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てらまち・ねっと



 震災から半年、そんな報道が続く。
 いろんな観点がある。
 個人のレベルでも、社会的、行政的なレベルでも事情や拝啓背景・・・ 

 期待を込めて前をむく姿勢、客観的にとらえる姿勢、深刻にとらえる姿勢・・・

 復興への歩みにのしかかる放射能汚染の危惧。

 そんなことで、例えばと、次を記録。
  ★東日本大震災:震災半年、水没したままの町--宮城・石巻の長面・尾崎地区 (毎日新聞)
  ★2万5700人受け入れ 震災半年首都圏 (東京新聞)
  ★被災3県、復興計画急ぐ 震災から半年(河北新報)

 いろいろな意見の中で、大局的に指摘するロイターの記事を主として記録しておく。
   ★コラム:震災半年、「需要蒸発」懸念で外需主導の回復に黄信号 (ロイター)
   ★震災半年:円高・株安の波状リスク、対症療法もう限界に  (ロイター)

 ともかく、私からは、政府の決断の無さ、これが最大の課題に映る。

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●東日本大震災:震災半年、水没したままの町--宮城・石巻の長面・尾崎地区
  毎日新聞 2011年9月10日>
 ◇海の男、がれきと苦闘 撤去予算尽き、漁業復興も見えず
 東日本大震災の発生から半年、宮城県石巻市の長面(ながつら)・尾崎(おのさき)地区には今なお、うずたかく積もるがれきと格闘する海の男たちがいる。【写真・文 森田剛史】

 カキの養殖が盛んだった内海の長面浦に面した両地区。毎朝7時過ぎ、県漁協河北町支所の組合員約20人が、避難先の仮設住宅から長面浦西側の岸壁に集まってくる。被災を免れわずかに残った小型船に分乗。海面から顔を出す材木を慎重によけながら、大量のがれきが山のようにたまる浦の南岸に向かう。

 「せーの、よいっしょっ」。流された家屋の一部など大きな物はロープを掛けて4、5人で引っ張り出し、チェーンソーで切断する。道路の崩落や浸水で重機や大型トラックは入れず、ほとんどが手作業だ。船にがれきを積み込み、岸壁の集積所までの往復を日中、何度も繰り返す。

 撤去作業は、国の漁場復旧対策支援事業として5月から始められた。日に1万1000円支払われる労賃が漁業者の生計を助けてきた。しかし、漁業再開のめどが立たない中、9月いっぱいで当面の予算が尽きる。

 作業の合間に、ある漁師が「そろそろ、これ考えてるのさ」と冗談めかして首をつるまねをすると、仲間が「いいロープそこにあんぞ」と応じ、笑い飛ばした。「バカ話語って笑うしかねえのさ」

 津波は海抜0メートル地帯だった長面地区の約160世帯全てをのみ込み、同地区では32人が行方不明のままだ。約1メートルの地盤沈下と堤防の決壊により、干潮時以外は集落全体が水没し、がれきの撤去や行方不明者の捜索を阻んできた。

 同支所の鈴木光悦運営委員長(66)は「海が好きだから、この地で漁業を続けたい。ただ、今はまだ、長面は海の中と同じ。小さな漁協の復興の形はすぐには見えない」と話し、空を見つめた。

●2万5700人受け入れ 震災半年首都圏
        東京 2011年9月11日
 東日本大震災は十一日で発生から六カ月を迎えた。死者六十人、約三万四千二百戸が全半壊した首都圏一都六県ではこの間、大きな被害を受けた岩手、宮城、福島各県の被災者ら約二万五千七百人を受け入れた。

