「原発」という争点を隠したことで盛り上がらなかった福島県知事選に対して、明後日(30日)告示の沖縄県知事選(11月16日投票)が大きく注目されている。こちらは、争点は明確。もちろん、最大の争点は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設。野党系と一部自民系が擁立する前・那覇市長の翁長氏の「断じて容認できない」に対して、「容認」している現職・仲井真知事は、今から苦戦が伝えられている。公明も自主投票になり、なお、苦戦方向。
状況の整理については、毎日新聞が簡潔だった。
★《米軍普天間飛行場の県内移設を争点にした知事選は1998年以降5度目。いずれも保革が争ってきた。だが今回は移設だけでなく、政府との協調による沖縄振興を選ぶのか、政府に対峙(たいじ)してでも新たな沖縄の道を模索するのか、より大きな対立軸が浮かび上がる。》
★《琉球大の島袋純教授(行政学)は今回知事選を「既存の権力の仕組みに従順な側と反対する側に分かれた」と分析し、本土復帰前、68年の主席公選に似ていると指摘する。》
とはいえ、「革新」系も、自民党系の翁長氏を推すしかなかったという苦しさがある。
★《かつて革新側に推された大田昌秀元知事(89)は翁長氏擁立を「基地問題の本質は平和憲法を守り抜くかどうか。保守本流を自負する人物にくみする革新には失望した」と強烈に批判。陣営内にも「革新の退潮に拍車がかかる。革新の『終わりの始まり』になりかねない」(労組関係者)との声も漏れる。》
ともかく、安倍政権の暴走を少しでも止める力にはなりそう。
ところで、今朝は、6.9度と寒い中をノルディックウォークした。朝陽に染まる上空の塊の雲がとてもきれいだった。
今日は、午前中は県庁で文書の情報公開、午後は来客・相談2件。
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●辺野古移設で対立=沖縄知事選候補
時事(2014/10/17-21:51)
沖縄県知事選(30日告示、11月16日投開票)を前に、立候補予定者4人による公開討論会が17日、那覇市で開かれた。
最大の争点となる米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について、翁長雄志前那覇市長が「断じて容認できない」と述べたのに対し、現職の仲井真弘多氏は「現実的な解決の方法では一番早い」と反論、双方の主張は真っ向から対立した。
討論会には、下地幹郎元郵政民営化担当相と喜納昌吉元民主党参院議員も参加した。
●決める:沖縄知事選2014/2 「保守・翁長氏」支援する革新 勝てる独自候補不在
毎日新聞 2014年10月17日
◇退潮加速か、新たな勢力か
「選挙に勝つことで辺野古移設を止めたい」。那覇市で9日にあった米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対する集会で、沖縄本島中部のうるま市から駆け付けた花城安勝(はなしろやすかつ)さん(70)は言った。視線は11月16日に投票が迫る沖縄県知事選に向いている。
花城さんは長年の社民党支持者。知事選では、共産や社民、地域政党・沖縄社会大衆など革新政党が支援し、辺野古移設反対を訴える前那覇市長の翁長雄志(おながたけし)氏(64)を支持するつもりだ。しかし、わだかまりもある。
翁長氏は自民党沖縄県連幹事長を務めた沖縄保守の重鎮。「辺野古移設問題以外は自民路線の人だと思う。正直複雑だ」。花城さんは保守との共闘に違和感を禁じ得ない。
革新政党が翁長氏擁立を決めたのは7月の統一候補者選考委員会。複数の名が上がったが、翁長氏擁立は全会一致で決まった。保守でありながら革新主体の県民大会にも参加し、辺野古移設に反対する翁長氏への出馬待望論は高まっていた。
