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てらまち・ねっと



 まさかと思うけれど、「国が経済的に破たん状態に近くなるかも」と心配されるギリシャ。先日そのギリシャで政権が交代した。
 公約が、従来の方針と大きく変わることから、「ユーロ」に残れないのでは、そうすれば再びギリシャ経済が混迷するので、結局、欧州全体に悪影響を及ぼす。
 1月26日ブログ⇒ ◆ギリシャの総選挙/「緊縮策の是非が最大の争点で、反緊縮派の野党が第一党に躍進」 「選挙結果を受け、債務返済に向けたギリシャの姿勢に疑問符が付けば、再び世界経済に波紋が広がりかねない」(時事通信)

 多額の債務の減免を求めたいギリシャ、しかし、ユーロ圏で一番安定しているドイツのメルケル首相は「ギリシャは既に(銀行などの)民間の債権者から多額の債務の削減を受けている」と指摘し(東京 1/30)、難色を示している。
 まだしばらくは注目。譲許ヴかわかる次のニュースをブログに記録しておいた。

 ところで、このブログは日曜日はアクセスが減るのが通常だけれど、昨日はあまり減らず、「閲覧数 4880、訪問者数 1003」だった。

●欧州株:7年ぶり高値-ギリシャ選挙後もECBが楽観支える/ブルームバーグ 1/27
●ギリシャのチプラス首相、抜本改革を約束/ロイター 1月28日
●ギリシャ新政権が発足 緊縮策見直しへ強気姿勢/サンケイ 1.28
●ギリシャ銀行株連日の急落、ECB支援停止懸念/ロイター 1月29日
●ギリシャの銀行から1.8兆円の預金流出-危機のピーク上回る/ブルームバーグ 01/29

●ギリシャ「反緊縮」内閣が初閣議 EUとの対立姿勢鮮明/朝日 1月29日
●ギリシャの債務減免:問われる政治家の真価/日本ビジネスプレス 1.29

●ギリシャは支援延長要請せず、調査団に協力しない=財務相/ロイター 1月31日

●「債務減免考えず」と独首相 ギリシャ新政権への姿勢明確/東京 1月31日
●ギリシャ財務相と欧州グループ代表の会談は喧嘩別れ/The Voice of Russia 1/30
●ギリシャ首相:IMFに債務返済表明、欧州とも「近く」合意へ/ブルームバーグ  02/01
●ドイツ首相 ギリシャ債務削減応じず/NHK 2月1日

●ギリシャ現地レポート:「破綻国家」を救うのは「EU」か「中国」か/ハフィントンポスト 1月31日

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●欧州株:7年ぶり高値-ギリシャ選挙後もECBが楽観支える
      2015/01/27 02:48 JST
(ブルームバーグ):26日の欧州株式相場は8営業日続伸し、指標のストックス欧州600指数が7年ぶり高値を更新した。ギリシャ総選挙で野党・急進左派連合(SYRIZA)が勝利し同国株が売られたものの、欧州中央銀行(ECB)が先週発表した国債購入計画が引き続き支援材料となった。

●ギリシャのチプラス首相、抜本改革を約束
        ロイター 2015年 01月 28日 21:35
[アテネ 28日 ロイター] - ギリシャのチプラス新首相は28日、国の主権回復へ抜本改革を推進するための委任を新政権が有権者から受けたと述べた。政府はこの日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による金融支援の条件である民営化計画の一部を凍結した。

首相は初の閣議で、「われわれはこの国の政策および政権運営を抜本的に変えるために就任した」と述べた。

「われわれのパートナーとの新たな交渉は優先事項で、この国が過剰な債務とリセッション(景気後退)の悪循環を抜け出せるように、公平で実行可能、互いに利益のある解決策を目指す」とした。

金融市場は神経質な展開となり、10年国債の利回りは上昇し、株価は下落した。

チプラス首相は30日に予定するユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長との会合が生産的なものになることを期待するとも述べた。

