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てらまち・ねっと



 大義がない解散、とみんな言う。
 安倍氏本人は、会見でアベノミクスを問うとの旨を述べたらしい。
 安倍氏会見(18日会見/首相官邸Web)「・・そうしたことを総合的に勘案し、デフレから脱却し、経済を成長させる、アベノミクスの成功を確かなものとするため、本日、私は、消費税10%への引き上げを法定どおり来年10月には行わず、18カ月延期すべきであるとの結論に至りました。」

 アベノミクスを確かなものにするために消費税を上げない、という決断とは、「アベノミクスの失敗」に他ならない。
 そこで、今の状況をどう見たらよいのか、少し、ネットーサーフィンしてみて、最初に一部を抜粋、ブログの後半に出典に色を付けて見やすくし、全体を比べてみた。

 ふむふむ・・・と思った。野党ががんばれば面白い選挙や選挙結果にかりそう・・・
 なお、昨日の朝は「0.9度」、今朝は「1.6度」の中、ノルディックウォークをした。昨日は、氷を見た。

★ロイター《「GDP成長率がプラスかマイナスかの違いは大きい。わずかであってもプラスなら、アベノミクスは成功しているのだと言い張れるが、マイナスならそうはいかない。選挙で自民党が大勝するとのシナリオで進んできた市場だが、わからなくなってきた」》

★日経ビジネス《第2次内閣発足直後の安倍首相は、第1次内閣の印象が強かったことから、「すぐに投げ出すのではないか」と懸念されていましたが、実際には人が変わったような活躍を見せました。しかし、最近の安倍首相を見ていると、また投げ出すのではないかという懸念を感じます。今回の増税先送りと解散・総選挙は安倍首相にとって大きな失点となる可能性があります》

●朝日/衆院解散前に駆け込み、法案が続々成立 地方創生関連も【19日に成立した法律・承認された条約】
●朝日/子育て新制度、増税先送りでも「予定通り」/医療・介護、社会保障の充実はスケジュールは見直し/菅官房長官

●安倍解散に二つの憲法違反の恐れ 政局重視・逃げる政治の行く末/ダイヤモンド・オンライン
 消費税増税を担いできた自民・公明・民主の3党は、足並みを揃え「増税先送り」を主張している。3党だけではない。共産党も含めたすべての野党に「予定通り増税を」と主張する政党はない。「信を問う」とは選択肢があることが前提だ。選択肢のない選択。
 憲法に根拠なき裁量的解散 ・69条は国会と内閣の対抗関係を定めた条文である。衆議院で内閣不信任案が可決された場合、あるいは信任案が否決された時に、首相は国会を解散して民意を問うことができる(対抗的解散)。
 首相が自分の都合のいい時に勝手に議会を解散していい(裁量的解散)、という根拠は憲法に見当たらない。

●解散総選挙、「過半維持なら続投」の落とし穴 議席減が大きければ政権運営は不安定に/東洋経済オンライン
 一応の争点になりそうなのは、安倍首相が「景気条項を撤廃し、2017年4月から必ず消費税10%に引き上げる」と宣言した点である。この点については、野党側が「景気条項を維持する」と宣言すれば争点になる。
 87議席減らしても退陣しない? 「与党の総大将がありえない」
 議席減を最低限に抑えない限り、与党内に不協和音が広がり、安定的な政権運営は難しくなる。そんなリスクを冒してでも選挙に打って出るということは、安倍首相は、現時点で野党側に力がないことを確信している、ということだ。
 「大義」がなくても「大敗」することはまずない、という不可思議な選挙戦が始まろうとしている。