2、3期ごとに保革が入れ替わり制してきた知事選にあって、2010年の前回選で革新は初めて4連敗した。しかも候補者は「エース」と目された元宜野湾市長の伊波(いは)洋一氏(62)。だが、結果は仲井真弘多(ひろかず)知事(75)に4万票近い差で敗れた。
「今だから言うが、今回の選挙は勝たねばならず、当初から翁長氏しかいないと思っていた」。9月26日、那覇市での集会で、選考委の座長を務めた新里米吉(しんざとよねきち)・社民党県連委員長は言った。勝てる候補者を見いだせない革新にとって、知名度がある翁長氏待望論は「渡りに船」だったのが実態だ。
だが、最大の争点である辺野古移設に「反対」で一致しても、日米安保への評価一つにしても隔たりは大きく、保革共闘にきしみはある。
かつて革新側に推された大田昌秀元知事(89)は翁長氏擁立を「基地問題の本質は平和憲法を守り抜くかどうか。保守本流を自負する人物にくみする革新には失望した」と強烈に批判。陣営内にも「革新の退潮に拍車がかかる。革新の『終わりの始まり』になりかねない」(労組関係者)との声も漏れる。
●「辺野古移設」争点、複雑化する選挙協力や支援…枠組み溶解で混戦に 沖縄知事選まで1カ月
産経 2014.10.17
任期満了に伴う沖縄県知事選(10月30日告示、11月16日投開票)まで16日で1カ月となった。立候補を表明している4人は、最大の争点となる米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古への移設問題でそれぞれの立場が異なる。平成8年の普天間飛行場の返還合意以降、知事選候補者の主張が鮮明に分かれるのは初めて。選挙協力や支援のあり方も複雑化しており、「枠組み溶解」で混戦の様相を呈している。
立候補を予定しているのは、3選を目指す仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事(75)、翁長(おなが)雄志(たけし)前那覇市長(64)、下地幹郎(みきお)元郵政民営化担当相(53)、喜納昌吉元参院議員(66)。
辺野古移設について、昨年12月に辺野古の埋め立てを承認した仲井真氏は、普天間飛行場の危険性除去のため「現実的」だとして容認する。翁長氏は「絶対に造らせない」と反対し、下地氏は賛否を示さず辺野古移設の是非を問う県民投票の実施を主張。喜納氏は埋め立て承認の撤回を掲げている。
ただ、政府は、菅(すが)義偉(よしひで)官房長官が「最大の関心は沖縄県が埋め立てを承認するかどうかだった。もう過去の問題だ」と述べるなど、選挙結果にかかわらず、移設作業を進めていく方針だ。
政党の支援態勢では、自民党は仲井真氏を推薦している。公明党は県本部が辺野古移設に反対しているため仲井真氏を推薦せず、近く自主投票とすることを決める見通しだ。
かつて自民党県連幹事長を務めた翁長氏は、同党を除名された那覇市議に加え、社民、共産両党など革新陣営の支援も受ける。民主党は党本部方針に反して出馬するとして喜納氏を除名し、自主投票で臨むが、支持団体の連合は翁長氏を推薦している。
●決める:沖縄知事選2014/1 「子孫が胸張って歩ける沖縄に」 新たな道模索か、政府との協調か
毎日新聞 2014年10月16日
「ウチナー(沖縄)の誇りを傷つけた。本土の人は『やっぱり沖縄は金で動いた』と思うだろう」。9月28日夜、沖縄県名護市の市民会館。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志(おながたけし)前那覇市長(64)が言った。昨年末、安倍晋三首相から「2021年度まで毎年3000億円台」の沖縄振興予算を取り付け、辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を承認した仲井真弘多(なかいまひろかず)知事(75)への批判だ。
