●石原産業排出の産廃処分場、子会社JVに発注へ
中日 2010年1月31日 朝刊
三重県の外郭団体「県環境保全事業団」(津市)が、化学メーカー石原産業四日市工場(三重県四日市市)の産業廃棄物などを埋め立てる処分場の建設工事を、同社子会社の石原化工建設(同市)を含む共同企業体(JV)に発注することが分かった。一般競争入札で決まったが、処分場は石原産業の産廃が受け入れ量の半分を占めることから、子会社の工事受注を疑問視する声も出ている。
県によると、処分場は四日市市小山町に建設し、2012年から15年間で産廃107万立方メートルを埋め立てる計画。そのうち53万立方メートルが石原産業から排出される汚泥「アイアンクレー」となる見通しだ。
施設整備費は106億円で、国と県が24億円ずつ補助。石原産業に対しても、建設基金や処理料金の前払いとして約60億円の拠出を求める。
一般競争入札は1月25日、価格に加え、実績や技術力も見る総合評価方式で行われ、五つのJVが参加。3番目に安い48億1000万円を提示した石原化工建設と鹿島(東京)など3社のJVが技術力などを高く評価され落札した。
評価にかかわった県の担当者は「入札の参加資格を満たしていれば、子会社といっても排除はできない。評価は公正に行われた」と説明する。だが、ある関係者は「特定の業者にしかない実績、技術を評価する項目もある。主に石原産業の産廃を埋め立てる施設の工事を子会社に請け負わせるのはおかしい」と指摘する。
事業団は2月2日の理事会で、このJVとの請負契約案を審議し、承認されれば仮契約する。建設予定地の土地取得が終わり次第、正式に契約する。
石原産業は1998年から2004年にかけ、アイアンクレーの放射線量を改ざんし、事業団の処分場に不正に運び込んでいた。 |