本棚の整理をしていてひょこり「風の狩人」を見つけた。本をめくると数年前の楽しい記憶や色々な思い出がよみがえった。 「風がぼくを待っている」そんな気持ちになった。ランチャに立ったら、またあのわくわくした気持ちはよみがえるかもしれない・・・・・・。
大空を舞いたい。一時、転勤で中断していた大空への憧れが日増しに強くなっていた。パラグライダーのパイロットの夢が中座していたぼくは、ネットで探して予約してパイロットのライセンス取るため車で集合場所に向かった。
例によって、方向音痴のぼくは、携帯電話での誘導を受けようやくスクールの事務所へ。それから、車に揺られて1時間ぐらいで鴨川嶺岡のランチャーに到着。すでにサーマルに乗って、はるか上空を数名のフライヤーが飛んでいた。
なんて楽しそうだ!って気分が盛り上がって、講習地で初級機を使って道具の説明。
3年のブランクは、完全にぼくを全くの初心者にしていた。キャノピーを立ち上げるため、フロントとクロスハンドのライズアップを試みるも、もうまく行かない。房総半島南東部に位置するここのランチャーは、海からの北東の風を頼りにテイクオフするのだが、今日の風はクロス気味。どうしても、立ち上げたキャノピーが横風でつぶれてしまう。
それでも、ベテランのパイロットたちは、なんとかラインを制御して無難にテイクオフしていく。
昼を食べて午後は実際にフライト。ぼくはあの情熱を取り戻していた。とにかく飛ぼうと夢中。浮かびさえすれば、どうにでもなるはず。が、うまく行かない。ブレークコードを引いているわけではないのに、どうしても沈下する。インストラクター曰く、古い機体なのでラインが伸びてしまっていて迎え角がとれていないのかもとのこと。この日の受講生の中で、ただ一人ランチャー下の雑木林を越えられずにいて意地になっていたら、最後に機体を交換してくれた。最後のフライトはちゃんと飛べていい感触を残して帰ることができた。
なんていうか、やっぱりパイロットのライセンスを取れるまでトライしてみようとますます思った一日だった。
次回は自機を持ち込んでの練習になるだろう。早く山の高いところから一人で飛んでみたい。次が待ち遠しい。