●田原総一朗の政財界「ここだけの話」 安倍「延命解散」の成否と普天間移設問題/nikkei BPnet 
 選挙準備が整っていない野党のスキを突く
 消費増税を先送りするのは、アベノミクスの行く先が不安定であるからだ。
 10月31日に追加の金融緩和策を決め、これにより日経平均株価は一挙に1万7000円を突破した。しかし、その状態が長続きするとは、安倍首相はじめ政府および自民党の幹部は誰も考えていない。安倍首相にしてみれば、この株高が続いている間に解散・総選挙を実施したいのである。
 このタイミングで選挙を仕掛ける理由はもう一つある。野党は再び総選挙が行われるとは予想しておらず、選挙準備が全く整っていないのだ。そこを狙って解散・総選挙に踏み切ったのである。
 しかし、今回の総選挙で現有議席を上回ることは難しいのではないか。安倍首相の言葉に「解散はやむを得ない」と国民に思わせる説得力があれば、自民党の議席の減少は20以内で抑えることができるかもしれない。しかし、もし説得力がなければ、「解散の理由がわからない。単なる『延命解散』だ」と国民に受け止められ、40席以上減らすかもしれない。安倍首相は「過半数を目指す」と控えめに言ったが、40議席以上減らすようであれば、今回の解散は失敗となるだろう。

●「義」もなく「利」もない解散・総選挙 第1次内閣の教訓を思い出せ/日経ビジネス 
 「危険な賭け」というのはそれ以上に与党が議席を減らす可能性があるからです。自民党・野党共にここでの総選挙にメリットは感じられませんが、公明党にとっては望ましいものかもしれません。軽減税率の導入もそうです。
 もし安倍首相が公明党に配慮したとすれば、理由は集団的自衛権の憲法解釈見直しの時の協力に対する見返りと思われます。公明党は元々集団的自衛権の解釈見直しに慎重でしたが、通常国会の会期末が迫る中、最後の段階ではかなり無理をして安倍首相に譲った感があります。安倍首相にとって、今回の決断はその時の借りを返すものなのかもしれません。
 「アベノミクス」を主張できない与党。景気について。消費増税を先送りしてしまった以上、「景気回復」を声高に主張することはできません。また与党は円安対策を公約に含める方向です。そうなると「円安」「デフレ脱却」を主張することもできなくなります。こうなると与党は自分でアベノミクスの失敗を認めているようなもので、逆に野党は攻め手に事欠きません。
 結局このタイミングで消費増税先送りとセットで解散に踏み切ったのは安倍首相の判断ミスだったということになります。アベノミクスを封印されては、与党に主張できる点はほとんどありません。
 最近の知事選の結果を見ても、3回の知事選で2敗1分けです。
 第2次内閣発足直後の安倍首相は、第1次内閣の印象が強かったことから、「すぐに投げ出すのではないか」と懸念されていましたが、実際には人が変わったような活躍を見せました。しかし、最近の安倍首相を見ていると、また投げ出すのではないかという懸念を感じます。
 今回の増税先送りと解散・総選挙は安倍首相にとって大きな失点となる可能性があります

●アングル:解散表明後も円安基調、アベノミクス成否どちらでも一段安の思惑/Reuters
 アベノミクスの成否にかかわらず「どちらに転んでも円安」という見方が台頭。一段と円安バイアスが強まる可能性も出てきた。
ドル押し上げの背景にあるのは、短期筋を中心とした強気のシナリオだ。好調な米経済というドル側の理由もあるが、前日の解散・消費再増税延期宣言を受けて、衆院選を見据えた円安という円側のシナリオも一段と補強されている。
 1つはアベノミクスが国民の信を得て、成功するというシナリオだ。消費増税延期で景気下振れリスクが後退し、株高の維持が期待される。
 アベノミクスが失敗するシナリオでも、円安ストーリーが描けるという。いわゆる「悪い円安」だが、市場では「アベノミクスによる株高期待からも円安だし、消費税延期によって仮に財政不安が台頭し、『日本売り』となる場合も円安だ。いずれに転んでも、今は円売り」。
 <与党の安定多数割れなら波乱>
議席を減らしたところで安定多数が確保できれば、外国人投資家は目先がクリアになったと受け止める。他方、確保できない場合は、株売りの円買いとなり、相場は荒れるだろう」。

