毎日、1000件以上のアクセス、4000件以上の閲覧がある情報発信ブログ。花や有機農業・野菜作り、市民運動、行政訴訟など
てらまち・ねっと



 今日の夜のNHKの番組は見たい。
 7月14日(月) 午後10時00分 ~10時49分
 
「借金地獄から救いだせ ~自治体 VS 闇金融~
 違法な貸付で暴利をむさぼるヤミ金融が生活苦にあえぐ人たちをターゲットに全国各地に進出している。被害を食い止めようと地方自治体が対策に乗り出した。その現場に密着」とされる。

 ヤミ金がターゲットとする具体的な債務者は、年収200万円前後。

 6月10日の最高裁判決「悪質な不法行為に当たる貸し付けは、利息だけでなく元本を含めて返済分全額を賠償すべき」がどうはたらくのか。

 TBSの伝えたある懸念 「元本を返すべきだ」という判断がもし定着すると、警察が被害者のために積極的には動いてくれない

 宇都宮健児さんは、「被害者が相談に行ったら『借りた金は返せ』と(被害者に)指導している警察も多い。そういうことをやると、ヤミ金をはびこらせることになる。」

人気ブログランキング→→←←ワン・クリック10点
ここのところ7位、8位、9位あたり

 
NHKスペシャル 番組案内

 「借金地獄から救いだせ~自治体VS闇金融~」
 7月14日 (月) 午後10:00~10:49

 複数の業者から借金を抱え生活に行き詰まる「多重債務者」。
 その数は全国で200万人を超えるともいわれる。
 一昨年の貸金業法改正によって「グレーゾーン金利」が撤廃され、貸付の上限金利が引き下げられることになり、消費者金融業者が激減。

 しかしその一方、地下に潜りヤミ金となる業者が現れるなど違法貸し付けやヤミ金融が暗躍し、借りるあてを失い生活に窮した債務者を様々な手口で狙っている。

 ヤミ金がターゲットとする具体的な債務者は、年収200万円前後。一定の収入があり、無理をすれば長期にわたって金利を返済し続けることができる「普通の人たち」。ヤミ金から見れば、確実に利益をもたらす人たちである。

 こうした人たちをヤミ金の手から救うため、自治体の担当者たちの奔走が始まっている。誰にも相談できずヤミ金に絡め取られている債務者を、いかにして掘り起こすか。そして、多重債務から立ち直った人が再びヤミ金の手に落ちないように、いかに支援していくか。地方自治体とヤミ金との攻防戦を密着取材し、多重債務問題の実態と解決への糸口を探る。
  

●ヤミ金の貸付は「不法原因給付」元本含め賠償を 最高裁初判断
    サンケイ 2008.6.10 22:34
 指定暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件をめぐり、被害者11人が賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は10日、悪質な不法行為に当たる貸し付けは、利息だけでなく元本を含めて返済分全額を賠償すべきだとする初判断を示した。そのうえで、賠償額算定のため、審理を高松高裁に差し戻した。

 この訴訟では、四国に住む11人が「ヤミ金に異常な高金利を取られて被害を受けた」として、旧五菱会幹部で“ヤミ金の帝王”といわれた梶山進受刑者(58)に約3500万円の賠償を請求。賠償の対象が、利息だけなのか元本も含まれるかが、争点になっていた。

 那須裁判長はまず、社会倫理や道徳に反する行為にあたる場合、「(貸し手などが)渡した物は返還請求できない」と規定した民法の「不法原因給付」を検討。「違法行為の過程で被害者が利益を得ても、加害者は返還を求められないのだから、この利益分を差し引くのは法の趣旨に反する」と判断。

 そのうえで、梶山受刑者らのグループを「著しい高金利で多額の利益を得るという反倫理的な不法行為の手段として、被害者に元金を貸し付けていた」として、元金貸し付けが不法原因給付に当たると認定。「元金分の利益を被害者が得ても、それを賠償額から引くことは許されない」と結論づけた。

 2審判決は、最高裁判決と同じく、元金が不法原因給付に当たるとしながら、貸し付けによって被害者側は元本分の利益を得ているとして賠償額から元金を引くべきだと判断していた。一方、被害者約170人が起こした別の訴訟では、東京地裁が元本分を含めた全額の賠償を認め、判断が分かれていた。