かつて自民党県連幹事長を務め、09年の民主党政権誕生を機に「県外移設」主張に転じ、10年の前回知事選で仲井真氏の選対本部長として「県外」を公約に入れるよう迫った翁長氏。「仲井真後継の大本命だった」(自民県議)が、埋め立て承認を機にたもとを分かち、知事の対抗馬になる決意をした。その翁長氏を辺野古移設に反対する共産、社民など革新勢力と自民党県連から除名された那覇市議らが支える。「いつか保革を乗り越え沖縄に基地を置こうとする勢力に対抗したいと思ってきた。イデオロギーよりアイデンティティー(存在証明)だ」。翁長氏の訴えに聴衆約200人から拍手が湧いた。
同じ日の夜、自民の推薦を得て3選を目指す仲井真氏も名護市内の事務所開きで約200人を前に気勢を上げた。「辺野古の皆さまには苦労をかける。本当に感謝しているし、名護の皆さんに一生懸命仕事をしていきたい。1次産業も製造業も、観光であれIT(情報技術)であれ、あらゆる産業が活発になっている」
「辺野古は現実的な選択。流れを逆回転させてはいけない」と移設推進を訴える仲井真氏。陣営関係者は「政府と信頼関係のある仲井真氏だから振興策を引き出せた」としたうえでこう話した。「県民に『政府と対立し3食の飯が2食に減っていいのか』と訴える」
米軍普天間飛行場の県内移設を争点にした知事選は1998年以降5度目。いずれも保革が争ってきた。だが今回は移設だけでなく、政府との協調による沖縄振興を選ぶのか、政府に対峙(たいじ)してでも新たな沖縄の道を模索するのか、より大きな対立軸が浮かび上がる。
琉球大の島袋純教授(行政学)は今回知事選を「既存の権力の仕組みに従順な側と反対する側に分かれた」と分析し、本土復帰前、68年の主席公選に似ていると指摘する。
●沖縄知事選:公明、自主投票へ 自公協力崩れる
毎日新聞 2014年10月07日
公明党沖縄県本部が、11月16日投開票の沖縄県知事選に自主投票で臨む公算が大きくなった。県政与党として自民党県連とともに仲井真弘多(ひろかず)知事(75)を支えてきたが、3選を目指す仲井真氏が米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を推進する立場を取ったことから、県本部内では仲井真氏の支援を困難とする意見が大勢を占めている。公明党本部も県本部の意向を尊重する見通し。知事選では2002年以降続いてきた自公協力態勢は今回崩れる見込みで、知事選の行方に影響しそうだ。
県本部は普天間飛行場の県外移設を主張。昨年末、仲井真氏に辺野古沿岸部埋め立て申請を承認しないよう提言したが、仲井真氏が承認し、溝が深まっていた。公明党関係者によると、沖縄の公明支持者の多くが辺野古移設に反対しており、県本部も仲井真氏支援は困難とみているという。
公明は普天間移設が争点となった1月の名護市長選でも移設推進を掲げた自民推薦の候補を支援せず、自主投票を選択した。公明支持層の一定の票が、移設反対を訴えて大差で再選した稲嶺進氏に流れたとみられている。自公協力で臨んだ13年の参院選比例代表で公明は沖縄県内で約9万票を得票している。
民主党は同党沖縄県連に対し、喜納(きな)昌吉代表(66)の擁立を取り下げるよう求めてきた。しかし、県連は回答期限の6日、態度を明確にしなかったため、党本部は7日、臨時の常任幹事会で県連の処分を検討する。
知事選にはほかに、辺野古移設反対を訴え、共産、生活、社民、自民党を除名された那覇市議などが支援する翁長雄志(おなが・たけし)前那覇市長(64)、移設を県民投票に問うとする下地幹郎元郵政担当相(53)も出馬表明している。【佐藤敬一、井本義親】
●沖縄知事選大苦戦で自民党が模索する“仲井真不戦敗作戦”
ブロゴス/週刊文春 2014年10月16日
10月30日に告示が迫る沖縄県知事選。元自民党県連幹事長の翁長雄志(おなが・たけし)前那覇市長(64)が、3選を目指す現職の仲井真弘多(ひろかず)知事(75)をリードする展開だ。
「ここに来て、さらに差が広がっています。自民党の調査では、トリプルスコアで翁長リードとの数字も出ているそうです」(政治部記者)