均衡の取れた予算編成を目指すものの、国内総生産(GDP)の175%超に膨らむ巨大な公的債務をまかなうために「非現実的な黒字」の積み増しは模索しない考えも示した。・・・・・・・・(略)・・・新内閣の閣僚らはまた、低所得層への年金の引き上げや、解雇された公的部門の職員の一部を再雇用することも約束した。

●ギリシャ新政権が発足 緊縮策見直しへ強気姿勢
     サンケイ 2015.1.28 23:38
 【クラクフ(ポーランド南部)=宮下日出男】欧州連合(EU)主導の財政緊縮策への反対を掲げるギリシャのチプラス新内閣が発足し、28日始動した。債務減免などのためにEUとの交渉を担う財務相にはチプラス首相の急進左派連合から、反緊縮の「論客」といわれる経済学者のバルファキス氏を起用。EUに対し強気の姿勢を鮮明にした。

 新政権は28日、初の閣議を開催。首相は「服従的な政策は続けない」と述べ、EUを牽制(けんせい)した。

 27日に正式発足した内閣では、急進左派の経済学者でベテランのドラガサキス氏が副首相に就任。経済全般を統括し、EUとの交渉にも関与するとみられる。連立相手の「独立ギリシャ人党」からはカメノス党首を国防相に起用した。

 新政権は従来の緊縮策を見直し、国内総生産(GDP)比で180%近くに上る債務の削減や返済期間の延長などをEUに求める方針。バルファキス氏もEUの支援条件について、現状ではギリシャの経済回復は不可能と主張してきた。

 だが、ユーロ圏諸国など公的機関の債権放棄につながる債務削減には応じない考え。ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長は新政権の要求について「支持する国は多くない」としており、残る融資の実行を含め、支援をめぐる交渉は厳しい展開が予想される。

●ギリシャ銀行株連日の急落、ECB支援停止懸念
         ロイター 2015年 01月 29日 00:59
[アテネ 28日 ロイター] - 28日の欧州株式市場で、ギリシャ銀行株への売りがこの日も膨らみ、セクター株指数は25%超急落している。総選挙後の下落率はこれで40%超に達した。銀行株が下げを主導する格好で同国の主要株価指数.ATGも10%近く値を下げている。

ギリシャのチプラス新政権は発足早々、欧州のパートナー諸国への事前の相談もなく、支援プログラム下で合意していた国内最大港湾ピレウス港の売却計画停止を決定するなど、反緊縮路線を堅持する姿勢を表明。債務をめぐる債権団との交渉が決裂するとの不安が高まっている。

こうした中、ギリシャの銀行が保有する資産が適格担保対象から外されれば、欧州中央銀行(ECB)の流動性支援を受けることができなくなると懸念されており、すでに預金流出に直面する銀行株が一段と売り込まれる構図になっている。

OTASテクノロジーズの調査部門責任者、サイモン・モーハン氏は「ギリシャ銀の担保がECBの適格担保基準から除外された場合、資金が枯渇する。資金がなければ銀行ではない」と指摘。新政権と欧州諸国との交渉の行方が明確になるまで、底値は見えないと述べた。

市場関係者からは、チプラス氏が急進左派連合(SYRIZA)と同じく反緊縮を掲げる右派の保守政党「独立ギリシャ人」と連立を組んだことで、より均衡の取れた政権が誕生すると期待していた海外の機関投資家が失望し、売りを膨らませているとの指摘が聞かれた。

●ギリシャの銀行から1.8兆円の預金流出-危機のピーク上回る
       ブルームバーグ 2015/01/29 11:02
  (ブルームバーグ):ギリシャの銀行からの預金流出が先週の段階で過去最高水準に達した。同国の金融機関の流動性や債権者との交渉結果をめぐり不安が広がった。事情に詳しい関係者の1人が明らかにした。

