tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

人知れず海底で一生を過ごすウニ

2010-09-05 23:19:40 | 日記

 
 
 
 

このブログでは、珍しく食べ物の話題。・・・緊張してるかも。。
職場で三大珍味の話題になった。日本の3大珍味と言えばすぐに思いつくのが、カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)と、このわた(なまこの腸の塩辛)だろう。
この2つは珍味として大方意見が一致。そして、問題は最後の一つ。越前藩主への献上品、さらには年貢として扱われていたほどの伝統の逸品、越前(福井)の塩雲丹(京都の丹後半島のではなく)がどうやら人気だ。しかし、鮎の内臓の塩漬けで作った「うるか」や、アワビの肝を裏ごしした「としる」という意見に固執する人もいる。
いずれも高級なので、めったに口には入らないのだが、個人的には越前の塩雲丹よりも、寒海性コンブ類を食べて育った北の海のウニの方がうまいような気がするのだが、いかがだろう・・・。

小袖で採れるキタムラサキウニの産卵期は9~10月ぐらい。したがって、この時期が一番おいしい。
ちなみにウニは雌雄異体。外見で雌雄を区別することはできない。殻を割ると雄には灰色や茶褐色の精巣が、また雌にはオレンジ色の卵巣がそれぞれ入っている。精巣を「練りウニ」、卵巣を「粒ウニ」という呼び方をすることもあり、安い寿司ネタには練りウニが使われているらしい。
ウニの棘は防御と共に、運動機関や触覚の役割も果たしている。また、半球形のウニの殻の下側には丸い穴があり、ここに口がある。口の内部には「アリストテレスのランタン」と呼ばれる5個の歯がある。
ウニは棘を動かして岩の孔に入り込むと、今度は棘をつっかえ棒にして引っ張り出されないようにする。その移動速度は遅いため、岩の表面にじっくり留まって、そこに育成する海草の苗を根こそぎたべてしまう。したがって、ウニが多産する海岸ではコンブが生育できなくなる磯焼けの原因とも言われている。
コンブなどの海藻がないとウニは生育できないのだが、ウニがいるからコンブなどが育たないという逆転した因果関係だ。

海女さんが採ったウニの殻を割るのを見ていると、その内部構造が非常に単純であることに気付く。
消化系は、下部の口から体内を一巻きのらせんを描きつつ上に抜け、殻の真上に続く。生殖巣も殻の上面に開き、それらのそばに多孔板がある。
海女さんが箸で取り除いているのが消化系の内臓。ウニは体の割りに体腔が大きいのだが、一見、無駄のように見える体腔のスペースも、一部が水管系となってそこに海水を入れ管足を動かして運動したり、呼吸、栄養摂取、感覚などの働きをするらしい。無駄なスペースではなかったようだ。

前述したが、ウニは泳ぐ機能を持っていない。だから、波に流されてしまうとウニはお手上げになる。運良く岩場にたどり着けなければそこで終了。浜辺で良く見る打ち上げられたウニの死骸はこうして波にさらわれてしまったものなのだろう。したがって、ウニは孤独にも波の影響の少ない深いめの海底に生育するわけである。

「わたしは孤独が好きだ。あこがれているといってもよい。今度生まれてくるときは、
人知れず海底で一生を過ごすウニを腹一杯食べてみたい、と思う」

というオチ・・・すみませんm(_ _)m。前にも書きましたね。。
土屋賢二『われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う』からのパクリっす。


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