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てらまち・ねっと



 2月10日に岐阜大学病院の総診で1月からの身体の重度の不調、激しい痛みについて診てもらった。
 血液検査、CTなどが済んでの説明。前立腺がんの腫瘍マーカー値も「2392」(「4」以下でもガンを疑うレベル)と超高値でリンパに肥大もある可能性、濃厚の旨をいわれた。すぐに泌尿器科に予約を取ってくれて、休日を挟んだ12日に泌尿器科の診察が入り、冒頭に告知。

 大学病院の書店で10日の帰りにパートナーが買ってくれた「前立腺癌のすべて/基礎から最新治療まで」(メジカルビュー社/2019年5月 11000円/カラー396頁)をその2日間の間に読んでいたので、医師の話はおおむね把握できた。
 「生検しますか」と問われたので断った。
 「今できるのはホルモン療法ですが、今日からでも来週からでもできます」と問われたので、即、「今日からお願いします」と答えた・・・

 ちなみに明日3月10日は、岐阜大学病院の泌尿器科で前立腺がんの1か月後の血液検査と診察がある。

 それで、今日のブログは、この間にいろいろと調べた中で、それなりにやる気を感じるようなまとめ方、治療方針を表している病院だと私に映る中の一つの病院の説明を抜粋転記して、自分の整理としようと思う。
 それは、「金沢大学附属病院泌尿器科」の「前立腺癌の解説と治療方針」など。

 こちらは、2月の12日以降の各種の検査で「高リスク」で「多発転移」だということは、すでに分かっている。
 その視点、観点で本を読み情報を集めているので、今の知識からすれば、・・・・と思うところはないわけではない。
 なお、昨日3月8日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,977 訪問者数1,791」。夕方の気温はなんと17度。ウォーキングはアンダーシャツも着ないで出かけたので快適だった。

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●前立腺癌について
   金沢大学附属病院泌尿器
前立腺癌について
http://kanazawa-univ-urology.jp/patients/disease/prostatic-cancer/
前立腺は精液の一部を作る男性固有の臓器で、膀胱から出た尿道の周りを取り囲むように存在しています。また、前立腺の背部には精嚢という精液をためる袋状の臓器が左右一つずつ付いており、精嚢に貯められた精液は射精の際に前立腺内の射精管を通って尿道に放出されます。前立腺癌は中高齢者に多くみられる癌でその罹患数は年々増えており、2015年の予測がん罹患数(男性)は胃癌、肺癌を抜いて一位になりました。

診断
早期の前立腺癌は無症状で、検診による前立腺癌のチェックが広く普及している日本では無症状のうちに発見されることが多いです。ある程度進行してくると血尿、排尿困難、頻尿などの症状がみられることがあります。

腫瘍マーカー(血液検査)
前立腺癌の腫瘍マーカーとしてPSA(前立腺特異抗原)があり、これは採血でチェックすることができます。非常に優れた腫瘍マーカーであり、前立腺癌の早期発見に大きく寄与しています。

経直腸前立腺超音波
前立腺は比較的体の奥の方に存在するため体の表面から行う超音波検査では詳しく見ることができません。そのため、前立腺の超音波検査は肛門から超音波プローブを挿入してより詳細に観察する必要があります。

CT、MRI
PSAや超音波検査で前立腺癌が疑われる場合、前立腺をより詳細に評価するためにMRIを行います。また、前立腺癌が確定した場合に進行度を評価するためにCTを行います。

骨シンチグラフィー
前立腺癌は骨に転移しやすい癌です。前立腺癌が確定した場合に、骨の転移の有無を見るために骨シンチグラフィーを行います。

経直腸前立腺針生検
前立腺癌の確定診断を行うために必須の検査です。前述の経直腸前立腺超音波で前立腺を見ながら10-12回程度前立腺を針で刺して組織を採取します。

治療法
手術療法
癌が前立腺内にとどまっている場合に根治を目的に行います。前立腺と精嚢を一塊にして摘出し、膀胱と尿道をつなぎなおします。以前は開腹して行っていた手術ですが、近年では安全に高精度で行えるロボット手術が全世界的に普及してきています。当科ではロボット手術を全国でもいち早く取り入れて行ってきた実績があります。

ホルモン(内分泌)療法
主に転移のある場合、手術後に再発してきた場合、手術を行えないような場合に行います。前立腺癌細胞は男性ホルモンの影響で増殖することが知られています。男性ホルモンを抑えることで前立腺癌の進行を抑えるのがホルモン療法です。男性ホルモンは主に精巣から分泌されるので、以前は去勢術(両側の精巣摘出)が行われていましたが、ホルモン療法(薬物療法)により同等の効果が得られるため、近年では去勢術が行われる機会は少なくなりました。