同関係者によれば、25日の総選挙の準備期間中に140億ユーロ(約1兆8600億円)強が銀行から流出し、1月だけで流出額は110億ユーロに上った。特に1月19-23日の流出額は、ギリシャがユーロ離脱の瀬戸際に追い込まれた12年5月を上回った。

急進左派連合(SYRIZA)のツィプラス首相が率いるギリシャの新内閣が、救済の条件となっている経済改革と国有企業の民営化の約束を取り消す姿勢を示したことで、ギリシャの主要銀行ユーロバンク・エルガシアス とアルファ銀行 、ギリシャ・ナショナル銀行 、ピレウス銀行の株価は28日に最大30%急落した。

●ギリシャ「反緊縮」内閣が初閣議 EUとの対立姿勢鮮明
        朝日 2015年1月29日03時04分 アテネ=山尾有紀恵
 ギリシャの総選挙で大勝した急進左翼進歩連合(SYRIZA〈シリザ〉)を中心とする連立政権が28日、初閣議を開いた。チプラス首相(40)が率いる内閣は「反緊縮」路線を色濃く映し出した布陣だ。緊縮策の継続を求める欧州連合(EU)との対立が強まる可能性がある。チプラス首相は対ロシアの追加制裁を巡り、早速EUを牽制(けんせい)した。

 チプラス首相は閣議の冒頭、EUとの交渉について、「公平で、互いの利益となる解決を求める。ギリシャの尊厳を回復するため、血を流す覚悟がある」と述べ、厳しい姿勢で交渉に臨む考えを示した。

 新内閣の財務相には、選挙前から反緊縮を唱える経済学者のバルファキス氏が就任した。副首相には、経験豊富な急進左翼所属の経済学者ドラガサキス氏、国務相には最側近の一人のパパス氏を据えた。外相には政治学者のコジアス氏が就いた。経済の知識が豊富な閣僚が多く、EUに対し、緊縮策に反対する考えを理論的な見地からも訴える狙いがあるとみられる。

●ギリシャの債務減免:問われる政治家の真価
     日本ビジネスプレス 2015.01.29(木) (2015年1月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 時として、正しい行動は賢明な行動だ。今のギリシャは、これに当てはまる。適切に実行されれば、債務削減はギリシャとその他ユーロ圏諸国に恩恵をもたらす。困難を生み出すだろうが、ギリシャを見捨てることで生じるリスクよりは小さい。

 残念ながら、そのような合意に達するのは不可能かもしれない。ユーロ圏の危機が終わったという考えが間違っているのは、このためだ。

SYRIZAの勝利が何ら意外ではない理由
 ギリシャの急進左派連合(SYRIZA)の勝利に驚いた人などいないはずだ。「景気回復」の最中にあって、ギリシャの失業率は労働力全体の26%に上り、若年失業率は50%を超えている。国内総生産(GDP)も危機以前のピークを26%下回っている。

 だが、この場合、GDPは経済的厚生の低下を示す指標として極めて不適切だ。ギリシャの経常収支は2008年第3四半期にはGDP比15%の赤字だったが、2013年下半期以降は黒字になっている。つまり、財とサービスに対するギリシャ人の支出は実際、少なくとも40%減少したわけだ。

ギリシャ総選挙、反緊縮の急進左派連合が歴史的勝利
1月25日、ギリシャの首都アテネで、急進左派連合(SYRIZA)の総選挙勝利を喜ぶ人々〔AFPBB News〕

 この惨状を考えれば、有権者が前政権と、前政権が債権者に命じられて――どこか中途半端に――推進した政策を拒絶したのは決して意外ではない。

 新首相のアレクシス・チプラス氏が述べたように、欧州は民主主義の原則の上に成り立っている。ギリシャの国民は意見を述べた。時の権力者は、少なくとも耳を傾ける必要がある。