●ヤミ金融に最高裁判決"利息だけでなく元本も返済不要
 TBS番組案内 2008/6/21 放送) 
 1,000%以上もの法外な利息をとるヤミ金融。ヤミ金融は、ピークだった2003年から減っていると言われるが、根絶には至っていない。こうした中、最高裁で"ヤミ金融から金を借りている人は一切返さなくてよい"という画期的な判決が出された。ヤミ金融を撲滅できるのか。

対決 "ヤミ金融に金を払うな!"
Photo○ヤミ金融110番の電話相談員(東京の被害者団体「太陽の会」)
「はい、ヤミ金110番です。もしもし…」

 ヤミ金融に関する電話相談が全国の被害者団体の事務所で行われている。

○電話相談に応じる稲田和久司法書士(同上)
「いくら借りました?15,000円ですか。10日後に7,000円利息をつけろということでしょ。これは何千パーセントという利息をとるための手段として、あなたにお金を渡しているだけなんですよ。犯罪なんですよ。」

 東京の被害者団体「太陽の会」では、被害者がヤミ金融に直接電話し、「一切払わない」と通告するよう指導している。

Photo ある女性被害者が相談員の前でヤミ金融に電話をかけた。

○被害者「もしもし、○○ですけれども…」
○ヤミ金「誰?」
○被害者「○○ですけれども…」
○ヤミ金「何さん?」
○被害者「○○です。」
○ヤミ金「あー、どうした?」
○被害者「もう過払いになっているので…」
○ヤミ金「いいよいいよ、おやじに請求…、おやじの会社…。」

 ヤミ金融はこの女性の父親の職場に電話し、娘の借金を返せと嫌がらせを行っていた。電話のやりとりが続く。

○ヤミ金「返すまでやめませんから。おやじの会社でも何でも。もしもしー。」
○被害者「もう、そういうことはしないで下さい」
○ヤミ金「いや、やりますよ、返してもらうまで。じゃあ返してお金。返してー。」

 見るに見かねて、相談員が電話を代わった。

○相談員「父親のところに電話すると警察(に通報)ですよね。」
○ヤミ金「お金返してもらってないから。本人に代わってくれよ。」
○相談員「話、聞きなさいよ。ちゃんと警察に告発届けをするからね。」
○ヤミ金「(プーップーッ)」
○相談員「また電話切っちゃった。話にならんよ。やりましょう、これで。」

Photo 相談員は、即座にヤミ金融の銀行口座を凍結し、携帯電話も止めるよう関係機関に要請した。女性も警察に被害届けを出した。

○太陽の会 本多良男事務局長インタビュー
「被害者本人がヤミ金を恐れず、きぜんと戦う。そうすることによってヤミ金(被害)は解決できる。難しいことじゃない。」

 ヤミ金融は犯罪行為であり、一切支払う必要はないと被害者団体は強調する。そうやって解決してきた人が現実にたくさんいるからだ。

Photo ヤミ金融事件被害者の橋詰栄恵さんは、ヤミ金融に苦しめられ一時は自殺寸前まで追い詰められた。

 橋詰さんは6年前、経営していた飲食店の資金繰りが苦しくなり、「短期の融資です」と電話してきた業者から3万円を借りた。その業者はヤミ金融だった。橋詰さんは何度も返済したが、そのたびに新たにお金が振り込まれてきた。

○橋詰さんインタビュー
「『いま(銀行で)振込みが済みました』と(業者に)伝えると、(業者は)『ありがとう、確認できてるよ』って。それで家に帰ると(家に)着いた頃に(業者から)電話がかかってきて『振り込んどいたよ』って。私が『はー?何ですか』って言ったら、(業者は)『新しい融資振り込んでおいたよ』って。私が『もういいから。私はあなたたちと切りたいから返しているのに、何で勝手に振り込んでくるの?』って言ったら(業者は)『いいから使っておいてよ また一週間後に返してくれればいいから』っていうふうになるんです。」

Photo ヤミ金融から借りた金は300万円以上に達した。しかし、その多くは勝手に振り込まれたもので、ただ返済のためだけに消え、結局1,000万円近くを返すことになったという。