●GDPショックで株高シナリオ狂う、アベノミクスを問う選挙に/Reuters 
 2期連続のマイナス成長は楽観シナリオに修正を迫り、株安・円高が急速に進んでいる。GDP成長率がプラスかマイナスかの違いは大きい。わずかであってもプラスなら、アベノミクスは成功しているのだと言い張れるが、マイナスならそうはいかない。選挙で自民党が大勝するとのシナリオで進んできた市場だが、わからなくなってきた」
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 ★首相官邸Web 平成26年11月18日 安倍内閣総理大臣記者会見
 ★ハフィントンポスト/解散総選挙、安倍首相が表明 消費税10%への引き上げは延期【全文】
●衆院解散前に駆け込み、法案が続々成立 地方創生関連も
     朝日 2014年11月19日23時54分
 安倍晋三首相が21日の衆院解散を表明したことを受け、国会では19日、法案の駆け込み成立が相次いだ。安倍政権が来春の統一地方選に向けた目玉法案と位置づける地方創生関連法案も同日の参院地方創生特別委員会で可決、21日の参院本会議で成立する見通しとなった。その後、同日午後の衆院本会議で衆院が解散される。

衆院解散・総選挙へ
 19日の参院本会議では、危険ドラッグの規制を強化する改正薬事法、中国漁船によるサンゴ密漁を念頭に罰則を強化する法律など、与野党が首相の解散表明前に合意した法律、条約計12本が成立・承認となった。このほかの委員会は、民主党などが「首相が解散を宣言した以上、その内閣のもとでの審議には応じられない」として欠席した。

 一方、地方の人口減少に歯止めをかけることなどが柱の地方創生関連法案は、参院特別委で首相が出席して質疑が行われたが、次世代の党を除く野党が欠席。自民、公明、次世代の「全会一致」で可決された。

     ◇
【19日に成立した法律・承認された条約】改正拉致被害者支援法▽地方選挙期日特例法(統一地方選の投票日決定)▽空き家対策特別措置法▽改正漁業主権法・改正外国人漁業規制法(サンゴ密漁罰則強化)▽改正犯罪収益移転防止法(資金洗浄対策を強化)▽国際テロリスト財産凍結特別措置法▽リベンジ(復讐〈ふくしゅう〉)ポルノ防止法▽改正薬事法(危険ドラッグ規制強化)▽改正ハンセン病問題解決促進法▽改正日本環境安全事業会社法(放射能汚染土の中間貯蔵実施)▽改正景品表示法(食材偽装に課徴金)▽原子力損害の補完的な補償に関する条約

●子育て新制度、増税先送りでも「予定通り」 菅官房長官
          朝日 19日17時
 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で、消費増税の税収を財源に想定している「子ども・子育て支援新制度」について、増税時期を先送りしても「予定通り施行したい」と述べた。

 一方、医療・介護などそのほかの「社会保障の充実」については、「スケジュールは見直さなければならない」と実施時期が遅れる可能性を示唆。「予算編成の中でできることは最大限努力し、できるだけ近づけていきたい」と話した。

●安倍解散に二つの憲法違反の恐れ 政局重視・逃げる政治の行く末/山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員] 【第73回】
         ダイヤモンド・オンライン 2014年11月20日
 安倍首相は来年10月に予定された消費税の税率引き上げを1年半先送りし、この選択が国民に受け入れられるか、衆議院を解散して信を問う、と表明した。

消費税増税を担いできた自民・公明・民主の3党は、足並みを揃え「増税先送り」を主張している。3党だけではない。共産党も含めたすべての野党に「予定通り増税を」と主張する政党はない。

「信を問う」とは選択肢があることが前提だ。選択肢のない選択。
そんな総選挙を強いる今の政権は正統性にも問題がある。解散劇の裏にある「2つの憲法違反」と政局重視の行く末には、どんな事態が待っているのか。

憲法に根拠なき裁量的解散
 解散を規定する憲法の条文は、天皇の国事行為を定めた7条、内閣の不信任に関する69条がある。7条は内閣の助言に従って行う天皇の国事行為の1つとして「国会の解散」を挙げている。国事行為は天皇の権限ではなく、儀式としてのお仕事である。解散が決まった時、国会に行って詔勅を読むことを定めているのが7条だ。

69条は国会と内閣の対抗関係を定めた条文である。衆議院で内閣不信任案が可決された場合、あるいは信任案が否決された時に、首相は国会を解散して民意を問うことができる(対抗的解散)。

 解散を定める憲法の規定はこの2つだけだ。首相が自分の都合のいい時に勝手に議会を解散していい(裁量的解散)、という根拠は憲法に見当たらない(もちろん裁量的解散を認める学説もある)。