 しかし、東京電力福島第一原発事故による食品の放射能汚染が明らかになったほか、事故の影響を考慮して転出したとみられる人もおり、市民の不安は解消されていない。

 政府によると、避難者の受け入れ人数は、東京が八千五百五十五人、埼玉四千五百五十二人、千葉三千六百十八人など。多くは福島の避難者とみられる。

 一方、東京では六、七月と連続して人口が減少。六月の減少は十五年ぶりで、都は原発事故を受け、西日本へ転居した人が増加したことも要因とみる。

 原発事故では、国の暫定規制値を超える放射性物質が検出された牛肉などが一時、出荷停止になった。現在は茶が茨城全域のほか、栃木や群馬、千葉、神奈川の一部で出荷停止のまま。比較的高い放射線量が検出される「ホットスポット」も各地で確認され、自治体は放射性物質を取り除く除染を進める。

 警察庁などによると首都圏の死者数は、茨城二十四人、千葉二十人、東京七人など。千葉で二人、茨城一人の行方不明者がいる。建物被害は全壊が約三千八百戸、半壊が約三万四百戸。首都圏九十六市区町村で地盤の液状化が確認された。

● 被災3県、復興計画急ぐ 震災から半年
       河北新報 2011年09月11日 
 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城、岩手、福島3県は、復興計画を策定し、生活基盤の再構築、産業の再興などを目指す。県議会9月定例会に計画案を出す宮城、既に計画を策定した岩手両県は津波の再来に備えた減災対策を盛り込んだほか、漁業の拠点を整備する。福島第1原発事故の収束のめどが立たない福島県は年内の策定を見込む。復興ビジョンに「脱原発」を掲げ、自然エネルギーによる産業振興を図る。

◎岩手 生活基盤を再構築/策定済み 三陸鉄道復旧も推進
 岩手県の復興基本計画は、計画案が6月7日に公表され、8月11日の県議会8月臨時会で原案通り可決された。
 2011~18年度の8年間が対象。復興に向けた原則やグランドデザインを示し、個々の事業や工程表は復興実施計画を策定し具体化した。
 基本計画は「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」を3原則とし、防災のまちづくりや生活・雇用、経済産業など10分野で計273の取り組むべき項目を掲げた。

 まちづくりでは、海岸保全施設とソフト対策を組み合わせた「減災」の考え方に基づき、復興モデルを提示。津波対策の方向性として「おおむね百数十年程度で起こりえる津波の高さを海岸保全施設の整備目標とする」と明記した。
 8年間の計画期間は3期に分け、第1期「基盤復興期間」(3年)、2期「本格復興期間」(3年)、3期「さらなる展開への連結期間」(2年)とし、それぞれの実施計画を策定する。

 このうち第1期の実施計画は8月2日に公表された。それによると、11~13年度で早期に着手する地域づくりや雇用、産業の再生などの事業354項目を列挙。被災した県立学校や特別支援学校など計73校の正常化や三陸鉄道の不通区間の復旧、県が代行するがれき約380万トンの撤去は13年度までに実施する。
 被災者向け公営住宅は16年度、三陸縦貫自動車道の整備は18年度までを見込む。漁業では13年度までに共同利用の漁船6152隻と定置網108基を導入し、水産加工処理施設148カ所などを整備する。

◎宮城 漁業拠点集約化へ/宅地移転、堤防強化 9月定例会提出
 宮城県は15日開会の県議会9月定例会に県震災復興計画案を提出する。「壊滅的被害からの復興モデル構築」を基本理念に掲げ、エコタウン形成や漁業拠点の集約再編を明記。津波避難タワーの建設など342の復旧・復興事業を盛り込んだ。
 復興期間は2020年度までの10年間。「復旧期」(3年)「再生期」(4年)「発展期」(3年)に区分し、段階的に復興事業に取り組む。
 まちづくりは、住宅や公共施設の「高台移転」と「職住分離」、沿岸の道路や鉄道を盛り土構造に変え、堤防機能を持たせる「多重防御」の3本柱で津波再来に備える。