○橋詰さんインタビュー
「もう死ぬしかないなぁって思った時に、やっぱり思い浮かんだのは、あまり丈夫でない母親のことです。一週間に1回や2回は会っていたので、最後に見せておかないと心配すると思って会いに行ったんです。」

Photo その時、橋詰さんは母親から渡されたメモで被害者団体の存在を知り、ヤミ金融に対し一切金を払わないと通告し問題を解決した。

 そして、自らのヤミ金融被害に暴力団が絡んでいたことを知り、損害賠償を求める裁判を起こした。その相手は「ヤミ金の帝王」と呼ばれた男だった。
 
"ヤミ金の帝王"と対決
Photo○記者レポート(2003年8月)
「組員たちに睨み付けられながら、捜査員たちが20人、30人、もっといるでしょうか。五菱会の玄関に今、入ろうとしています」

 山口組五菱会によるヤミ金融事件。1,000社近くのヤミ金融を統括し、1,000億円以上を稼いだとされるのは、五菱会のナンバー2で"ヤミ金の帝王"と呼ばれた梶山進受刑者だった。

 当時、東京都内の貸金庫からは200万ドル(2億円相当)のドル紙幣が押収されていた。

Photo ヤミ金融が取る法外な利息は犯罪であり、返済の必要はない。では最初に貸し付けられた元本については返す必要があるのか。梶山受刑者を相手取って橋詰さんら被害者176人が起こした裁判では、そこが最大の争点だった。

 2008年3月7日、東京地裁は梶山受刑者に対し、約2億9,000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。ヤミ金融が貸し付けた元本は被害額から差し引かれなかった。つまり"元本を返す必要はない"という判断だ。

Photo○ヤミ金融被害対策弁護団 宇都宮健児団長(判決後の記者会見)
「ヤミ金が最初に貸し付けるお金というのは恐喝の違法行為を行う手段なんだ、犯罪の道具なんだと。こういうものをヤミ金に返す必要はないんだと。」

 "ヤミ金融から借りた金は一切、返さなくてよい"という東京地裁の判断。しかし、戦いはまだ終わらない。この時点で、元本返済をめぐる司法の判断が割れていたからだ。
 
"ヤミ金融に一切金を払うな!"
Photo 東京地裁と異なる判断が下されたのは、愛媛県の被害者が起こした裁判だった。

○ヤミ金融事件被害者Aさん インタビュー
「『今からすぐ人を送り込んでそっちに取り立てに行くから』って…。『お前の血縁関係のあるところは全部つぶすから』みたいなことも(ヤミ金融から)言われた。」

 15社以上のヤミ金融から金を借りた被害者Aさんは、家族の職場にも取り立ての電話がかかり精神的に追い詰められた。

○Aさんインタビュー
「お金を返すために働くんですけれども、車を運転してたら、いま事故って死ねたら保険で全部みんなに迷惑かからないようになるのになとか…」

Photo Aさんは"親族や友人から金を借りて1,000万円以上を支払った"という。ヤミ金融の多くが五菱会系だったことがその後、わかった。Aさんは愛媛県内の被害者10人とともに損害賠償を求める裁判を起こした。

 原告と弁護団は「借りた金は元本を含めて一切払わなくていい」と主張した。

○原告弁護団 吉田正彦弁護士インタビュー
「ヤミ金から借りた金は返さなくていいという強い方針で臨めば、まず取り立てられる恐怖から逃れられる。」

Photo しかし一審の松山地裁、二審の高松高裁ではともに、"ヤミ金融が貸し付けた元本のカネは返すべきだ"という判断が示された。原告と弁護団は上告した。

 2007年9月、最高裁判所前でビラを撒く原告弁護団は内心、大きな危惧を抱いていた。

○最高裁前でビラ撒きする原告弁護団
「私たちは五菱会事件の裁判のことでビラを撒かさせていただいています。」

Photo 「元本を返すべきだ」という判断がもし定着すると、警察が被害者のために積極的には動いてくれないと感じていたからだ。

○ヤミ金融被害対策弁護団 宇都宮健児団長インタビュー
「被害者が相談に行ったら『借りた金は返せ』と(被害者に)指導している警察も多い。そういうことをやると、ヤミ金をはびこらせることになる。」

コメント ( 0 ) | Trackback ( )