 だが、聞こえてくることはすべて、債務と緊縮財政に関する新たな取り決めに対する要求が、多かれ少なかれ、あっさり拒否されることを示唆している。

債務減免を拒む独善的なナンセンス
 この反応を煽っているのは、膨大な量の独善的ナンセンスだ。特に2つの意見がギリシャの要求に対する妥当な回答の妨げになる。

 最初の意見は、ギリシャ人はお金を借りたのだから、どれだけ高くつこうとも返済する義務がある、というものだ。これはまさに債務者監獄*1を支えた姿勢だった。だが、実際は、債権者には賢明にお金を貸す道義的責任がある。借り手に対する資産査定を怠れば、将来起こることを受け入れるしかない。

 ギリシャの場合、特に対外赤字の規模は明白だった。ギリシャという国家がどう運営されているのかも明らかだった。

・・・・・・・(略)・・・
ギリシャをデフォルトに追い込む危険なアプローチ

ギリシャのユーロ離脱はハルマゲドンか、損失額80兆円の試算も
 危険なアプローチは、ギリシャをデフォルトに追い込むことだ。

 そうすれば、欧州中央銀行(ECB)がもはやギリシャの中央銀行として機能できないと感じるような状況が生まれる。そうなったら、次は離脱が余儀なくされる。

 それがギリシャにもたらす結果は、短期的には間違いなく破滅的だ。筆者の推測では、数十年間にわたって近代化に向けた動きを覆すことにもなるだろう。
だが、ダメージを被るのはギリシャだけではない。ギリシャの離脱は、ユーロ圏の通貨同盟は不可逆ではなく、単なる厳密な為替ペッグだということを浮き彫りにする。これでは2つの世界の最悪の要素を併せ持つことになる。ペッグ制の硬直性を持ちながら、通貨同盟の信頼性がないのだ。

 将来危機が起きるたびに、これが「離脱の時」なのかどうかが問われることになる。その結果生じるのは慢性的な不安定さだ。

ただの政治屋か、真の政治家か?

 ユーロ圏の創設は、加盟国が通貨に関して考え得る案のうち、2番目に悪い案だった。ユーロ圏の解体は、最悪の案だ。だが、ギリシャを出口に追いやると、まさにそこへ行き着くことになりかねない。

 正しい道筋は、検証可能な改革の成果を条件として、債務減免の道理を認めることだ。政治屋にすぎないポリティシャンならば、この考えを拒むだろう。真の政治家たるステーツマンならば、飛びつくだろう。彼らがどちらなのか、間もなく分かる

●ギリシャは支援延長要請せず、調査団に協力しない=財務相
        ロイター 2015年 01月 31日
[アテネ 30日 ロイター] - ギリシャのバルファキス財務相は30日、同国を訪れている欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の調査団に協力しない方針を明らかにし、国際支援プログラムの延長を要請しないと言明した。

ギリシャ新政権との協議のため現地入りしているユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、ギリシャと国際支援団は、現行の支援プログラムが終了する2月28日までに、次の行動について決定する見通しとした。

バルファキス財務相は記者団に対し、支援プログラム延長の要請によって同プログラムに対する疑問をうやむやにしないことが、新政権がとる最初の行動と言明した。

ギリシャの競争力を向上させ、財政均衡を目指す改革を実施していく計画であることをデイセルブルム議長に確約したとしつつも、デフレや存続不可能な債務が招く危機は受け入れられないと語った。

デイセルブルム議長は新政権に対し、ギリシャが国際支援団とすでに合意している支援条件を順守するよう求め、一方的な行動に出ることをけん制した。

●「債務減免考えず」と独首相 ギリシャ新政権への姿勢明確
         東京 2015年1月31日
 【ベルリン共同】ドイツのメルケル首相は31日、ギリシャ新政権のチプラス首相が欧州連合(EU)などに債務の削減などを求めていることについて「債務のさらなる減免は考えていない」と断言し、認めない姿勢を明確にした。31日付のハンブルガー・アーベントブラット紙(電子版)のインタビューに答えた。
 EUの「盟主」であるメルケル氏が債務削減を否定したことで、ギリシャ政府とEU側の協議は難航必至の情勢となった。
 メルケル氏は「ギリシャは既に(銀行などの)民間の債権者から多額の債務の削減を受けている」と指摘した。

