●「19歳」なぜ投票率低い?“謎解き”した自民、不在者投票の手続き簡素化へ 19歳大学生、投票率アップ狙え 自民検討 供託金値下げ「参加」も促す
産経 2015年8月22日
自民党は、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた先の参院選の結果を踏まえ、若年層の政治参加対策の検討に入った。大学生が多い19歳の有権者の投票率が低迷したことから、不在者投票の簡素化を図る。国政選挙の候補者が支払う供託金を引き下げることも想定している。次期衆院選に間に合うよう、公職選挙法改正を目指す。
総務省によると、参院選で18歳と19歳の投票率(一部市区町村の結果を抽出調査)は45・45%で、全体の投票率54・70%を下回った。年齢別でみると、18歳の51・17%に対し、19歳は39・66%だった。
18歳に比べて19歳の投票率が低いのは、不在者投票の仕組みが一因との見方がある。東京などで暮らす大学生は、住民票を地方の実家に残したままにしているケースが多い。このため、手間のかかる不在者投票を敬遠したとみられる。
現行制度では、不在者投票請求書などの必要書類を取り寄せた上で、住民票のある市区町村の選挙管理委員会に郵送で提出。その後、送り返されてきた投票用紙を持って最寄りの選挙管理委員会で投票するというのが一連の流れだ。
自民党青年局幹部は「インターネット世代の若者には郵送など煩雑な手続きを嫌う傾向にある」とみて、ネットの活用を含めて手続きの簡素化を盛り込んだ法改正を目指す。
報道各社の参院選の出口調査によると、18歳と19歳の比例代表の投票先は、自民党が4割前後と全世代に比べて高い。若年層の投票率向上は、次期衆院選に向けて自民党への追い風になるとの思惑もある。
ただ、制度改正には押印などの本人確認をどう担保するのかがネックになりそうだ。
供託金の引き下げは若者の政治参加を促すのが狙いで、現行は衆院選と参院選ともに選挙区への立候補には300万円、比例代表では600万円を支払う必要がある。自民党は「若者が立候補しようにも年収以上の供託金を支払うのは難しい」(青年局)として減額を検討する。参院選の公約にも掲げており、減額幅は今後詰める方向だ。
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