 新憲法になって解散は22回行われた。内閣不信任による対抗的解散は4回、残る18回は首相の専権事項として発動された裁量的解散である。なぜ憲法にない解散がまかり通っているのか。これは旧帝国憲法の名残ともいえる。

 大日本帝国憲法は天皇に国会を解散する大権を与えていた。実際は首相が天皇に進言して解散を行っていた。実質的な解散の権限は首相にあったのである。この仕組みが踏襲されたようだ。

 新憲法下による最初の解散は、占領下だった1948年、第二次吉田内閣によるものだった。ワンマン宰相と呼ばれた吉田は帝国憲法に倣って裁量的解散を試みた。だがGHQが認めない。解散は内閣が不信任された69条に限定されるとの解釈を示した。吉田首相は仕方なく、野党に不信任案を出させ、与党が協力して可決するという手続きを踏んだ。「馴れ合い解散」と呼ばれた珍事である。
・・・・(略)・・・

●解散総選挙、「過半維持なら続投」の落とし穴 議席減が大きければ政権運営は不安定に
     東洋経済オンライン /安積 明子 :ジャーナリスト 2014年11月19日
・・・・
とはいえ一応の争点になりそうなのは、安倍首相が「景気条項を撤廃し、2017年4月から必ず消費税10%に引き上げる」と宣言した点である。この点については、野党側が「景気条項を維持する」と宣言すれば争点になるだろう。

安倍首相は、これによって「2017年まで続投する」という意思表示もしたことになる。事実上の長期政権宣言をしたと見ていいだろう。
ただ会見での発言には波紋を呼ぶようなものがあった。「与党で過半数を維持できなければ退陣する」と述べた点だ。

87議席減らしても退陣しない?
昨年6月に公職選挙法が改正されたため、次期衆院選から衆院定数は475になる。その過半数は238になるが、自民党と連立を組む公明党の議席数(現有議席31)が変わらないとするならば、自民党は207議席以上を獲得すれば過半数を維持できるということになる。自民党の現有議席は294だから、次期衆院選で87議席も減らしてもいいということになってしまうのだ。これには海江田万里民主党代表も、「与党の総大将がありえない」と呆れ返っていた。

ただし、実際に自民党がここまで議席数を減らすことはありえないだろう。時事通信が11月7日から10日に実施した世論調査によると、自民党への支持率は22.3%で、第2次安倍内閣が発足して以来最低を記録したものの、民主党4.8%、共産党1.8%、維新の党0.8%などをはるかに上回っている。このまま自民党への支持率が下落したとしても、今後1カ月で民主党と逆転することはまずありえないほどの差だ。

そうであっても議席減を最低限に抑えない限り、与党内に不協和音が広がり、安定的な政権運営は難しくなる。そんなリスクを冒してでも選挙に打って出るということは、安倍首相は、現時点で野党側に力がないことを確信している、ということだ。おそらく、その確信のとおりであろう。「大義」がなくても「大敗」することはまずない、という不可思議な選挙戦が始まろうとしている。

●田原総一朗の政財界「ここだけの話」 安倍「延命解散」の成否と普天間移設問題
      nikkei BPnet 2014年11月19日 
 安倍晋三首相は11月18日夜、首相官邸で記者会見し、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを1年半先送りし、衆院解散・総選挙に踏み切る考えを表明した。11月21日に衆院を解散し、衆院選は12月2日公示、14日投開票になる見通しだ。

選挙準備が整っていない野党のスキを突く
 前回の本コラム(11月13日付「年内解散・総選挙に『大義なし』『無責任』の批判」)でも書いたが、消費増税を先送りするのは、アベノミクスの行く先が不安定であるからだ。

 今年4月に消費税率8%への引き上げを実施したが、消費が落ち込むなどしてその影響が予想外に大きかった。東京株式市場は低迷し、10月には日経平均株価が一時的に1万5000円を割ってしまった。日銀は「デフレマインドからの転換が遅れる懸念がある」として、10月31日に追加の金融緩和策を決め、これにより日経平均株価は一挙に1万7000円を突破した。

 しかし、その状態が長続きするとは、安倍首相はじめ政府および自民党の幹部は誰も考えていない。安倍首相にしてみれば、この株高が続いている間に解散・総選挙を実施したいのである。