 気仙沼市など三陸地域は高台移転と職住分離を基本に据え、港に津波避難ビルを整備する。名取市など仙台湾南部地域は多重防御を図り、住宅地は内陸側へ移転する。石巻・松島地域は高台移転と多重防御を併用する。
 壊滅的被害を受けた水産業復興は142漁港を3分の1程度に集約し、背後地に水産関連産業を集積させて拠点化する。沿岸漁業の漁業権を法人にも与える「水産業復興特区」構想の検討も進め、13年度以降の導入を目指す。
 被災した農地は「水稲団地」「野菜団地」などに集約し、生産の大規模化を図る。地盤沈下などで復旧困難な農地は緩衝地帯「千年希望の杜国営公園」として整備する。

 エコタウン形成では、復興住宅の全戸に太陽光発電設備を設置する。燃料電池や蓄電池を導入した「省エネ住宅」の普及も促し、再生可能エネルギーの比重を高める。

 福島第1原発事故の長期化を予想し、農水産物の放射能検査体制を強化する。東北電力女川原発(女川町、石巻市)周辺の監視態勢や県の原子力災害対応も再構築する。
 大震災の教訓を後世に語り継ぐため、津波災害の記録や研究、学習を行う「震災・津波博物館」を核とした「東日本大震災メモリアルパーク」の整備を国に提言する。
 復興計画を確実に実行するため、財源確保では「災害対策税」創設を求めた。法人税の10年間免除、集団移転の補助率引き上げなど8分野で規制緩和を図る「東日本復興特区」創設も提言した。

◎福島 年内策定 脱原発探る
 福島県は8月11日の県復旧・復興本部会議で、基本理念に「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を据えた県復興ビジョンを決定した。
 「脱原発」の考えの下、再生可能エネルギー産業や放射線医療の研究機関などの拠点を設け、経済的活力と環境とが共生する社会づくりを進めるとしている。基本理念にはほかに「ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興」「誇りあるふるさと再生の実現」を掲げた。
 佐藤雄平知事はビジョン決定後、「自然エネルギーを産業に結び付ける計画が今日からスタートする」として実現に意欲を示した。
 復興計画では「原発に代わる雇用の場」(ビジョン)となる新たな産業について、どこまで具体化できるかが焦点になる。福島第1原発事故が収束しない中、インフラ整備などにどう取り組んでいくのかも注目される。
 復興計画の計画期間は、2011~20年度の10年間。近く発足する検討委員会で策定していく。委員は学識経験者や各産業の代表ら20人前後。計画には主要な事業の工程表を盛り込み、地域別でもまとめる。
 委員会は10月末に計画素案をまとめ、最終案を12月に県議会に報告。年内にも最終決定される見込み。決定後も、原発事故の状況に変化があれば計画は見直される。

●コラム:震災半年、「需要蒸発」懸念で外需主導の回復に黄信号
        ロイター 2011年 09月 9日 19:32 JST
 [東京 9日 ロイター] 東日本大震災直後の日本経済にとって、最大の制約要因はサプライチェーンの寸断による製造業の供給制約だった。

 しかし、今は欧州債務危機や米経済減速など、世界経済の動向が大きなリスク要因として浮上してきた。欧州での混乱が金融危機に発展すれば、リーマンショックに相当する需要の『蒸発』を覚悟しなければならない。

 日本の民間企業には震災被害からのV字回復期待が高まっており、それに沿った大増産計画を立てる動きがある。しかし、それは早晩、見直す必要があるだろう。そして、政府は世界的な危機発生に備え、2011年度第3次補正予算で景気対策的な対応や、雇用調整助成金などの増額が迅速にできるように予備費的な項目を大規模に盛り込んで備えを厚くするべきだ。 

 <米欧景気の減速、見当たらない魔法の杖>  

 欧州の経済情勢は、半年前には想定できなかったペースで悪化している。3月時点で欧州中銀(ECB)はインフレへの警戒感を強め、4月と7月に利上げした。しかし、トリシェECB総裁は8日の会見で「成長への下方リスクが存在すると認識している」と述べるとともに「インフレのリスクは均衡している」と指摘。利上げ打ち止めの意向を強くにじませた。市場関係者の中には、11月中の利下げを予想する声も出てきた。

