度は地元で声を張り上げた。同町は三重県より一足早く、全国の自治体で初めて昨年5月に議会基本条例を制定した。
 「三重県議会の集まりにも呼ばれ、報告してきました。栗山の取り組みが地方議会の関係者に大きな刺激を与えています」
 同町議会は05年から、全議員と町民が意見を交わす会合を開いてきた。「議員が替わっても、報告会を続けてほしい」。町民の一言がきっかけで、年1回の報告会開催を義務づける条文を盛り込んだ議会基本条例ができあがった。
 この日は、条例ができて初の報告会。約200人の町民が集まった。橋場は、三重県の条例にはない「町長らが議員に質問できる権利(反問権)」を町条例は明記したと強調し、「対等ぶり」をアピールした。
 会に参加した町選挙管理委員長の古野広子(72)は「条例が、議員の資質向上につながってほしい」と期待を寄せた。
 三重で、北海道で、議会の試みが広がり始めた。

◆「黒船」から12年、集大成
 議会基本条例は、突然できたわけではない。改革の歴史は年前、料亭の密会で始まった。
 95年5月、津市乙部の料亭の一室は人払いがされていた。部屋にいたのは2人。1人は議長就任直後の岩名。向かいに座ったのは4月の知事選で初当選した北川正恭(62)だった。
 「話がしたい」と持ちかけたのは北川だ。「県庁の改革をしたい。協力してほしい」と熱っぽく語りかけた。岩名は自分でウイスキーの水割りを作りながら、つぶやいた。「県議会も改革する必要がある」。当時、県議は近鉄から無償で無料パスの配布を受けたうえ、県からも旅費を支給されるなど利権に無神経なところがあった。
 「黒船」を自称した北川は、矢継ぎ早に県庁の裏金処理や機構改革に乗り出す。
 県議会側も、競い合うように95年10月、「議会に係る諸問題検討委員会」を設置。岩名は議長として近鉄無料パスの返上などに取り組んだ。その後、県議会は政策条例の議員提案を積極的に推し進め、成立本数は全国有数を誇る。
 12年間の改革の「集大成」。それが議会基本条例だった。

◆独立性発揮 まだ未知数
 本当の改革はこれからだ。そんな思いを胸に、議長の藤田正美(54)は昨年12月20日の定例議会最終日、本会議場で条例の採否を諮った。起立全員。条例は形を得て動き出した。
 条例は成立前から知事との緊張を生み出した。公表された素案に10月、知事の野呂昭彦(60)は「知事の権限を侵す」「違法性がある」と反発した。
 条例は今春の知事選でも、議会と知事の関係を変えそうだ。前回は野呂に会派推薦を出した最大会派・新政みえは今回、推薦しないことを決めた。第3会派で自民党系の会派・未来塾も同じだ。岩名は未来塾代表だ。
 新政みえ代表の三谷哲央(59)は「二元代表制といっているのに、知事の与党とか、野党とか、あり得ない。知事の評価は是々非々でやる」と言う。新政みえは、野呂の推薦を決めた民主党系。野呂と同じ支持母体の県議や民主党員もいる。だが、条例は「県議会は、政党との立場の違いを踏まえて自律する」とうたう。その文言に忠実に動くという。
 とはいえ、政党推薦とは違い、「会派」推薦はもともと実質のない「精神的な応援」に過ぎない。県議らがどれほどの独立性を発揮できるかは未知数だ。
 条例が目指す「知事との緊張ある関係」は、果たして本物になるのか。そして、何を生み出すのか。変化は少しずつ始まっている。(敬称略)

議会基本条例という名の約束 朝日新聞・三重版の特集 下記のそれぞれのテーマにリンクあり
【9】 県内各市で条例案 (01/10)
【8】 意見募集低調  (01/10)
【7】 2度の議長選 (01/10)
【6】 議会提案条例 (01/10)
【5】 特権見直し (01/06)
【4】 知事の警戒心 (01/05)
【3】 県議選前の成立 (01/04)
【2】 事務局職員の奔走 (01/03)
【1】 県議会 新境地へ (01/01)


● 県議会基本条例案を可決 初の「二元代表制」   12月21日 サンケイ
 都道府県議会では初の「県議会基本条例」案が20日、定例12月県議会で可決された。26日に施行される。同様の条例は、北海道栗山町議会が今年5月に制定しており、全国では2番目。
 条例は、前文と10章28条文からなり、県議会と知事はともに選挙で選ばれた対等な立場の「二元代表制」であることを強調、知事の追随機関ではないことを明示した。
 また、議会内の政策実現のための「会派」の概念も正式に明記し、県議会の付属機関としての調査機関の設置に可能性をもたせた。
 このほか、政務調査費(1人あたり年間396万円)の透明性を確保するため、領収書などの証拠書類の公開に前向きな姿勢を盛り込んだ。一方、資産公開の透明性を高めるため、県議の家族の資産公開を求める議論もあったが、反対が多く、見送られた。
 県議の政策提案に対し県当局が反論をする「反問権」の盛り込みも議論になったが、明記しなくても当然の権利として存在するとして、明文化は見送った。さらに、野呂昭彦知事が懸念していた議会上位の概念については、同条例を「日本国憲法と地方自治法の範囲内の条例」と規定。県当局の優位性を明記することで、県議会が譲歩した。(2006/12/21 10:28)
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