抗癌化学療法
進行前立腺癌に対して、ホルモン療法で治療効果が得られなくなった場合に適応となります。日本では2008年に保険適応となっています。抗癌剤特有の副作用が出ることがあるため導入時には入院が必要ですが、導入後は外来通院にて続けていきます。

放射線療法
外から放射線を当てる外照射療法と針で刺して中から放射線を当てる組織内照射療法に大きく分けられます。組織内照射療法は更に高線量組織内照射療法と小線源組織内埋込療法に分けられます。基本的には転移を認めず癌が局所にとどまっている場合に根治目的に行われます。転移は認めないが局所で進行している場合、手術の適応にならない場合、患者様の希望がある場合などに行われます。

前立腺癌に対する当科の治療方針
限局性前立腺癌のリスク分類
低リスク 中リスク 高リスク 超高リスク
PSA 10以下 10~20 20以上
悪性度(グリーソンスコア) 6以下 7 8以上
ステージ T2a以下 T3a T3bまたはT4
※低リスクは、3つの項目をすべて満たす。高リスクは、3つの項目のうち1つ以上満たす。

金沢大学附属病院での前立腺癌に対する治療方針

※高リスク、超高リスクに対する放射線治療はすべて治療前に数ヶ月間ホルモン療法を行います。

治療方針について詳しくはこちらをご覧ください。

●前立腺癌に対する放射線療法
              放射線療法
前立腺癌の治療方針は、限局性前立腺癌(ステージ A から C)と転移性前立腺癌(ステージD)で大きく方針が分けられます。また、限局性前立腺癌においても、癌と診断されたときの年齢、PSA(前立腺特異抗原、腫瘍マーカー)、針生検での癌の悪性度(グリーソンスコア)、ステージ(癌の広がり)によって治療後どれくらい再発しやすいか(再発リスク)がある程度予測できるので、再発リスクよって治療方針が異なります。

ステージDではホルモン療法が治療の中心となります。ホルモン療法以外にも、骨盤部リンパ節転移のみの場合、骨盤部に広範囲に放射線療法(外照射)を行うことがあります。骨にも転移がある場合は、そこの痛みがあまりに強いときに骨に外照射を行うことによって痛みを軽減させることがあります。
・・・(以下、略)・・・

治療方針について詳しくはこちらをご覧ください。
・・・(略)・・・
●【前立腺全摘除術】
尿道と膀胱から前立腺と精嚢を切断摘除し、膀胱と尿道を再びつなぎ直す手術です。
手術時間は3~4時間です。現在当科では、ほぼ全例でロボット補助下の内視鏡手術を行なっています。ロボット手術では、術者は立体画像を見ながら、操作性の良いロボット鉗子を操作することで緻密な手術をすることが可能です。ロボットによる前立腺全摘術は、欧米では2000年頃より始まり、日本においても2012年に保険適応となってからは、導入施設も増加し、現在標準的に行われています。当院では2009年から先進医療により日本の中でもかなり早い時期から同手術を開始、2012年4月からは保険適応となり2015年までに250例以上を施行しています。ロボット手術では創が小さいため、術後疼痛が少なく、また、出血量は平均200ml程度で、輸血が必要となったことはほとんどありません。前立腺全摘術は、局所前立腺がんのほぼすべてに適応となりますが、MRI検査による前立腺周囲のがんの状態評価で、明らかに精嚢まで達している場合のみ、手術で取り切れないことが多いために手術適応としてはおりません。手術には全身麻酔が必要であり、他の治療されている病状や全身状態にもよりますが、通常は75歳以下の患者様に手術をお勧めしています。術後の主な合併症として尿失禁と勃起障害ED)があります。当科での経験では、ロボット手術では従来の開腹手術と比較して尿失禁の改善が早く、日常生活に支障のない状態まで改善する患者様は術後3か月で70%、1年で90%以上です。また、前立腺の周囲には勃起を司る神経が網の目のように走っており、前立腺摘除の際、ある程度の損傷を受けますが、癌の状態によっては、神経を多く残すことも可能です。術後に勃起が改善してくる割合は、術中の神経を残す程度によって異なり、20~70%程度です。