 このタイミングで選挙を仕掛ける理由はもう一つある。衆議院議員の任期は4年だが、2012年12月の総選挙からまだ2年も経っていない。野党は再び総選挙が行われるとは予想しておらず、選挙準備が全く整っていないのだ。そこを狙って解散・総選挙に踏み切ったのである。
・・・・・・・
しかし、内閣府が11月17日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.6%減となり、2期連続のマイナス成長、しかも想定よりもはるかに悪かったため、朝日新聞も毎日新聞も“作戦”を変えざるを得なくなった。

 朝日新聞は19日付朝刊の社説で「『いきなり解散』の短絡」として、「景気悪化による増税の先送りは消費増税法を改正すれば認められる」と書き、衆院解散は「短絡に過ぎる」と批判した。

 また、毎日新聞も19日付朝刊の社説で「初めに結論ありきで、自らの政権戦略を優先させたのではと疑わざるを得ない」と書き、「強引な政権運営が目立つ」ようになった「安倍政治」が今回の争点だと指摘する。
・・・・・・
では、安倍政権を支持する読売新聞や産経新聞はどう主張しているだろうか。

 読売新聞の19日付朝刊は社説で「安倍政治の信任が最大争点だ」と題して、衆院解散表明は「日本経済や安全保障の課題を設定し、政策を遂行する体制を立て直す」のが目的だろうと指摘する。

 産経新聞19付朝刊は主張(社説)で「『安倍路線』の継続を問え」と題して、消費再増税の延期とアベノミクスの成果を争点とすることに加え、「米軍普天間飛行場の辺野古移設や憲法改正を引き続き目指す姿勢も明確に打ち出したうえで、国民の信任を得るべきだ」と主張する。

 両紙の主張は明らかにアベノミクスや安倍政権の安全保障政策に批判的な朝日新聞や毎日新聞とは異なる。
・・・・・・・・
 自民党は今(解散前)、衆議院で294議席を持つ。前回2012年12月の総選挙で大勝した結果である。

 しかし、今回の総選挙で現有議席を上回ることは難しいのではないか。安倍首相の言葉に「解散はやむを得ない」と国民に思わせる説得力があれば、自民党の議席の減少は20以内で抑えることができるかもしれない。

 しかし、もし説得力がなければ、「解散の理由がわからない。単なる『延命解散』だ」と国民に受け止められ、40席以上減らすかもしれない。

 安倍首相は「過半数を目指す」と控えめに言ったが、40議席以上減らすようであれば、今回の解散は失敗となるだろう。

・・・・・・

●「義」もなく「利」もない解散・総選挙 第1次内閣の教訓を思い出せ
       日経ビジネス 門司 総一郎 バックナンバー2014年11月20日(木
 「増税先送りなら解散」と題する記事を読売新聞が掲載したのは11月9日のことでした 。その後「増税先送り・解散」観測は燎原の火のごとく広がり、11月18日に安倍晋三首相は増税先送りと解散を発表しました。
・・・・
解散・総選挙は危険な賭けか
・・・
 この2つの要因だけでも与党は議席を10~20議席程度減らすと思われます。ただ、それだけなら3分の2は割り込むものの絶対安定多数は確保しており「危険な賭け」という程ではありません。「危険な賭け」というのはそれ以上に与党が議席を減らす可能性があるからです。
・・
大義のない解散・総選挙
 与党の苦戦を見込む第一の理由は選挙に大義名分がないことです。前述のように3党合意に基づけば解散する必要はまったくありません。「税率引き上げ先送りは重大な方針変更であるため、国民の信を問う」という理屈にも違和感があります。

 解散しなくても世論調査を見れば引き上げに反対(あるいは先送りに賛成)が多数であることは明らかですし、本気で信を問うなら先に解散して民意を確認した上で延期を決定すべきでしょう。先に決定・後から解散では順序が逆です。
・・・・
真の理由は公明への配慮?