●ギリシャ財務相と欧州グループ代表の会談は喧嘩別れ
      The Voice of Russia 1/30
アテネでの欧州グループのデイセルブルム代表とギリシャのヴァルファキス新財務相との交渉は物別れに終わった。30日、ギリシャのテレビ局「メガ」が報じた。

ヴァルファキス財務相は交渉のあとのぞんだブリーフィングで、ギリシャは欧州のトライアングル債権者(EU,欧州中央銀行、IMF)の使節団と協力する気はないと語り、この「不可解な3者委員会」は反欧州政治を行っているとの見解を表した。
これに対しデイセルブルム欧州グループ代表は、ギリシャ財務相の声明の通訳を聞き、スイッチの切れたマイクにむかって、「お前はたった今、その『トライアングル』を殺したんだ」とののしった。目撃者が「メガ」テレビに明らかにした。ギリシャ財務相のほうはこれにすさまじい叫び声で答え、この後、デイセルブルム氏は席を立った。・・・・(略)・・・

●ギリシャ首相:IMFに債務返済表明、欧州とも「近く」合意へ
    ブルームバーグ  2015/02/01 15:12
  (ブルームバーグ):ギリシャのツィプラス首相は自身の経済政策への支持獲得に向けた外交を進めるのを前に、債権者との関係修復を図った。
同首相は1月31日にブルームバーグ・ニュースに対し電子メールで、欧州中央銀行(ECB)と国際通貨基金(IMF)に債務を返済すると表明し、ユーロ圏諸国とも「近く」合意に達するとの見通しを示した。

ツィプラス首相は「欧州のパートナーとの協議が始まったところだ」とし、「認識の相違にかかわらず、私はギリシャと欧州全体の双方にとって互恵的な合意に近く達することができると確信している」とコメントした。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長のデイセルブルム・オランダ財務相はツィプラス首相の発言を歓迎した。

●ドイツ首相 ギリシャ債務削減応じず
     NHK 2月1日 4時08分
ギリシャの新政権が金融支援を受けているEU=ヨーロッパ連合などに対して債務の削減を求める意向を示していることについて、ギリシャに対する最大の支援国であるドイツのメルケル首相は、削減には応じられないという考えを示しました。

ギリシャでは先に行われた議会選挙の結果、財政緊縮策の見直しを掲げる連立政権が発足し、チプラス首相は日本円で32兆円に上る金融支援を受けているEUなどに対して債務の削減などを求めていく考えを示しています。

これについて、ギリシャに対する最大の支援国であるドイツのメルケル首相は、31日付の地元新聞のインタビューで、「ギリシャはすでに民間の銀行や投資家からばく大な債務の削減を受けている」と述べ、さらなる削減には応じられないという考えを示しました。

そして、ギリシャがユーロ圏にとどまることを望むとしながらも、「財政緊縮策を続ける場合のみ、さらなる連帯を示す用意がある」と述べて緊縮策を堅持するよう求めました。

ドイツでは、公共放送が30日に発表した世論調査で、ギリシャの債務の削減に賛成すると回答した人が20%にとどまる一方、反対は76%に上っていて、緊縮策の見直しを求めるギリシャの新政権に対する懸念が強まっています。

●ギリシャ現地レポート:「破綻国家」を救うのは「EU」か「中国」か
         ハフィントンポスト 2015年01月31日 木村正人
[アテネ発]1月25日に投開票が行われたギリシャ総選挙では、反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)が過半数に迫る勝利を収め、チプラス党首(40)が首相に就任した。欧州連合(EU)による財政再建と構造改革の見直しを求めるチプラス首相は保守政党と「反緊縮」で予想外の連立を組み、EUとの交渉役に反緊縮の最強硬派を充てたため、交渉の難航が予想される。その一方で、人種差別反対を訴えるラッパーが殺害された事件に関連して党首が逮捕された極右政党「黄金の夜明け党」が議会第3党に。ギリシャは再生できるのか、それとも西洋型の資本主義と民主主義は限界に達したのか。現地を1週間近く歩いた。