【放射線療法】
前立腺癌は一般に放射線感受性の低い腫瘍です。特に悪性度の高い前立腺癌の場合は、より多くの放射線を照射する必要があります。従来、年齢や心臓病等の合併症のために前立腺全摘除術が困難とされていた早期前立腺癌、あるいは手術の適応外と診断された局所進行性前立腺癌(ステージC)に対して、ホルモン療法あるいは放射線療法(外照射)の併用が行われてきました。しかし、外照射の場合、前立腺だけでなく、その背側にある直腸や膀胱にも若干照射されます。前立腺がんを確実に治療するためには75グレイ以上(グレイとは放射線の強さの単位)の照射線量が必要と考えられます。しかし、60グレイ以上で放射線性直腸炎や膀胱炎などの副作用(下痢、血便、頻尿、排尿時痛、残尿感等)が約10-20%の頻度で生じます。照射線量が75グレイになると、治療効果はさらに高くなるものの、合併症は30%以上となり、その重症度も高くなってきます。従って、日本では外照射のみでは通常約70グレイまでしか前立腺には照射しません。したがって、従来の外照射では、治療に限界があり、手術より成績が劣ると言われています。しかし、最近ではIMRTという特殊な外照射や、ブラキーセラピー(前立腺組織内照射)という特殊な方法で放射線量を上げ、治療効果を高めることができます。

一般的に放射線療法の合併症として、尿意切迫感(10%)、頻尿(10%)、切迫性尿失禁(数%)、血尿、尿道狭窄、下痢、血便などがあります。多くの場合、数ヶ月で多くの合併症は改善しますが、中には改善しにくい患者さんもおられます。
当院で前立腺がんに対して行っている放射線療法は、3通りあります。それぞれの治療法には長所と短所があります。

1) 外照射(IMRT)
体の外からコンピュータを駆使することによって、照射範囲をより限局して前立腺に原則 76 グレイ(2 グレイ × 38 回)、照射する方法です。
長所:心臓の病気など合併症のある場合でも可能。
骨盤内リンパ節転移にも照射できる。
1回照射時間が数分なので、通院も可能。
短所:平日に毎日1回照射するので、治療に約2ヶ月かかる(原則通院)
照射時間は 1 回に約 20 分かかります。
IMRT による合併症は従来行われていた原体照射と同等ですが、安全性を高めて、治療効果を向上させることができると言われています。手術やブラキーセラピーのように出血を伴う処置をすると困る場合(例えば、抗凝固薬をなかなか中止できない人)などには良い適応です。治療の精度を向上させるため、治療開始約 2 週間前に会陰部(肛門と陰嚢の間)から局所麻酔下に前立腺内に非常に小さな金マーカーを埋め込みます。金マーカーは永久に体内に残ります。

2) 組織内照射(ブラキーセラピー)
(A) 小線源永久留置組織内照射(LDRブラキーセラピー)
一般的には中リスク以下の前立腺がんに単独療法として行っていますが、高リスクの前立腺がんでも、ホルモン療法と外照射(IMRT)を併用することで治療効果を高めて行っています。
方法:痛みのないように、腰椎麻酔下(原則下半身のみの麻酔)で陰嚢と肛門の間(会陰部)から針を挿入し、ヨウ素125という弱い放射能をもっ
た5 mm程度の小さな線源を前立腺の中に50-100個埋め込みます。治療時間は2時間前後かかります。
長所:多臓器への影響が少ない内部に高線量を加えることができるので、低リスク群では手術と同程度の成績。
麻酔下での線源留置中の患者への負担が少ない。
尿失禁・EDが比較的少ない。
入院期間が4日間。
短所:体内に永久に線源が残る
前立腺肥大症の手術を受けた人ではできない
前立腺が50g以上ある場合は不可能。
入院期間中、個室に入らなければならない(個室の差額が発生)。

(B) 高線量率組織内照射(HDRブラキーセラピー)
当院では高リスクと超高リスクの前立腺がんを対象に行っています。このため、約6ヶ月のホルモン療法を行った後にHDRブラキーセラピーを行います。
方法:入院後、痛みのない麻酔下で陰嚢と肛門の間(会陰部)から前立腺に向けて12本前後の針を挿入し、その針の中にイリジウム192という高線量の放射能をもつ線源を挿入し、前立腺の中から高いエネルギーを1回だけ(13グレイ)照射します。1回13グレイの内照射は、通常の外照射
に換算すると約54グレイに相当します。照射後にすぐに針を抜きます。
この治療の1週間後、原則通院で、IMRTを46グレイ(2グレイ× 23回)骨盤内に約1ヶ月かけて行います。
長所:多臓器への影響が少ない。