 このように考えると、消費増税の先送りはともかくとして、なぜ解散・総選挙が必要なのかわかりません。自民党の議員はもちろん嫌でしょうし、本来歓迎すべき野党も選挙準備の遅れからこの時点での選挙には消極的です。国民の間でも元々忙しい12月の選挙を歓迎する人は少ないでしょう。ここで浮上するのが公明党の存在です。

 以前から一部には「2014年中に総選挙」の観測がありました。これは、「次の国政選挙は2016年に衆参ダブル→公明党はダブル選を嫌う→衆院選を前倒し→2015年は春に統一地方選→2014年内に総選挙」との理屈です。自民党・野党共にここでの総選挙にメリットは感じられませんが、公明党にとっては望ましいものかもしれません。

 軽減税率の導入もそうです。
軽減税率は食料品など生活必需品への税率を低く抑えるものです。税率構造が複雑化するため会計システムなど小売業者の負担が大きくなるといわれています。そのため自民党では麻生太郎財務相はじめ、軽減税率に対する反対の声が強かったのですが、公明党はその導入を主張していました。
・・・
 もし安倍首相が公明党に配慮したとすれば、理由は集団的自衛権の憲法解釈見直しの時の協力に対する見返りと思われます。公明党は元々集団的自衛権の解釈見直しに慎重でしたが、通常国会の会期末が迫る中、最後の段階ではかなり無理をして安倍首相に譲った感があります。安倍首相にとって、今回の決断はその時の借りを返すものなのかもしれません。

 公明党との関係はともかく、今回の解散・総選挙に大義名分が感じられないことは確かであり、この点を野党が突いてくることは間違いありません。これが与党苦戦を予想する第一の理由です。

「アベノミクス」を主張できない与党
 本来与党が安倍政権の実績として主張したいのは景気回復、円安、デフレ脱却などです。しかし、今回の選挙で与党はこれらを主張できなくなっています。

 まず景気について。消費増税を先送りしてしまった以上、「景気回復」を声高に主張することはできません。また与党は円安対策を公約に含める方向です。そうなると「円安」「デフレ脱却」を主張することもできなくなります。こうなると与党は自分でアベノミクスの失敗を認めているようなもので、逆に野党は攻め手に事欠きません。

 結局このタイミングで消費増税先送りとセットで解散に踏み切ったのは安倍首相の判断ミスだったということになります。アベノミクスを封印されては、与党に主張できる点はほとんどありません。内閣改造後の2閣僚の辞任もまだ記憶に新しく、「政治とカネ」の問題でも与党は受け身に回らざるを得ません。

 最近の知事選の結果を見ても、3回の知事選で2敗1分けです。7月の滋賀では与党候補が落選。10月の福島では、自民党は独自候補を擁立することができず、結局民主党が推す候補に相乗りしました(結果は当選)。さらに11月16日の沖縄では自民党が推す現職の仲井真弘多知事が落選しています(公明党は自主投票)。
・・・・
11月に入ってからの日本株の上昇は理由があってのものというよりも、マクロ・ヘッジファンドなど一部の短期的な投資家の買いに振り回されているだけであり、大きな調整があってもおかしくないと考えています。
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第2次内閣発足直後の安倍首相は、第1次内閣の印象が強かったことから、「すぐに投げ出すのではないか」と懸念されていましたが、実際には人が変わったような活躍を見せました。しかし、最近の安倍首相を見ていると、また投げ出すのではないかという懸念を感じます。

 今回の増税先送りと解散・総選挙は安倍首相にとって大きな失点となる可能性があります。


●アングル:解散表明後も円安基調、アベノミクス成否どちらでも一段安の思惑
       Reuters 2014年 11月 19日 17:53
 11月19日、ドル/円が騰勢を強めている。安倍首相が消費税の再増税延期や衆院解散を18日に表明した後も材料出尽くしにならず、上値を追う展開だ。
[東京 19日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSが騰勢を強めている。安倍晋三首相が消費税の再増税延期や衆院解散を18日に表明した後も材料出尽くしにならず、上値を追う展開だ。短期筋の一部では、アベノミクスの成否にかかわらず「どちらに転んでも円安」という見方が台頭。一段と円安バイアスが強まる可能性も出てきた。

ドル押し上げの背景にあるのは、短期筋を中心とした強気のシナリオだ。好調な米経済というドル側の理由もあるが、前日の解散・消費再増税延期宣言を受けて、衆院選を見据えた円安という円側のシナリオも一段と補強されている。