 一方、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は8日、「高水準の成長と雇用の回復を支援するために、できることはすべて行う」と述べるとともに、成長率が低下している要因として「より恒常的な要因が回復を抑制している」と指摘。家計消費が異例の弱さを示している点も挙げ、リーマンショック後のバランスシート調整が進む中で、米経済が低成長を強いられているとの見方を強くにじませた。

 さらにオバマ米大統領が8日、4470億ドルの雇用対策を発表したが、財源問題で共和党と合意できるのか不透明であるうえ、経済的効果が見かけの規模ほどないとの声が早くも市場から上がっている。米経済問題に詳しい東海東京証券・チーフエコノミスト、斎藤満氏は、今回の対策について、減税や長期失業保険給付などこれまでの政策の延長が多くの支出を占めている点を指摘、道路や鉄道などのインフラ投資に500億ドル、学校の近代化で300億ドルと新たな需要を生み出す支出は、全体の歳出規模に比べかなり少額になるとみている。

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● 震災半年:円高・株安の波状リスク、対症療法もう限界に 
    ロイター 2011年 09月 9日 19:28 JST
 [東京 9日 ロイター] 震災からの半年間は日本の金融政策と市場対応の力量が試される局面でもあった。円高、株安とマーケットからの逆風に対し、日本の当局は円売り介入、日銀による資産購入などで応じたが、いずれも「対症療法」の域を出ていない。
 介入は企業のドル売りをためらわせ、一段の円高を呼ぶ火種を残したほか、日銀のETF購入枠の拡大が市場の活力を低下させるなど、その対症療法がもたらした副作用も小さくない。

 <2度の円売り介入、2度の円最高値更新>

 震災後、円は2度、史上最高値を更新した。震災直後に仕掛け的な円買いがあった3月17日と欧米経済不安が高まった8月19日だ。76.25円を付けた3月はG7各国が協調介入を実施。10年ぶりの政策協調にドル/円は反発し、4月6日には85.53円と今年の高値を付けた。しかしその後、海外経済の不安定化を嫌ったリスク回避の円買いが進行。これまでほぼ一貫して円高トレンドを辿っている。8月4日には4.5兆円と過去最大規模の円売り介入を実施したにもかかわらず、その2週間後には円は75.94円を付け最高値を更新した。

 為替介入の効果は限定的に終わることが多い。パニック的なマーケットの動きを止める効果はあっても、1日の取引額が150兆─200兆円とも言われる巨大な外為市場で、持続的なトレンドを押し戻す力はないことはこれまでの歴史でも明らかになっている。当時財務相だった野田佳彦首相は、8月4日のドル買い/円売り介入の効果について、「投機的な動きについて、政府・日銀の姿勢を明確に示せた」としたが、効果は一時的だった。

 円高を「投機の仕業」と繰り返す政府当局者。しかし、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は、日本は「投機的な円高」という誤った認識に基づいて行動すべきでないと指摘する。円高には、グローバルな不確実性を背景とする投資マネーの委縮と、マネーの自国回帰という根本的な原因があるという。

 「マネーが委縮し、経常収支の不均衡をカバーできなくなると、日本は黒字なので外貨売り圧力が自然に高まり、経常赤字の米国や南欧諸国ではドル安、ユーロ安圧力となる」。日本はドル安・円高を所与の事実として受け入れ、企業レベルでも国家レベルでもリスク管理体制を一段と充実させることが重要だと斎藤氏は主張する。

 円売り・ドル買い介入は国としてのリスクを増加させる。ドル買い介入のための資金は、外国為替資金証券を発行して調達するが、これまでの度重なる為替市場介入(主にドル買い/円売り)の結果、同証券の残高は3月末で109兆3130億円に達した。ドルやドル建て資産が急落すれば、債務超過に陥るリスクがあり、そうなった場合は将来的に国民の負担になる。 続く...

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