内部に高線量を加え、前立腺の周辺にもある程度の放射線を照射できるので、前立腺の外に出ていると考えられる高リスク群でも治療ができ、高リスク、超高リスク群ではむしろ手術より成績は良い。
尿失禁・EDが比較的少ない。
前立腺肥大症の手術を受けた人でも可能。
短所:入院期間が約10日間。
外照射と併用しなければならない(約1ヶ月間毎日通院)。
前立腺が50g以上ある場合は不可能。
治療後尿道狭窄が起こることがあり、尿道切開術を必要とすることがある(約5%)。
尿意切迫感が続くことがある(10%)。

●【ホルモン療法】
前立腺は男にしかない臓器で、精液の一部を作っています。つまり、「男性ホルモン」の影響を受けています。
前立腺から発生した前立腺がんも「男性ホルモン」の影響を受けています。もっとわかりやすく言えば、「男性ホルモンは前立腺がんの大切な栄養分」なのです。転移部位も前立腺がん由来である限り、男性ホルモンは転移した前立腺がんの大切な栄養分なのです。したがって治療は、男性ホルモンを除去し、栄養分を取り除くのが最も効果的です。これが「ホルモン療法」です。
ところで、男性ホルモンは約 90%が精巣(睾丸)から分泌されており、残り約 10%は副腎と呼ばれる腎臓の上にある小さな臓器から分泌されています。

 精巣からの男性ホルモンの取り除き方
1. 1ヶ月ないし3ヶ月に1回の皮下脂肪への注射(リュープリン、ゾラデックス、ゴナックス)(お腹または腕)、
または
2. 精巣を摘出する(約 30-60 分の手術)
これで全体の90%の男性ホルモンを除去できることになります。
多くの患者は手術をせずに、注射を希望しています。
 副腎からの男性ホルモンに対する処置
 これは通常の薬では取り除けません。

 代わりに、前立腺がんに到達する男性ホルモンをブロックする薬(抗男性ホルモン薬)を毎日内服します。
抗男性ホルモン薬(カソデックス、オダイン、プロスタール)これらの薬で副腎由来の男性ホルモンの多くがブロックできます。
おもな副作用:女性の更年期障害と類似(ほてり、汗、寝汗、いらいらなどの精神症状)。全体の20−30%程度が発生します。
骨粗鬆症、性欲減退、肥満傾向
肝機能障害、軽度貧血
糖尿病のある人は、血糖値が高くなる傾向がありますので、注意が必要です。
このホルモン療法により、転移のあるステージDであっても 90%以上の前立腺がんは改善します。たいていの場合、PSAの劇的な改善を認めます。また、骨の痛みや排尿障害などの症状を伴う場合にも改善が十分に期待できます。
限局性前立腺癌では、ホルモン療法により10年間再発しない症例も多くあります。

また、限局性前立腺癌に対する手術や放射線療法の治療に先行してホルモン療法を行い、あらかじめ前立腺がんの勢いを抑えておくこともしばしば行われます。ステージDの場合、数年後には半数以上の症例で再発し、ホルモン療法に抵抗性となり、
以後の治療に難渋しています。しかし、10年経過しても再発しない場合も10%程度認められます。

高リスク、超高リスクの前立腺がんの場合は、ホルモン療法と他の治療法(放射線療法)を併用して施行し(集学的治療法)、治療成績を向上させることができます。
このため、患者さんの年齢、病状、合併症、希望などを総合的に考えた上で、治療方針を決定いたします。

【その他の治療法】
私たちの施設では行っておりませんが、その他の治療法もあります。
1) 重粒子線療法、陽子線療法
X 線ではなく、重粒子線、陽子線といった特殊なエネルギー源をもちいて前立腺に外照射のように照射する方法で、やはり外照射よりも治療効果を向上させることができると言われています。保険が全くきかず、実費で300万円近くするそうです。
単純には比較できませんが、私たちの行っているホルモン療法併用高線量率組織内照射と治療効果は同等のようです。アメリカでは、IMRT と陽子線の治療効果は同等と報告されています。

2)サイバーナイフ
IMRT をさらに改良し、前後左右から自由に前立腺に放射線を照射する方法です。アメリカでは既に照射回数を外照射 5 回に減らして行っています。この治療法では、照射回数を減らしても IMRT とほぼ同等のことができます。ただし、適応の前立腺癌のリスクは行っている施設で異なります。

2) 免疫療法
一般的には、日本では前立腺癌に対しては行っていませんが、すべての治療を行っても効果がなくなったときに、研究的意味合いで行っている施設もあります。多くの場合、すべての治療を行っても再発したときに行っているのが現状です。

文責:金沢大学附属病院 泌尿器科 溝上 敦





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