10月に入ってからは、これまで仲井真県政を支えた公明党・創価学会も、自主投票で臨む方向性を打ち出した。
現地で長期間取材したノンフィクションライターの常井健一氏が解説する。
「9月末に超党派で開いた翁長氏のパーティーで乾杯の音頭を取ったのも、公明県議でした。翁長陣営の中枢を固めるのは自民党歴が長く、今夏、党を除名された那覇市議たち。彼らは県内の公明5~6万票の大半が来ると見ています。革新20万票に加えて、仲井真氏を支えた保守の基礎票20万の3割を奪い、公明票も上乗せして、37万票獲得を目標に、圧勝する戦略で臨んでいます」
翁長有利の情勢に、自民党県連には動揺が走っている。知事選と同日に行われる那覇市長選の候補者選びでは、自民党が県連副会長を務める県議の擁立を決めたものの固辞され断念。この県議は、公明や翁長氏とも太いパイプを持っており、「負け戦には乗れないと判断したのでは」(地元記者)。自民党は、急きょ元副知事を担ぐ方針を打ち出したが、翁長氏が後継に推す女性副市長が有利と見られる。
さらに、オウンゴールも飛び出した。
「沖縄先住民はボロボロのようなイメージで顔が真っ黒」
自民党の照屋守之県議が2日の県議会でこう発言。「県民への冒涜だ」と批判を浴び、10日に発言撤回に追い込まれた。照屋氏は県連幹事長の要職にあり、仲井真陣営の選対幹部でもある。
仲井真氏の晩節を心配する沖縄政界の重鎮たちの間では、ある秘策が囁かれている。自民党関係者が明かす。
「不戦敗にすればいい。病気を理由に、告示前に入院させ、出馬辞退を決断する。彼の2期8年の実績を歴史に残すには、それしかない」
官邸関係者も追認する。
「福島県知事選も県連が擁立した元日銀支店長を降ろして、前副知事に相乗りした。翁長氏はもともと自民党だし、不戦敗の方が、翁長知事になった時にしこりが残らない」
告示まで残すところわずか。果たして秘策は飛び出すのか。
●注目の人 直撃インタビュー /前那覇市長・翁長雄志氏が語る「沖縄知事選」出馬への覚悟
日刊ゲンダイ 2014年10月13日
埋め立てがなぜダメか? 国有地になって基地が固定化するからです
11月16日の沖縄県知事選は、安倍政権の今後を占う重要な選挙になる。現職の仲井真知事が辺野古埋め立てを承認し着々と進む工事に対して、「断固阻止」を訴えているのが、この人だ。3日に那覇市長を辞した翁長雄志氏(64)に、出馬への覚悟を聞いた。
――仲井真弘多知事が辺野古埋め立てを承認したことで、政府によるボーリング調査も進み、基地移転の既成事実化が着々と進んでます。菅官房長官は県知事選の結果と基地移転を切り離そうとしていますが、そういうわけにはいきませんよね?
今度の選挙は仲井真知事の埋め立て承認に対し、民意を問うものになると思っています。工事を強行している安倍政権に対して、沖縄の民意をぶつけるということです。私たちは、仲井真さんの普天間県外移設の公約破棄を容認していません。今度の知事選は、公約破棄である埋め立て承認に対する県民の初めての判断になります。だからこそ結果をしっかりと出す必要があるのです。私たちは「オール沖縄」とよく言っていますが、「イデオロギーよりもアイデンティティーが大切」ということです。「心を結集して闘っていこう」と呼びかけています。
――9月20日に辺野古の浜辺で開かれた5500人集会で、翁長さんは「絶対阻止」の決意表明をされた。なぜ、埋め立てはダメなんですか?
沖縄の基地問題の原点のひとつに、「プライス勧告」というものがあります。戦後、沖縄を占領した米軍は銃剣とブルドーザーで土地を県民に提供させて、強制接収をして基地を造っていきました。そして1956年にアメリカの大物政治家プライスがやってきて、「土地は一括して買い上げる」という布令を出したわけです。
・・・・・(略)・・・
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