カサブランカは、日本の山百合、鹿の子百合、さく百合等の交配によって誕生した世界最大の百合だ。別名のオリエンタル・ハイブリッド・リリー。あの華やかな姿が日本の山百合から誕生したのかと思うと、少し意外な気がしないでもない。女性の歩く姿は百合の花に例えられる。鮮やかな立ち振る舞いの印象が、百合の花を連想させるのだろうか。もちろん、和服を着た日本人女性にこそふさわしいイメージだが、古い洋画にも同じ雰囲気を匂わせる女優がいる。いい女の要素は和洋で変わりは無いのだろう。
そして、今日の話は映画のカサブランカ。粋なセリフと、哀愁漂うクライマックスで有名な映画だ。アメリカへの亡命を図るヨーロッパ人たちの寄港地であるフランス領モロッコのカサブランカで酒場を経営するリック。彼は昔の恋人エルザと再会するが、彼女には反ナチ運動を指導する夫がいた。エルザに裏切られながらも、いまだに彼女を忘れることが出来ないリックは、ナチスの目を盗んでふたりを無事にアメリカへ脱出させようとする。マリー・バーネットとジョーン・アリスンの未発表の戯曲『Everybody Comes to Rick's(誰もがリックの店にやって来る)』をベースに、二人の男と一人の女の三角関係を数々の名台詞と、マックス・スタイナーの美しい音楽で彩ったメロドラマの金字塔。
この曲はこの作品のために書き下ろされたものではなく、31年のブロードウェイ・レヴュー『Everybody’s Welcome』のために作曲されたもの。
イルザ「ゆうべはどこにいたの?(Where were you last night?)」
リーク「そんな昔のことは憶えていない(That's so long ago. I don't remember.)」
イルザ「今夜逢ってくれる?(Will I see you tonight?)」
リーク「そんな先のことは分からない(I never plan that far ahead.)」
リーク「10年前、君は何をしていた?(Where were you, say, 10 years ago?)」
イルザ「歯に矯正器つけてたわ。あなたは?(Yes, l was having a brace put on my teeth. Where were you?)」
リーク「職を探していた(Looking for a job.)」
by『カサブランカ』(監督:マイケル・カーティス、1942年公開)
ちなみにリリー・カサブランカの花の色は白だが、ピンク色の花もあるらしい。その名前は、「スウィート・メモリー」。その昔、サントリービールのCMにペンギンがキャラクターが使われ、バックには松田聖子の「スウィートメモリー」が流れていたっけ。
SWEET MEMORIES