●韓国:A級戦犯めぐる野田財務相の言動に反発
毎日新聞 2011年8月16日 18時37分
韓国外交通商省は16日、野田佳彦財務相が「A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」との立場を再確認したことについて、日本が過去に朝鮮半島を植民地支配するなどした「侵略の歴史」を否定しようとする「不適切な言動だ」と反発する当局者論評を発表した。
論評は野田氏の立場について、日本政府が昨年8月の日韓併合100年に関する菅直人首相談話などを通じて明らかにした公式の立場とも一致しないと指摘。韓国政府として「日本の責任ある政治家が謙虚な姿勢で過去の歴史を直視」するよう求めた。
野田氏は15日の記者会見で、A級戦犯をめぐる2005年提出の質問主意書の考え方に「基本的に変わりない」と発言。16日付の韓国主要紙はこれについて「極右、軍国主義的な歴史観をさらけ出した」(朝鮮日報)などと強く批判した。
主意書は、野田氏が民主党国対委員長時代、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝をめぐり提出。A級戦犯合祀(ごうし)を理由とした参拝反対論を批判した。
菅首相談話は、植民地支配への「痛切な反省と心からのおわび」を表明し、「歴史に対して誠実に向き合いたい」と強調している。(共同) |