質問番号 2 答弁者 市長 質問事項 【市の補助金交付団体の政治への関与について】
市のトップとして市の公金のすべてに責任がある市長は、市が補助金を交付している団体との関係において、政治的に明確な一線を画す必要がある。
その典型、象徴が「市長選挙での補助金交付団体の『推薦という意思表明』」行為だ。 この点を整理するために質問する。
2007年3月議会で、翌4月に予定される市長選挙を前にして、当時の平野市長に「トップである市長自身の法令遵守の姿勢や倫理観」と題して、次の旨を一般質問した。
2.来る市長選に関して、平野氏は、各種団体の推薦を受けたと報道もされている。(※)
平野氏の政治家・市長(選)等としての推薦等の意思表示をした団体のうち、山県市が財政支援している各種団体の名称、交付額(など)はどのようか。
《答・市長》私から推薦を要請したものではなく、それぞれの団体の皆さまが、今まで私が推進してきた市政についてお認めいただき、御推薦をしていただいたものと思い、誠に光栄に感じている。
なお、団体の名称など細部については、選挙に関する質問であり、答弁は差し控える。
(この時の一般質問通告書には、※印 の当該記事を、下記のとおり記載している)
※ 2007年2月27日 岐阜新聞一面 「自民党から推薦を得たほか、市商工会や市体育協会など各種団体からも推薦を取り付けており、市内全域で浸透を図っている。」 |
このように、その時の市長は、市の補助金交付団体に関して、当時、新聞でも「推薦を取り付け」と報道されているにもかかわらず、市の団体の名称などの回答を拒否した。
私は、答弁拒否が信じられなかった。いずれにしても、その答弁の仕方は、何より、市民に対して極めて不誠実で、説明責任を果たす意識もなかった。
市長が代わって、今回はそんな答弁ができないような質問通告とするように心がけた。
まず、団体の行為という面で見てみる。
市長名で補助金を交付している団体が、その補助金交付者の現職市長に関して、「市長候補(もしくは政治活動として目指す人物)」を「推薦する」と表明することは、「当該団体の行為」としては、自由だという余地がある。
ともかく、そのことは、「市長の政治活動への支援、参加」である。
結局、地方自治法上の「公益性の必要性」がある場合に補助できる(地方自治法232条の2)という大原則からして、その時点で「市の補助金交付団体」としての公益上及び社会通念上の適格を失った(自ら放棄した)こと、というべきである。
次に、市長の行為という面で見てみる。
補助金は市長名で交付したわけだが、その補助団体が「市長候補(もしくは政治活動として目指す人物)」を「推薦する」と表明したことは、「補助金を減らさないでください」「補助金を続けてください」などの「したごころ」や「意図」があると受け取られることは社会通念として疑う余地はない。仮に、補助金のお礼なら、論外である。
現職市長が、選挙・政治活動への「推薦表明」を受諾すれば、それ以前の補助金の趣旨は「何だったのか」ということになるし、補助金は目的外支出となる。選挙後については「補助団体が政治的活動にかかわった」事実から、補助金は目的外支出となるし、公益性を欠くものとして違法な補助金となる。
総合的に考えれば、市長名で補助金を交付している団体が、市長選あるいは事前の政治活動において、「あなたを推薦します」と表明があったとき、「推薦」などされたら、「次から補助金を交付できなくなりますよ」と断るべきだ。市長候補が「推薦」を認容するなら、その後の選挙で当選した場合は「補助金を交付しない」とすべきだ。
理由は、市の補助団体が市長選挙・政治活動にかかわることは極めて不透明で公正さに欠ける、社会通念上許されない、市長等の倫理条例(特に第3条)にも反する、などだ。
そこで、市長に質問する。
1. 2011年(H23年)のとき、林候補の政治活動・選挙において、「推薦表明」した団体はいくつか。
そのうち、市長選挙後の24年度に補助金交付した団体は、いくつか。
この質問通告に添付した、今回3月定例議会における市長提出の「議案資料 5-4」、H27年度当初予算の補助金調書(100万円以上)の抜粋の表中では、どの団体なのか、名称を答えられたい。
2. 今は、来る4月の市長選挙の政治活動段階である。かつ、先の平野氏で例示した市長選挙前の「補助金交付団体の推薦の取り付け」の先例がある時期とも重なる。
林市長は、前回のことはともかく、今回の選挙を前に、市の「補助金交付団体の推薦」を受けつつ、補助金の返還も求めず、さらに今後も継続するつもりなのか。
それとも、「推薦」されたら、「補助金の返還を求めることになります」、とか、「今後は補助金を出せなくなります」と伝え、推薦を断るのか。
なお、先に述べた前市長の答弁拒否と同様にならないために、意思表示をしておく。
1番目の質問に具体的な団体名の答えがなければ、当該補助金につき住民監査請求し,住民訴訟に進む。なぜなら、裁判手続きでは、関係者への「文書提出命令」とか「調査嘱託」とかの手法があり、裁判所名で事実関係の整理ができる、つまり団体名が明らかにできるからだ。団体名の答弁があれば、この過去のことは、これ以上は不問とする。
次に2番目の質問については、「『推薦』を断る」、もしくは「補助金の返還を求め・今後は不交付とする」との答弁がなければ、H26年度及びそれ以降の当該補助金における補助団体と市長との関係にいて、市長や補助金団体を相手として住民監査請求し、住民訴訟で裁判所の公正・中立な法律判断を整理することとする。
このような質問をする理由を付け加える。来る4月の市長選につき、市長は12月議会の一般質問で実質的な立候補表明をした。私は、12月26日のインターネットのブログやその後の市民の皆さんへ配布した「通信」で、立候補しないことをすでに表明しているからだ。有権者で納税者でもある市民が、十分に納得できるように、補助金と選挙を巡る問題をきっちりと整理できる時がやっと来た、との思いでいる。 以上
※(寄附又は補助) 地方自治法 第232条の2 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。
H27年度当初予算の補助金調書(百万円以上)(単位千円)(議案資料5-4から抜粋)
(写真をクリックすると拡大)
|
|