1つはアベノミクスが国民の信を得て、成功するというシナリオだ。消費増税延期で景気下振れリスクが後退し、株高の維持が期待されるほか、衆院選では与党の勝利を想定する向きが多く、株高を演出するアベノミクス継続への期待感が、海外勢を中心に根強い。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオ見直しによる相場下支えへの期待も継続している。先行き経済が崩れれたとしても、日銀は再び追加緩和するとの期待感も出てきている。

とりわけ消費増税の延期に関しては、米国の理解もあると市場ではとらえられている。米財務省が半期に1回公表する為替報告書では、日本に対して財政再建のペースを慎重に進めるよう指摘しており、「増税延期が促された」(国内金融機関)と受け止められていた。
・・・・・
さらにアベノミクスが失敗するシナリオでも、円安ストーリーが描けるという。いわゆる「悪い円安」だが、市場では「アベノミクスによる株高期待からも円安だし、消費税延期によって仮に財政不安が台頭し、『日本売り』となる場合も円安だ。いずれに転んでも、今は円売り」(金融機関)との声も出てきている。

<与党の安定多数割れなら波乱>
とはいえ、総選挙結果次第では、相場も波乱含みとなりかねない。
クレディ・アグリコル銀行のエクゼクティブ・ディレクター、斎藤裕司氏は、与党が安定多数を確保できるかが焦点になるとみる。「議席を減らしたところで安定多数が確保できれば、外国人投資家は目先がクリアになったと受け止める。他方、確保できない場合は、株売りの円買いとなり、相場は荒れるだろう」と指摘する。
・・・
米商品先物取引委員会(CFTC)が14日発表したIMM通貨先物の取組(11月11日までの週)によると、投機筋の円売り越しは8万2583枚。昨年12月のピーク14万3822枚まで、まだ余裕があるが、足元の円安進行で、現在はさらに積み増しているとみられている。

短期筋にとっては「今年最後の稼ぎ場」(金融機関)とされる足元の相場は「チキンレースの様相を呈してきている」(国内金融機関)との見方も出ている。上昇ペースが速過ぎた面があるとして、「利益確定の円買いが入り始めれば、いったん急落するリスクがある」(邦銀)との警戒感も徐々に強まっている。

●GDPショックで株高シナリオ狂う、アベノミクスを問う選挙に
         Reuters 2014年 11月 17日
11月17日、日本の7─9月期GDPが予想外のマイナス成長となったことは、マーケットにもショックをもたらした。
[東京 17日 ロイター] - 日本の7─9月期国内総生産(GDP)が予想外のマイナス成長となったことは、マーケットにもショックをもたらした。多少、景気の悪さを示す数字が出ても消費再増税延期や政策期待で景況感や市場にはポジティブとの見方もあったが、2期連続のマイナス成長は楽観シナリオに修正を迫り、株安・円高が急速に進んでいる。解散・総選挙があるにしても、アベノミクスの成否が問われることにになりそうだ。

 <マイナスの事前予想はゼロ>
<警戒される海外長期投資家の動向>
日本株の売り主体は海外短期筋とみられている。海外投資家は10月最終週と11月第1週の2週間で現物と先物を合わせ、過去最高水準の約3.5兆円を買い越し。その間、日経平均は約2200円上昇しており、GDPが大きく下振れたことで、利益確定売りを出したもようだ。

ただ、より警戒されるのは短期売買を得意とするヘッジファンドなどよりも、海外の長期投資家の動向だ。

GDPは過去の数字であるものの、海外投資家にとって最もわかりやすい指標でもある。
・・・
<政局にも不透明感>
実際、2期連続のGDPは今後の政局における不透明感も強めている。解散・衆院選挙があっても、「野党の弱体化が目立つ中では、自民党の大勝は確実」(国内銀行ストラテジスト)とみられていたシナリオが、予想外のGDP悪化で揺らぎ始めているからだ。

「GDP成長率がプラスかマイナスかの違いは大きい。わずかであってもプラスなら、アベノミクスは成功しているのだと言い張れるが、マイナスならそうはいかない。選挙で自民党が大勝するとのシナリオで進んできた市場だが、わからなくなってきた」

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