医療サービスも低下
 マーサ・スタサートゥンさん(26)の瞳はやり切れない悲しみをたたえていた。父、ハーディスさん(62)が1月中旬、2度目の心臓発作を起こして急死したのだ。公立病院を退院した翌日だった。父はカーエンジニアとして働き30年間、社会保険に加入してきた。しかし、世界金融危機に続く欧州債務危機で失業し、猶予期間の1年が過ぎたあと無保険者になった。無保険者の医療費は原則として全額自己負担だ。
・・・・(略)・・・

第2次大戦後最悪
 ギリシャの失業率は25.7%。マーサさんの父のような無保険者は100万~200万人に達するという(KIPODA推計)。ギリシャでは失業は文字通り「死」につながるリスクをはらんでいる。
・・・・・・(略)・・・

 借金の返済にあえぐギリシャには強すぎるユーロを手にできなくなった人々があふれている。債務危機後の13年、電気・ガス料金の未納者25万世帯に対し、エネルギーの供給をストップ。違法に電気供給を再開させる「盗電」を手助けする支援団体もあった。その冬、火おけで暖をとっていた13歳の少女が一酸化炭素中毒で死亡するなど10日間で4人が死亡。供給停止は「あまりにも非人道的だ」として解除された。「第2次大戦以来、最悪の状況です。ギリシャで生きる人たちを助けるために闘うのが私たちの仕事」とトーダ会長は自分を鼓舞するように語った。

 単一通貨とドイツが主導する緊縮策は、物価と賃金が下がり続け、経済が縮んでいくデフレ不況にギリシャを追い込んでいる。25%以上なくなった国内総生産(GDP)の縮小がようやく止まり、観光客が少しずつ戻ってきたとは言え、その恩恵が下流階層に届くのはいつの日か。そうした絶望感が10年前には得票率が3%余りに過ぎなかったSYRIZAを政権に押し上げた。しかし、ギリシャが抱える問題はそれだけではないのだ。

人種差別による暴力事件
 にぎわいを取り戻した繁華街の裏通りを夜歩くと、暗闇の中で不気味なグループがうごめく。不法移民が薬物を密売しているという。中東・アフリカから欧州への玄関口になるギリシャには難民や不法移民が大量に押しかけている。EUの不法移民の8~9割はギリシャ経由。EUルールで難民や不法移民は、その後に移動しても、最初に到着した国に戻される。ギリシャ国内の不法移民は50万人とも言われている。
・・・・(略)・・・

 コスモポウロス所長は「軍のユニフォームや、黄金の夜明け党のシンボルをつけたグループに襲われたと犠牲者たちは証言している」と話す。フラストレーションは一段と立場が弱い難民や不法移民にぶつけられる。人種差別による暴力事件で数十人が起訴された極右政党から総選挙で17人もの当選者が出ること自体、ギリシャの壊れ方の凄まじさを物語る。

中国との蜜月
 しかし、ギリシャで1カ所だけ急激な成長を遂げている地域がある。コンテナの取扱量で世界6位の中国営海運会社コスコ・グループ(中国遠洋運輸集団)が08年に49億ユーロを投資して35年の運営権を獲得したピレウス港のコンテナ埠頭。コンテナ船だけでなくフェリーやクルーズ船も発着するピレウス港周辺は、車が激しく行き交うなど、アテネ中心部以上の活況を呈する。
・・・・(略)・・・

 ギリシャ経済をよみがえらせるのは、中国の国家資本主義か、それともドイツ型の均衡財政と構造改革か。ピレウス港のコンテナ埠頭で唸りを上げるクレーンを見上げていて、問われているのはギリシャではなく欧米型の資本主義と民主主義のような気が強くした。

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